【第1話見た】2023年冬アニメのおススメは何見りゃいいですか?【感想・レビュー】

アニメが1クールに何十本も放送されるこのご時世。面白いものを見たいけれど、たくさんありすぎて何を見ればいいのかよく分からない。改変期ごとにどれ見りゃいいのかと迷う事しきりである。そんなわけで気になる作品の第1話を実際に見てみたので(一応今の所14本)、ここに簡易的なレビューをまとめておくこととする。皆さまの参考になれば幸いです。逆に、私が切ろうとしている作品でこれから面白くなるのに勿体ないというものがあったり、見てない作品でこれを見ないなんて人生を損しているというものがあれば、ご教示くださいますようお願い申し上げます(切実)

  • 確定(覇権は「おにまい」)
    • 個人的には以下の3本は確定で見ようと思っている。他の作品に比べて明らかにレベルが高く覇権アニメとなったのは、①ギャグ風なドキドキTS生活に見せかけた兄妹の絆再生モノである『おにまい』である。また②ジェネリックきらら作品であり柔道を通して拗らせた感情と百合友情を描く『もういっぽん』も良く出来ているように感じる。③中世ヨーロッパにおける森林の開拓と開墾を題材とし、原作の中でも屈指の面白さを誇る奴隷編をアニメ化したのが『ヴィンランド・サガ』2期。これはかなり加筆補正がなされていたり、脚本家がやってはいけない場面で敬語を間違っていたりする(礼儀を重んじる家臣が主君の発言に謙譲語を使うという致命的ミスをする)。

  • 視聴継続中
    • 上記以外に見ようと思っているのは、④ニジガク履修したしショートアニメなので惰性で気軽に見られる『にじよん』、⑤アニポケ懐古厨におススメ!サトシお別れ記念の『めざポケ』。

  • 脱落した
    • 数話見て脱落してしまった作品は以下の通り。⑥解雇されたオッサンが前職のスキルでいぶし銀のような活躍をすると思ってたけど実は無能解雇でありトンデモチートを発動してさすおにされる『暗黒兵士』。何とかついていきたいと思っているのが⑦近未来SFであり砂漠の中でガンアクションをする『トライガン』である。難しいSF要素はさておき痛快な主人公無双かと思っていたら3話でマミって集落が全滅した。⑧『アルスの巨獣』。大人気北海道ゲー『北へ。』で超有名な絵師大槍先生がキャラデザをしており御自身で面白いと自推なさっているので頑張って4話まで見たけどイマイチ盛り上がらず見るのが辛くなっている。⑨経済や商業をテーマとしてそうなタイトルだったので視聴を決めたけど経済要素は皆無であり2話の時点で異世界へ行く意味が破綻した『ろうきん』、⑩ジャンプのエロ枠ハーレムモノで有名な作者がTS百合友情バトル漫画をお出しして来た『あやトラ』、⑪ゲームビギナーの少女が防御全振りでトンデモプレイをする所が見どころだったのにもう防御が関係無くなってきてしまった『防振り2』。

  • すごく暇だったら見るかも?(話題になったらミーハー的に見る)
    • 1話切りを決めた諸作品。⑫メスガキと男子大学生が掛け合いをしながら妖怪退治をするのだが動きが殆ど無く会話劇が中心で台詞満載であり字幕が欲しくなる『虚構推理』、⑬今時珍しいハーレム系美少女動物園!落ちこぼれスパイ女学生たちが不可能任務に挑むべく特訓に励む『スパイ教室』、⑭主題歌を歌っている人々が錚々たるメンバーで話題を呼んだが内容は単なるhentaiエロアニメだった『犬ひろ』。この3本は第1話を見たけど、2話以降特に見続けたいという意欲は湧かなかった。

【目次】

【1】おにまい

兄を炉利化したことでグイグイくるようになった妹

2023冬アニメ覇権コンテンツ。一見すると無職ニートがTSしてJCになりドキドキ☆女の子体験が描かれるギャグアニメである。視聴者は性転換して徐々に女の子になっていってしまう成人男性の恥じらいをギャグテイストでゲラゲラ楽しめばいいし、下着選びや髪のケア、初潮や月経など女の子が送る日常生活がどんなに大変かに思いを馳せても良い。だが本作の一番の見所はギャグ調の中に散りばめられる失われた兄妹の絆の再生なのである!!兄がヒキコモリになったのは優秀過ぎるイモウトに引け目を感じたことが遠因になっているし、イモウトは大好きだったお兄ちゃんの人生が自分のせいで台無しになり話す事すらもう出来なくなってしまった。そんな二人の関係性を再構築するきっかけになるのがTSであり、事実お兄ちゃんがJCになったことでイモウトとの間にコミュニケーションが生まれ、年上の妹という立場を取ることで、二人の絆は再生されていくのである。トンデモ設定とギャグの中にホッコリしたり鬱になったり泣けたりするエピソードが散りばめられてるのでグッとくる展開になっている。

