雑録

【下馬評】2021年11月発売新作ノベルゲーは何を買ったら良いですか?

私は今月はスルーする予定です(Qruppoの新作が1月に延期したから)。
体験版をやった限りではシナリオに期待できるものは無さそう。
読者の皆様におかれましては、見に来てくださっても新作の感想は無いのでご了承ください。

今月の主要な新作は4本で、①有葉先生を原画に迎えゲーム開発系専門高校を舞台にした『創作彼女の恋愛公式』、②業界ネタを題材とするSonoraが今回はゲーム開発現場を舞台にした『ウチはもう、延期できない。』、③女装主人公とお嬢様学園にコダワリ続けるensembleの『星の乙女と六華の姉妹』、④萌えキャラがウリのNanaWindがあゆま紗由先生の原画で釣る『花鐘カナデ*グラム』となっております。①の『恋愛公式』と②の『延期できない』は、ゲーム開発を目標とするためテーマが被っている上に、類似作品が掃いて捨てる程あるので、あまり新規性も独自性も無いと言えるでしょう。『恋愛公式』は専門学校での生活がメインとなるのですが題材が他作品の寄せ集め感半端ありません。『延期できない』の方は業界の描写に重きを置きますがご都合主義感が満載です。③の『六華の姉妹』はいつものensembleという感じ。④はあゆま紗由先生の原画ゲー。あゆま紗由先生が描くキャラはかわいいなぁ。シナリオの謎解きと異能バトルは茶番。そんなわけで体験版をやった時点では、特にシナリオに関して食指が動かされることはありませんでしたのでスルーかな。面白い作品があったら後から買うので教えてください。
 
以下作品別雑感

『創作彼女の恋愛公式』 (Aino+Links)

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2021年11月発売新作の筆頭の作品。有葉先生の原画がウリのゲーム開発系専門高校モノ。主人公はワナビのライターで、一度は一発当てることができたのですがスランプに陥り後が続かなかったという設定です。そのためノベルゲーのイロハを学ぶために再起を賭けて専門高校に入学します。ゲーム開発の分野ごとにヒロインが設置されており、彼女らと交流を深めながら、ゲーム開発スキルを身につけ、ライターとして成長しようとすることが目的となります。内容に対する雑感としては、ゲーム開発ものでライターをメインに据えるなら、いっそのことシナリオ表現技法に重点を置いて、それに特化した方が面白かったんじゃないかなっていう感じ。体験版では、1章でメインヒロインである小説家、2章では裏表の激しい猫かぶりの声優が主役となりますが、中身は他の作品と似たり寄ったり。また激しくテンポが悪いことも特徴として挙げられます。1章で幼馴染でもあるメインヒロインに対して過去の恋情慕情をリセットして新しい関係を構築するという所までは比較的サクサク進み、まぁ読めるものだったのですが……2章の声優ヒロインとキャラ解釈する話は延々と堂々巡りを繰り返すことに。そして最後も主人公が問題解決に至ったのではなく他の人に教えて貰ったことを伝達しているだけであり、その中身も「原作を理解した上で声優が独自性を出す」というアリキタリなもの。流石に体験版でこんなシナリオでは発売日に新作を定価で買うのは二の足が踏まれるので、評価待ってから買った方がいいと思います。残りの2ヒロインとの共通√とその後の個別√で逆転ホームランはあるのか!?

『ウチはもう、延期できない。』 (Sonora)

