【感想】水星の魔女 第10話「巡る思い」を見た。

百合カップルもの恒例の喧嘩回&デリング総裁暗殺計画のお話。
これまで自分の意向を無視して来たパパが会社運営では認めてくれてミオリネは意気揚々。
ミオリネパパは誰よりも娘を愛していたが言葉を交わさなかったためすれ違っていたことが示唆される。
この悲しい経験をミオリネは味わっていたのにスレッタに対し父と全く同じことをしてしまう。
すなわち自分の意図が言わなくても伝わるだろうと思い込み対話を蔑ろにしてしまったのだ。
ミオリネに信頼されていることをプライドにしていたスレッタは見事に拠り所を失い自信喪失。
傷心のスレッタに対してエラン5号くんがハニートラップを仕掛けたら堕とされてしまうぞい。
一方ミオリネの心を失ったシャディクは総裁暗殺計画に乗り地球のガンダムをけしかけて来る。

親しい相手なら言葉を交わさずとも分かってくれるという思い込んでいるレンブラン父子

これまで相手にしてくれなかった父親が仕事の出来を認めてくれて喜ぶミオリネ
  • ミオリネは自分が父親に対して嫌だと思っていたことをそのまま(無意識に)スレッタにやっちゃった!
    • ミオリネは自分が創設した株式会社の経営が軌道に乗り始め、仕事に対する面白さを感じるようになる。これまで自分の意向を無視して来た父親も仕事を媒介にすれば自分のことを認めてくれたのだから尚更である。ミオリネは自分の才覚を存分に発揮し、父のようにワンマンで会社を仕切っていく。一方でミオリネからの信頼を糧にしてスレッタも八面六臂の活躍をしていく。こうして二人とも充実した生活を送っていたのだが、上手くいっている時だからこそ、落とし穴は付き物。ミオリネはスレッタの事を思うが故に独断で色々なことを決めてしまい、それがスレッタの心を傷つけるのである。これは言葉を交わさなくとも親しい相手なら分かってくれるだろうという慢心的な思い込みであり、まさにデリングがミオリネに対してやってきたことそのままであった。これまでの脚本の行間からはデリングがどんなに娘のことを思っているのかが匂わされてきており、今回のお話でもまたそれがさらに強化されたとも言える。ミオリネは自分が父にやられて嫌だったことをスレッタに対してやってしまったのであった。しかもそれに気付いていないのがたちが悪い。ミオリネにしてみれば、スレッタが過労死しないように配慮したのだから寧ろ良いことをしたと思っているのだろう。嗚呼、対話をしないが故の悲しいすれ違いがまたここに発生したのであった。ミオリネがタブレットから手を放そうとすらせず、スレッタがまだ残っているのに電気が消されてしまうシーンは、まさに彼女らの心情を巧みに表現していると言える。ワザマエの表現技法。

  • 禁止されていたはずのガンダムをみんないっぱい持ってた
    • シャディクを繋ぎとめていたのはミオリネの存在であったが、前回の決闘に敗れて、ミオリネの心を失った。それ故、シャディクを止めるものはなくなり、ついにミオリネのパパを暗殺する計画に乗ることになる。これまでの放送でもニカ姉はシャディクハーレムのスパイ要員であることが描かれてきたが、シャディクはニカ姉を使って築き上げたコネを用いて地球勢力にデリング総裁を暗殺させようとするのだ。暗殺のためにシャディクが準備した機体もまたガンダムであった。禁止されていたガンダムの技術を保有していた魔女たちはいっぱいいたのだ。スレッタママ、ママの後輩、そして地球の魔女とガンダムが次々に出て来る。ガンダム以外の機体を作っていたジェダーク社は哀れだし、クソ真面目にガンダム禁止を唱えていたグラスレー社はシャディクがいなければ後塵を拝していたよなぁと。
    • 一方で我らがグエルくんは学校を退学させられそうになっていたが、ついには父親の呪縛から脱し自分の脚で歩くようになっており、ボブという偽名を使って肉体労働に従事していた。そして何の因果かグエルくんが労働している船が地球のガンダムに襲われるのである。これはグエルくんが出撃して戦うフラグではないか!?グエルくんに活躍の機会があるのか!?期待せずにはいられない。
シャディクの最後のストッパーがミオリネへの恋心だったんだね
エラン5号による顎クイからの接吻
電気の消灯やお揃いの人形の分離などからミオスレのすれ違いを表現
肉体労働に従事するグエルくんを地球のガンダムが襲う

水星の魔女感想まとめ