プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2 Menu3「不思議な森のティーパーティー〜アフターヌーンは危険な香り〜」の感想・レビュー

それ散る』&『俺つば』で社会的評価の高い王雀孫先生が手掛けるユニちゃんズ回。
物語全体の位置づけとしては作品世界が虚構で欺瞞であることの伏線となっている。
それでもユニちゃんが抹消されず泳がされているのは真理を暴こうとしないから。
知る事そのものがユニちゃんの行動原理であるため記憶操作に留められたというオチ。
今回セカイが欺瞞だと気づいたペコリーヌがこれからどう動くかの起点となっている。
脚本には王雀孫構文が散りばめられておりユニちゃんの台詞回しを聞いた時には泣いた。

優秀なノベルゲーのシナリオライターがソシャゲに流れてしまうという真実

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王雀孫先生のクレジットを無事確認
  • 王雀孫先生による「なかよし部」(ユニちゃんズ)回
    • 皆様は王雀孫先生をご存じでしょうか。『それ散る』や『俺つば』の功績によりゼロ年代ノベルゲー業界において一世を風靡した、あの王雀孫先生ですよ!そんな王雀孫先生ですが近年はソシャゲに流れてしまい、プリコネで「なかよし部」に関するシナリオを手掛けているそうです。今回のアニコネでも監修として参加し、その健在っぷりを知らしめることとなりました。ユニちゃんの台詞回しはまさに王雀孫先生そのもので、ダウナーかわいいユニちゃんの魅力がふんだんに表現されていました。

  • シナリオ全体におけるなかよし部回の位置づけ
    • 今回の話の位置づけとしては、作品内のセカイが虚構であり、欺瞞に満たされたものであることを、ゲーム内のキャラに気付かせるという役割を持っていました。1期第1話からして周回プレイのn周目でしたし、逆ONE状態であるぺコリーヌもそれを身をもって体験していますし、それを確信させたというのは大きいですよね。そしてこの役割を担うのが我らがユニちゃんというわけさ。

  • シナリオの内容について
    • ユニちゃんが通う学校は名門のお嬢様学校であるため学費もそれなりにし、奨学金をゲットしないとヤバい。そんな連中がユニちゃんの下へ集い、なかよし部が結成されたという流れ。研究業績をあげるべく、学園周辺の森で発生する怪異を解決しに行くことになります。この怪異事件では、別の空間軸のセカイにおいて、王が闇落ちしてしまったという悲劇を追体験します。これに参加できたのは主人公、ぺコリーヌ、ユニちゃんの3人のみで、主人公にバフしてもらったユニちゃんが物理攻撃で敵を薙ぎ払う場面が見どころです。最終的にこの悲劇は王族ぺコリーヌの共感と抱擁により浄化に成功します。一方、戦闘に参加できなかった人たちは、この別のセカイを体感できなかったので、森の怪異はぼっち少女がイマジナリーフレンドによって引き起こした事件として認識されるオチになりました。それでもぼっち少女には友達ができたので結果オーライ的な感じ。

  • ユニちゃんのかわいさについて
    • 上記の一連の事件に加え、さらにユニちゃんには記憶操作が起こっていたことが判明します。この記憶改竄事件は結構強引な挿入であり、1話でやるには丈が足りないことを感じさせました。しかしながら、ここではユニちゃんの可愛さが炸裂して綺麗なオチとなります。ユニちゃんにとって大切なのは「手段」が「目的」であること。すなわちユニちゃんにとっては「知る」という行為そのものが重要なのであり、到達する真理にはさほど興味が無いのだというのです。フツーの作品だと「手段の目的化」はマイナスイメージで語られることが多いのですが、これを逆手にとってキャラの魅力としているのはさすがはユニちゃん。ユニちゃんは自分が記憶操作の対象となったのは、セカイの真理に迫った何よりもの証左であると、それを受け入れるのです。「実に気分が良い」から始まるユニちゃんの台詞回しは一見の価値アリです。おススメ!
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穀物の塩化ナトリウム漬けじゃぁないか!
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儚い表情からの変顔
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知ること。それが僕にとっての学び……なのさ!
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やぁセカイ〔……〕ざまぁみろだ!

 

『俺つば』の感想


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