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ゲーム開発会社を舞台にした作品。各分野ごとにヒロインが設置されており、彼女らを通して業界あるあるネタを提示することがコンセプト。ライター、声優、原画師、塗り絵師の4人が攻略できます。ゲーム開発というテーマでは11月筆頭作品である『創作彼女』とネタが被っていますが、向こうが専門学校であるのに対し、こちらは業界そのものを扱うので、題材的な面白さはこちらの方が上です。しかしながら『延期できない』はご都合主義的展開が満載なのでちょっと辟易してしまうところ。高校生バイトに過ぎないディレクター見習いの主人公が、ほんの少し活躍しただけで、べた褒めヨイショされまくるので、受け入れがたいところがあります。それでもシナリオには救いがあり、ちゃんとバッドエンドが用意されているのです。ご都合主義的展開は、あくまでも上手くいった世界線の一種であり、ホントウは無残にも散って逝った現実がある。それを踏まえればご都合主義でも良さそうな気がしてくるので不思議なところ。体験版のバッドエンドは味わい深いものがあり、ホントウに延期してしまったエンドになります。一応発売はしたものの、作りは甘く回収騒ぎになり利権を譲渡し会社は潰れるというオチ。社長であった姉がヒキコモリになってしまい「生きるのに失敗したゴミクズ」という考えに至る処はまさに必見。車輪の灯花バッドエンドもかくやという出来栄えです。これ、各ヒロインごとにバッドエンドがあったら私は後追いで買うかもしれない。情報待ってます。

『星の乙女と六華の姉妹』(ensemble)

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2009年の創設以来女装主人公モノやお嬢様学園モノをひたすら出し続けているensembleの新作。ニッチな需要をひたすら狙い続けます。今作はレヴュースタァライトのようなタレント養成所が舞台(バトルは無い)。本メーカーのアイドルモノとしては『おじょなな』の評価が高いです。本作はなんと母親の手引きで女装することになります。それというのも全ては主人公の妹を更生して社会復帰させるためでした。主人公の妹は容姿だけに全振り特化されており、その他のことはなにも出来ず、ヒキコモリになってしまった社会不適合者だったのです。それを憂えたママンが娘の容姿を生かすべく、コネで難関アイドル養成系お嬢様学園にぶち込んだという寸法です。主人公がいなければ何もできない妹。彼女の為に主人公は自力で編入試験に合格します。物語の原動力となっているのが、主人公がトラウマを抱えた元子役であるということ。かつては第一線でマルマルモリモリのダンスを踊っていたとのこと。この時に知り合った黒髪ロングお幼馴染が真ヒロインとして設置されています。入学後はレッスンを受けつつ様々な仕事を受けつつスキルを磨いていきます。学園には六華と呼ばれる6人だけのトップクラスがあり現在は2枠空いているとのこと。おそらく個別√に入ったら攻略ヒロインと主人公がその2枠に入り、トップクラスで戦うことになるのでしょう。主人公のことを待ち続けている幼馴染の魅力が強すぎるため、他のヒロインは霞みがち。また攻略ヒロインよりも竿役である主人公の方がかわいいの法則も発動しています。過去のトラウマを克服して幼馴染と結ばれる√はプレイしてみたいかな。

『花鐘カナデ*グラム Chapter:1 小桜結編』 (NanaWind)

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学園におけるお助け部的存在で謎解きと異能バトルをするグラムシリーズ。だがしかし謎解きと異能バトルは茶番でお使いRPG的な雰囲気が漂い、実質は可愛いキャラをウリにした原画ゲーの側面が強いです。今回原画師として起用されているのはあゆま紗由先生。2010年代前半にポプリクラブで活躍していた作家さんです。可愛らしい絵柄の炉利巨乳と八重歯、アヘ顔時の口の形に特徴があります。今回も立ち絵や一枚絵で存分にキャラの魅力を引き出しています。このメーカー、キャラは可愛いんですよね。塗り絵も上手い。しかし文章は微妙でヒロインとの掛け合いテキストもあまり盛り上がらず、謎解き要素も特に淡々と進めていくようなノリ。そして極めつけはやれやれ系主人公。キャラゲーの場合はヒロインだけでなく主人公に好感が持てるかどうかも重要なポイントになってきます。しかしやれやれ系主人公が中二病的な独白をするシーンが結構あるので割とウンザリしてしまいます。さらには何の必然性も無くひたすらヨイショされて賞賛されるので辟易気味。まさに「さすがはお兄さまですわ」を地で行きます。この些細なことで過度に賞賛されるという表現は近年のなろう系とかにも継承されているのかもしれない。そんなわけでNanaWindの塗りで、あゆま紗由先生の絵を見たい人は買ってもいいのかもしれません。