アマナツ「上梨夜雪」シナリオの感想・レビュー

浮世離れした神社のミステリアス系先輩はお茶目で寂しがり屋という話。
夜雪先輩はちょっと不思議系入っており虫遊びやザリガニ釣りに興じる巫女さん。
しかしながら上昇志向が強く周囲の期待に応えるべく優秀であろうとしていた。
そのため祭の日には神楽を舞い、一般客のようには縁日を楽しめなかった。
そんな先輩のために獅子奮迅すればフラグは成立。夏休みライフを一緒に過ごすことになる。
だが主人公は先輩の心の闇を履き違えていた。彼女は日常を重圧に感じていたのだ。
長女としての振る舞いとこうあるべきという規範意識は次第に先輩を蝕んでいく。
先輩は人一倍甘えたがっており、最後の局面で主人公はそれに気づいて先輩の闇を解放する。

地域の信仰対象としての巫女属性はアイデンティティになる一方で重圧でもあったのだ

ちょっと浮世離れした不思議系ミステリアスお茶目先輩
  • 神社の巫女としてこうあるべきという自縄自縛
    • 夜雪先輩は神社で出会った巫女さんで、主人公はおはぎを御馳走になったり虫取り&虫バトルに誘われたりする。一般的なJKの価値観とは程遠い不思議系でありザリガニ釣りに誘われたりもする。そんな先輩と接しているうちに主人公は惹かれていき、彼女の力になりたいと思うようになる。先輩は実家の神社のお祭りで神楽を披露することになっていた。そのため縁日を楽しむ時間的余裕が無く、それを残念に思っていたのである。それを聞いた主人公は獅子奮迅。先輩の父親と交渉し的屋や氏子にお祭り時間の延長を請うのである。これにより先輩は神楽を終えた後お祭りを回ることができ縁日で食い倒れする。こうして先輩の心の隙に潜り込んだ主人公はフラグを成立させる。
    • フラグ成立後は夏休みイベントをこなしていくことになる。ここら辺は特筆すべきことは無いがキャラゲーとして先輩の可愛さを愛でながら海へ行ったり料理を御馳走になったり看病ごっこをしてもらったりすればいいと思う。このままダラダラと終わるのカナーと思っていたら突如として先輩の心の闇が発動。先輩の母親は破天荒な人なのだが、それでも地域の信仰対象である神社の長女の巫女と言えば、周囲から求められるものは大きい。先輩はこれまで神社の巫女として求められる人物像に適応するべく必死で努力してきたのであった。それは先輩を構成した大切な要素なのだが、それでも心休まるものではなく重圧でプレッシャーでもあったのだ。主人公はその先輩の心の闇に対して自分が受けいれる決意をする。先輩は人一倍寂しがり屋なのだが甘えられる人がいなかった。主人公こそがそれになるのだとハッピーエンドを迎えます。
神社の巫女としての責務により縁日を楽しめなかった先輩
神社の巫女として求められる人物像に応えなければならないという重圧
甘えられる人がいなかった先輩の拠り所となりましょう

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