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  • 『まいてつ Last Run!!』の「シナリオ」は本当に低評価だったのか?~その原因を探る~


  • 『まいてつ Last Run!! 体験版』の感想・レビュー

    鉄道を利用した観光振興により地域活性化を目指す『まいてつ』の続編。
    メーカー側では「アフター」という位置づけだが、章立ては本編の続き。
    前作のシナリオが丸々入っておりシームレスに新規シナリオに突入する。
    ハチロク√は子どもが出来ない苦悩モノ。幼女を養女として迎え入れる話。
    ポーレット√は娘育成モノ。対人関係を経験させるべく鉄道旅行へ行く話。
    日々姫√は食堂車開発モノ。アイデアを得るため、由布院へ遊びに行く話。
    凪・ふかみ√は凪のふかみに対する劣等感。正機関士試験と剣道大会の話。
    真闇と稀咲は体験版が無かったが続編があるのだろうか?

    ハチロク√「子どもができないハチロクの悩み」

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    • ワケアリの幼女系炉利BBAを養女として受け入れる話
      • ハチロクは人型モジュール(レイルロオド)であるため当然のことながら赤ちゃんができません。それ故、フラグを構築し仲睦まじく夫婦生活を送っていても、ヒトとモノが家族になることについて複雑な心境に陥っていました。主人公はハチロクのために養子のことも考え始めます。そのような中で提携する鉄道会社から新しいレイルロオドと汽車を受け入れることになります。彼女こそが、主人公とハチロクとの子どもの役割を演じることになる新キャラ「オリヴィ」だったのです。
      • オリヴィは明治時代に輸入した年代物の汽車であるため実質的には炉利BBA。ハチロクが新規路線を走ることになるため、従来の路線を担当してもらうべく提携先に無理を言って融通してもらいました。すなわち主人公たちが提携先の会社を優遇することで鉄道会社としての成長を促し、余剰を生むようになったら、売っておいた恩義によってそれを回収するという戦略でした。こうしてオリヴィが送られてくることになったのです。
      • しかしながら、所属先への愛着が並々ならぬオリヴィは、自分が捨てられたと思ったのでしょう。コンビを組んでいたマスターが、オリヴィのためを思って相互理解を図らないまま分かれてしまったことも悲劇を生んだと言えるでしょう。炉利BBAながら幼女のような情緒のオリヴィは赤子の如く駄々をこねます。そんなオリヴィに対し、ハチロクはまるでお母さんのように接していくのです。機械であるため子どもを作れないハチロクの悩みが、炉利BBA幼女オリヴィを家族として受け入れることで、昇華されることが窺われます。

     

    ポーレット√「娘の成長のために鉄道旅行へ行く話」

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    • 子どもが周囲から溺愛されすぎていることの危惧
      • ポーレットが2期8年の市長の任期を務めあげたところから新章スタート。庁舎を後にするポーレットに続々と花束が渡されていきます。主人公とポーレットの娘も、代表として、母親であるポーレットに花束を渡す役目があったのですがビビッて放り出してしまうのです。その代わりをポーレットの相方レイルロオドであるれいなが果たすのですが、娘の成長の先行きに不安を感じてしまうのです。一方、娘が生まれたことでれいなとポーレットの時間も相対的に減っていました。「下の子ができたら上の子のケアを」。育児講習で習ったことを思い出した主人公がれいなのケアに回ったりもします。
      • そんなこんなで主人公とポーレットは娘の育成について話し合うことになります。これまで市長の仕事や鉄道経営のためになかなか時間がとれなかった二人でしたが、任期満了と経営の改善により、ようやく家族の時間が持てるようになったわけです。では今後どうするか。娘が抱えている問題は、周囲の人々から愛情いっぱいに恵まれて育ちすぎてしまったので、その愛情をまるで空気のように感じてしまい、それが貴重なものであると気づけていないことでした。それの改善のためにポーレットが出した案が「旅」。ポーレット曰く、自分の場合は幼少期において父親と行った鉄道旅行により心に芯が生まれて自己形成が始まったのだとか。以上により、まだ3月なので残雪があり情緒のある鉄道旅行が出来ますわ!と息巻く鉄オタのポーレットによって、家族旅行が組まれるのでした。

     

    日々姫√「弱小地方自治体にありがちな封建的反動勢力との戦い」

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    • 市議会バトルはまいてつ炎上事件をセルフオマージュしたら面白かったかも
      • のっけから市長の日々姫と反対派市議の論戦からスタート。そういえば、日々姫√は被選挙権の年齢について全プレイヤーから総ツッコミが入ったシナリオでしたね(そしてゲームなので誰も気にしなかった)。論戦の内容は、日々姫が考案している新車両の進捗の遅れを糾弾するもの。市長として成長した日々姫は見事切り換えしを図り舌戦をしのぎますが、進捗の遅れは事実であり如何ともしがたい問題でした。日々姫が抱える問題の原因はデザインのアイディアの枯渇。で、あるならばリフレッシュして観光して新しい着想を得ることが必要だという結論に至り、由布院へ遊びに行くことに決定するのでした。
      • 市長と市議の議会運営における戦いというのは「反対の為の反対」とか「足の引っ張り合い」とかもよくあることであり、観光振興をテーマにする以上避けられない側面でもあります。政治(議会)は予算と法律なので富の再分配(税収を何に使用するか)が焦点となります。観光振興の予算を組む場合、コンテンツツーリズムを取り入れると、根回しと事前理解が無い場合、批判の対象となりやすい傾向があります。『まいてつ』自身も炎上しているので、市長と市議の戦いを描くなら「食堂車の開発」よりも面白かったかもしれない。けどそうすると、鉄道がテーマではなくなってしまうか。

     

    凪・ふかみ√「メインの語り部となるのは凪」

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    • 凪視点で主人公への憧れとふかみの女性らしさに対する劣等意識が描かれる
      • なぜサブヒロインの中で凪・ふかみだけが体験版の対象となったのですか!?真闇や稀咲も良いキャラしとるやん。ちゃんと製品版でルートあるよね?よね!
      • それはそれとして、凪・ふかみ√では主人公視点で物語が進むのではなく、凪視点で話が進んでいきます。主人公は憧れの対象、ふかみは軽い嫉妬の対象として描かれています。テーマとなるのは劣等意識。凪は男勝りであるので、主人公の側に仕えて石炭を入れたり剣道で活躍をしています。しかし姉キャラのふかみが醸し出す、女の子らしさ・かわいらしい様子を見かけては、羨むような描写が挿入されるのです。そんな凪に対して正機関士の試験と剣道大会のお知らせが舞い込みます。体験版では剣道大会に申し込みをしておらず、慌ただしく書類申請する様子が描かれて幕引きとなります。川下りの船頭をテーマにして掘り下げるのは難しかったか。

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