SPY×FAMILY MISSION:3「受験対策をせよ」の感想・レビュー

日常回。名門校の家族面接を突破するため疑似家族を形成するべくお出かけをする話。
上流階級のハイカルチャーに慣れるためオペラ・美術館・テーブルマナーを体験、服を仕立てる。
しかし孤児院の幼女と殺し屋のアラサーに文化的素養などあるはずもなくスパイは精神的疲弊。
そんなスパイに対し、殺し屋は気晴らしを提案。市井の人々の暮らしが一望できる高台に行く。
そこで殺し屋は自分の仕事の意味に迷った時、人々の暮らしの平穏を再確認することの重要性を説く。
汚れ仕事を負うスパイは殺し屋の価値観に共感できること大であり偽装ではなくほのかな愛が芽生える。

スパイの男と殺し屋の女という「汚れ仕事」における価値観の共有

お出かけをすることで家族の絆を深める
  • 疑似家族形成モノ~そして僕らは家族になる~
    • 東西冷戦という舞台設定の下、名門校の懇親会の潜入調査を命じられたスパイの男。疑似家族を整え、家族面接の試験に挑むことが喫緊の課題。その面接試験の対策の一環として、妻役の殺し屋と娘役の幼女にハイカルチャー体験をさせ文化資本を身につけさせるというのが今回のお話。しかしながら当然底辺孤児院で育った幼女とアラサーの殺し屋に文化的素養などあるはずもなく失敗ばかり。幼女は歳相応にオペラでは爆睡、美術館では直感で騒ぎ、テーブルマナーなどガン無視して手づかみ。一方でアラサー殺し屋も似たり寄ったりで刃物や鈍器などに陶酔する姿を晒していきます。こうしてスパイの男は疲弊し、最後にはミッションの是非を他人に負わせることの愚かさを噛み締めることになるのですが……そんなスパイを殺し屋が癒すところが今回最大の見所。スパイも殺し屋も汚れ仕事であり、それが公的に評価されることなどありません。そのためメンタルが削られやすく、時にはいったい何のために生きているのだと自己の存在理由を喪失してしまうこともあるでしょう。殺し屋はたびたびそのような虚無感に陥ったことが匂わされており、市井の人々の平穏な暮らしを眺めることで、自分の仕事の意義を再確認するのだと語られます。この殺し屋の仕事観はスパイの男も大いに感じ入るところであり、価値観の共有が図られます。最後はひったくり犯を家族の連係プレーで仕留めて家族の絆を深めます。人々の暮らしを守りたいアラサースパイが行動し、超能力幼女が人混みから犯人を捜し出し、スパイの男がそれを仕留めるという勝利の方程式。こうして家族パワーを見せつけたスパイファミリーということでタイトル回収。スパイと殺し屋がイチャラブを展開し幼女に突っ込まれてオチとなります。
スパイと殺し屋のイチャコラを幼女が指摘する場面
家族と我が家という安寧

SPY×FAMILY 感想まとめ