鬼塚夏美回(下)。人生に失敗し夢も目標も喪失した少女が最後に縋れたのは預金残高だけだった……。
幼少期の鬼塚夏美には夢があり努力もしたが結果を残せず挫折。燃え尽きた灯火と成り果てた。
それでも人生は続くため自分の生きる意味を見出さねばならない。夏美にとってそれはカネであった。
動画配信をするのも再生回数が広告収入に反映され承認欲求として即座に可視化されるからなのでしょう。
預金残高と動画再生回数だけを生きるヨスガとした少女に新たな夢と目標を与えるのが今回の話。
合宿先にやってきた渋谷かのんにカウンセリングを受けた鬼塚夏美は9人目としてメンバーに加わる。
挫折を重ねた結果夢と目標を喪失し、預金残高で虚無を埋める少女が実存を取り戻す話
- 夢も目標も無い学生生活。カネと動画再生回数を稼ぐことで虚無的な人生から一時的に気を紛らす。手段が目的化した少女。
- 鬼塚夏美はリエラを題材に動画再生回数を稼ぎ広告収入を得て金を稼ごうとする拝金主義者。リエラを1年と2年に分断して手玉に取ることで、自分に都合の良い動画を撮ろうとしていましたがさぁ大変。1年生はリエラ全体の役に立ちたいという強固な意志を持っており、夏美が画策した"妹分"や"ユニット化"に強く抵抗するのです。さらに1年生の北海道での強化合宿にもついていかねばならなくなってしまいます。そんなわけで夏美はスポーツ新聞のような虚偽的なタイトルを付けて再生回数を稼ごうとするのですが、闇堕ちする寸前に良心のカタマリであるきな子がやってきます。そしてきな子が自分の夢と目標を語りリエラに貢献したいことを熱心に説きます。良心の呵責に苛まれた夏美は誇大サムネをやめ正攻法で勝負することに。何とこれが功を奏し多くの再生回数を獲得し、夏美に変化が訪れます。動画を見たちぃちゃんからより高度なパフォーマンスを要求され恐れおののく1年生ズに対しては発破をかけ、自らも練習に付き合う気概を見せるのです。
- 澁谷かのんカウンセリング
- 変化の兆しが訪れた夏美ですが、もう一歩踏み出すためにはきっかけが必要でした。きな子は夏美を純粋に尊敬しているため(1話できな子がスクールアイドルをやることになったきっかけが夏美の助言)、そのきっかけにはなれません。やはりここは澁谷かのん先生の出番でしょう。父親の忘れ物を届けることを口実に北海道にまで乗りこんで来て来ちゃった☆をするのです。そして夢も目標を叶わなかったと嘆く夏美に対して自己の黒歴史を語るのです。スパスタ1期序盤は音楽家に落ちて学歴コンプに晒されるかのんがクローズアップされていましたよね。そして周囲の目線があると歌えなくなるというトラウマにより幾たびも挫折して来た様子が題材とされました。今ではもうすっかり克服されているわけですが、それはスクールアイドル部のみんながいてくれたからだと語りかけ、夏美を仲間に誘うのです。こうしてかのんに感化された夏美は新たに目標を獲得。これまで虚無的に生きて来た少女が実存を取り戻した瞬間でした。
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