アイヌの独立運動の指導者として祀り上げられるアシㇼパさんを杉元が心配する話。
樺太で少数民族たちの文化が近代化により磨り潰されていく姿を目の当たりにしたアシㇼパさん。
どうすれば自分たちの文化を後世に伝えて行けるか苦悩することになる。
その一つの手段として動画撮影が行われるが、生の文化は映像とは異なることを実感するだけだった。
アイヌの文化を守るためには少数民族にナショナリズムを昂揚させ独立国家を作るしかないのか!?
いたいけな少女に民族としての重責を課す大人たちに対し、アシㇼパさんを想う杉元は憤慨する。
いたいけな一人の少女に対し、国家だの民族だのといった重責を課す大人たちに憤慨する杉元
- 映画撮影会とチカパシ別離フラグ
- キロランケとの樺太体験により刺青人皮解読のキーワード「ホロケウオシコニ」を思い出したアシㇼパさん。第七師団はそれを聞き出そうとするも、杉元にその役を任せることにする。そんな中、偶然アシㇼパさんたちは樺太の民族文化の記録映像を撮影している人物と知己を得ることになる。樺太で少数民族の文化が近代化の波に磨り潰されていく様子を体感したアシㇼパさんはアイヌの文化を映像で残そうと試みる。ここで題材となるのはパナンペペナンペ物語であり、暫し下ネタとギャグが展開される。その後はアイヌの出世譚を演じることになり身寄りのない少年が神が擬人化した兄に導かれ居場所を得る話が撮影される。この主人公に抜粋されたのがチカパシであり自分と旅をして成長させてくれた谷垣との別れが近いことを予感させる。こうしてアシㇼパさん監督のもと一連の映像が撮影され、その上映会が行われるのだが、その内容はアシㇼパさんの満足のいくものでは無かった。記録映像だけでは駄目で、文化を残すためには、生の文化を継承していかなければならないのだと。アシㇼパさんはその手段としてアイヌの独立運動の指導者になる決意を固めていく。だがその決意は言わば創出されたもの。ウイルクやキロランケといった大人たちがアシㇼパさんにそうなるように誘導し押し付けたものであると杉元は考える。一人のいたいけな少女の人生を潰し、少数民族の独立運動の騎手として祀り上げることに心優しい杉元は我慢ならないのであった。自立の決意を固めるアシㇼパさんとそれを止めようとする杉元のすれ違いは続く。