母の日にちなんでスレッタママであるプロスペラ役の能登先生をナレーターに13~17話を振り返る話。
と、いうかプロスペラが全ての元凶というか黒幕というかラスボスじゃねーかよ!?
ガンダムを通して思春期の少年少女の人間関係と大人への成長を描く事が中心に展開される水星の魔女。
そのため本編では背景にあるクワイエット・ゼロやシャディクの野望はサラリと触れられる程度だった。
ガンダムでもスレッタとミオリネを中心とした内部の人間関係が全てのセカイ系かよと思われたがそうではない。
特番で個人的な関係性だけでなく各キャラの思想や目的など大きな物語を提示して解説してくれるのは有難い。
個別具体的な人物像を通して社会や世相を描くことをちゃんとやってる水星の魔女
- セカイ系のその先へ
- 近年主人公とその周辺の人間関係が全てであり、物語の背景にある諸問題や設定は舞台装置にしか過ぎず、投げっぱなしで終わる作品が多かった。水星の魔女も当初はスレッタとミオリネを中心にその周辺を描くことが主眼であり、単なる百合営業による萌え豚の餌で終わるのではないかと危惧されていた。だがしかし水星の魔女も割とガンダムしており、思春期の少年少女たちの成長、既存社会構造に対する若者の反逆、過去に拘る大人の復讐などを丁寧に描いていった。その背景として用意されているのが、ガンダムによる世界平和クワイエット・ゼロと、搾取される地球に武力を与え軍事競争による経済の活性化を狙うシャディクの野望。しかしそれらは本編ではそんなに詳細に描ける尺が無い。と、いうわけで公式が振り返り特番によって分かりやすく解説してくれるのはイイよね。動画共有サイトとかでは解説動画とか溢れているけどさ。
- そんなわけで各キャラの思想と目標が整理され明らかに。
- ①ミオパパ・デリングの意図はガンダムを用いた世界平和クワイエット・ゼロであり、これは植物が好きだったミオママの思想をガンダムにより実現しようとするもの。
- ②それに乗じてデリングに夫と恩師と仲間を虐殺されたプロスペラが復讐を果たし肉体的には死んだエリクトを具現化させようとしている。
- ③シャディクは宇宙居住者と地球居住者のハーフであり、宇宙居住者による地球の搾取を止めるため、地球に武力を持たせて戦争の危機感を煽ることで軍需産業による経済の活性化を目論んでいる。
- ④ミオリネはプロスペラの洗脳からスレッタを解放するためにグエルと共謀してエアリアルからスレッタを下ろすのだが、エアリアルがアイデンティティであるスレッタは精神崩壊寸前
- ⑤富裕階層の特権を貪り、恵まれた環境の中で育ったボンボンであったが、尊敬する父親と話し合うことが出来ず意図せず殺してしまった挙句、自分が恩恵を受けてきた地球の搾取の現実を知って地獄を見たことで精神的に成長したグエルくん
- ⑥強化人士5号くんとペイル社の皆さん、と言った構図か。特番内で公式がセルフツッコミしてたけど、ペイル社だけまだ描かれていなかったため、扱いが薄かったな。
- 進めば二つと言うけれど、自分の頭で考えずに母の言葉を妄信して進んだ結果、何も無くなってしまったのがスレッタだが、ここからどう巻き返していくのかに注目される。