ヤマノススメ Next Summit 第5話「登山部からの挑戦!?/武甲山で愛のムチ?」の感想・レビュー

学校の部活動はガチ勢が求められスポーツを楽しむことは忘れ去られがち。
あおいは登山をしていることを高校の登山部の女部長に嗅ぎ付けられ勧誘される。
お試しで体験入部するが、そこは競技として登山をするガチ勢たちの集まりであった。
景色を楽しんだり自然に癒されたりすることは無く肉体と山知識の追求だけがそこにあった。
学校教育において楽しく健康のために身体を動かすことってなかなか顧みられない。
高校の部活にも楽しく運動できる部活があればいいのにね。

健康のために楽しく身体を動かす高校の部活があってもいいじゃないか

登山部へ体験入部を誘われるがそのガチ勢っぷりにヘロヘロになるあおい
  • 高校の部活の在り方とか
    • 高校の部活というとインターハイとか大きな大会があって、そこで実績を残すために真剣に特訓を重ねることができる人々だけが生き残れる。じゃあ健康のために楽しく身体を動かせるところがあるかというと、そんな部活動はなかなかない。本編におけるあおいも登山部に仮入部してお試し体験するのだが、そこで待っていたのはストイックに肉体と知識の限界を求める修験者たちであり、景色を楽しんだり自然に癒されたりすることは無かったのである。これは現代の学校教育が抱える由々しき問題であり、純粋なる競技者しかスポーツをしてはいけないのか?ということに繋がることになる。私事で恐縮だが、かつて教員養成課程にいた時分に、これを何とかできんかと夢想したことがあった。そのためマラニックを研究している教授が主催するサークルに入っていた。マラニックとはマラソンとピクニックを組み合わせた当該教授による造語であり、楽しみながら長い距離をゆっくり走るという分野であり、今でいえばロングスローディスタンス(LSD)に近いものだったのであろう。だが実際に現場に出てその経験が生かされたかといえばどうだ?楽しんでスポーツをする部活などどこにも無かったのである。門外漢が運動部の顧問を持てばどうなるかは想像に難くないであろう。だから今回あおいが登山部に仮入部して、その修練に辟易したのも大いに頷けるところである。ガチ勢になれなくて高校で運動部に入れない生徒はある一定層いるが、若者の健康のためにはある程度身体を動かした方がいいに決まっている。彼らを吸収してくれる土台が日本の部活には存在しない。だからこそ、あおいたちは自分たちの仲間内で登山をするという道を選択したのだろう。

 

スポーツは怪我がつきものだし、登山に行けば死ぬこともあるので親が心配するのも分かる

母親に車を出してもらい、一緒に登山をする
  • 母親と一緒に登山に行く
    • 登山口が駅から離れておりアクセスが悪い場合。ゆるキャン△の野クルの犬子とか大垣ならどんな距離も大荷物を背負って歩いていくイメージだがヤマノススメは普通に親に足を頼む。今回の母親回の見所はエンディングに尽きるといっても過言ではない。ヤマノススメ4期は毎回エンディング絵が違い、そこで本編では描ききれない人間ドラマが回収されているが、今回はあおいの母親が主役となる。娘が富士登山に行くと言い心配して送り出したものの、高山病になり登頂失敗。その後、娘は家に籠りがちになってしまってとても心配する。難しい年頃だし、自分で立ち上がれるようになるまで回復を待つしかない。そしてひなたとの友情により再び山に出かける様になった娘。そんな娘の成長を見守っていくのも親の楽しみの一つなのか。ヤマノススメ漫画版では原作者が子育て中のため親の視点で語られることも多くなった。やや破天荒で突拍子も無い誘いをする父親の提案で物語が始まることも少なくない。そんな父親に対し、あおいの反抗期はかなりのものであり、事ある毎に反発するのだが、父親は割とそれらをうまくいなしており、良好な関係を維持している。そんなあおいの父親だが漫画原作とアニメ版で顔かなり違くない?
富士登山に失敗した時の帰路
籠りがちになったあおいの回復を温かい目で見守るあおいママン