AMBITIOUS MISSION「有瀬かぐや」シナリオの感想・レビュー

ドラえもんの「人生やり直し機」系統な話なのに過去改心パートが雑過ぎる。
ヒロインは姉の脚の怪我を自分のせいだと思い込んでおり何としてでも治癒したかった。
そのため集めると願いが叶う例のアレ的なモノに縋るが、それにより過去跳躍してしまう。
無事に姉の事故を防ぐことに成功するが過去改変により現在の時間軸も書き換わってしまう。
愛する主人公や仲の良い友人たちとの関係性が喪失するという危機が訪れるのだが……。
なんとアッサリ、足を怪我しなかった世界線の姉が願いが叶うアレを回収してくれるのである。
フツーだったら、この過去パートを丁寧に描くのがスジってものでしょうに、あっという間に終わる。
最初から怪盗パートは茶番であると思っていたので許容していたが、メインイベントまで雑とは。

過去跳躍&改変モノを扱うがアッサリと改変が無かったことにされる

いきなりループものへ突入。お家騒動は裏で片付いてしまう雑さ

本作の基本路線は集めモノ&怪盗モノ。12個の宝石を集めて台座に嵌めると願いが叶ったりアイヌの隠し財宝が手に入ったりするとの噂が流れる。メインヒロインは姉の脚を怪我させてしまったという負い目があり、その回復を願って、噂に縋ったのである。ヒロインはお嬢様で名門の出身であり、親族や取り巻きなどの関係者が姉妹間の後継者争いが激化する。ヒロインを庇って足を怪我した姉は病院で不適切な治療を受けさせられ、二度と歩けない身体にされたのである。それ故、姉の脚を直すことにヒロインは妄執することになり、宝石を盗むために怪盗として暗躍することになった。だが怪盗パートは本当に茶番で敵対勢力となる警察や探偵側は最早ギャグ。ラスボス感を漂わせていた叔母が実は善人というのも良くある肩透かしであり、12個の宝石の回収に成功する。共通ルートでは仮想通過だの何だのという話が出ていたが、宝石を台座に嵌めると、過去跳躍して人生をやり直すことになる。怪盗パートが茶番だったので、この過去改変パートに重点が置かれるのであろうと思っていたが、これもすごく粗雑に解決された。姉の事故を防いで過去改変すると姉は元気になったのだが、当主の座もそのまま姉のものとなり、ヒロインは味噌っかす扱いとなる。過去改変前の記憶も消えていく。ここら辺からようやく面白くなりだすのだが、姉がヒロインの代わりに怪盗になっていたことが判明。一見冷酷になってしまった姉がいる世界線βでも表向きは対立しているが裏で仲良しだったのである。そして姉が12個の宝石を集めてくれてもう一度時空流離を発動。元の世界線に戻る。この世界線における姉は自分の脚が動かないことも含めて自分の人生であると肯定し、パラリンピック的な障害者スポーツに生き甲斐を見出すことになる。正直言って、もうちょっと過去改変パート頑張って欲しかった。尺稼ぎとしか思えないクラスメイトたちのつまらない小芝居とかにテキスト量を割くくらいなら。

過去改変モノでも姉が全て何とかしてくれた……
姉の力で宝石集まり元の世界線へ戻る
元の世界線において姉は足が動かないことを自分の人生として受け入れていた

AMBITIOUS MISSION感想まとめ