【2】もういっぽん

技ありを取ったのにそこから寝技を食らって失神して一本負け

ジェネリックきらら。JKにオッサンの趣味をやらせるシリーズ柔道編。武道を通して育まれる拗らせた感情と百合友情を丁寧に描いている。柔道に真摯に向き合っており、試合の描写も見ていて思わず手に汗握る。中高と体育の武道で柔道剣道履修した時の思い出がまざまざと蘇ってくるね。スポーツって残酷なもので全ての人間が試合に勝てるわけもなくその上達度は限界がある。主人公の園田未知も才能限界を迎え能力が頭打ちになり悔しくて夏の中体連で柔道そのものからの引退を決意した。だがその未練は心の奥底で燻ぶっており、それが氷浦永遠との出会いにより一気に燃え上がるのである。また未知や永遠以外にもなかなかその感情を拗らせており、親からの支配を受けそこから脱却していく早苗や、小学校の頃から一番古い付き合いで未知に執着してくる剣道少女の安奈など思春期のJKたちが柔道を通して成長していく姿がアツく描かれている。きらら系百合アニメ難民におススメな作品。

【3】ヴィンランド・サガ奴隷編

逃亡に失敗したエイナル、ついにケティル農場に買われる

ヴィンランド・サガの原作本編を通しても一番面白いのがココ、奴隷編である。例えもしこれからアニメがコケたとしても奴隷編だけは漫画で読んで欲しい。この奴隷編はトルフィンの人生のターニングポイントとも言える。今までトルフィンは父親の敵討ちをするためだけに盲目的に生きてきた。だがそれがトンだ勘違いの一人芝居であったことに気付き、絶望の淵に堕ちてしまう。そこからトルフィンは奴隷として生きる気力を喪失し惰性で生きていたのだが、エイナルという友人を得たことで再生が始まり、農場での奴隷ライフを通じて徐々に人生の意義、自分の命の使い方を見出していくのである。挫折系主人公モノは感動パターンの鉄板ではあるが、トルフィンの苦悩とエイナルの農夫的生き様、オルマルの弱さとそこからの再起は是非見て欲しい所である。トルフィンとエイナルの友情も素晴らしいけど、オルマルも良いキャラ作りしてるのよね。

【4】にじよん

「ヒトリダケ ナンテ エラベナイヨ~」エンド

アニガサキの4コマバージョン。基本的に高咲侑のハーレム。彼女が漢気溢れる仕草や行動をすると、同好会のメンバーがトゥンクして好感度が爆上げになるというパターンで展開されるショートアニメである。本来ならば視聴者の代替であった高咲侑がメンバーの中で一番キャラが立った存在に成長し、何より高咲侑が一番カワイイのでは説まである。高咲侑が好きな視聴者層にはおススメであるが、原作厨の人たちって高咲侑のことを脳内でどのように処理して受け入れているのかが気になる。最後のエンディングもSDキャラが可愛くて、高咲侑が同好会メンバーと次々と絆を深める一コマが描写されていき、最後に「ヒトリダケ ナンテ エラベナイヨ~」と叫んで終わりになる。

【5】めざポケ

俺に向かって10万ボルト!!

サトシさんお別れ記念。ついにポケモンバトルで世界王者になったサトシさんがポケモンマスターになるべく世界を放浪する。これまでの歴史の総決算であり積み重ねてきた歴史を感じさせる。多くの人はサトシさんは永遠にテレビに出続ける存在、それこそまる子、サザエ、クレしんドラえもんクラスのキャラだと思っていたのではないだろうか。そのサトシさんがついにテレビから消え去る日がやって来ようとは。この最後のアニポケ11話はサトシさんとお別れするための11話でもあるのだ。サトシさんはきちんとポケモンマスターに成れるのだろうか。ここまで来たのだから、ポケモンマスター目指して旅は続くエンドとかにはして欲しくないなぁと思う。

【6】暗黒兵士

オッサン、おっぱいに釣られて再就職先を決める

オッサンが追放されるというタイトルだったので見てみた。個人的には理不尽解雇されたオッサンが、これまでの職務で身に付けた知識・経験・技能を用いて再就職先で活躍する話だと期待していたのだが……。全く違った。オッサンは無能解雇されたのであった。それにも関わらず何の努力もせずに才能値が全分野マックスであり、俺また何かやっちゃいましたかね風なノリを醸し出すのである。何もせずに才能適性マックスとかいうネタをやるなら別に主人公がオッサンでなくとも良かったのでは?オッサン設定を全然活かせていない。

【7】トライガン

宙吊りにされていたサイボーグの青年から始まるガンアクション

その昔、『朝霧の巫女』目的でアワーズ読んでた時にヘルシングと共に二枚看板を背負ってた作品。残念ながら当時私はあんまり興味無かったので読んでいなかった。近未来SFであり話も複雑でややこしそうなのではあるが、基本的にはギャグやガンアクションで構成されているので、それ目的で見てもいいんじゃないかなって思ってる。新聞記者の中年や主人公の青年が良い味出している作風でもある。作者が構築した世界観にどれだけついて行けるかが鍵となりそう。お気楽アニメ勢が調べずに理解できんのかな。

【8】アルスの巨獣

オッサン、巨獣を倒すために少女と契約を結ぼうとする

伝説の北海道ゲー『北へ。』で名を馳せ、同人誌:少女騎士団で人気が根強い大槍葦人先生がキャラデザを務めるアニメ。大槍先生自身がSNSで面白いと自推しているぞ!内容的にはマンキンで言う所の憑依合体。魂魄体にした女を憑依させて武器の異能を発動し巨獣を討伐する話である。主人公はかつて憑依させていた女を亡くし生きる気力を喪失して自ら死にぞこないを名乗るオッサン。そんなオッサンが新たに憑依させる女に出会うというオッサンミーツガールものになっている。この少女は実験体で拘束されながらも脱走し、食欲に基づいて行動するので実にうまそうに買い食いをするのである。天真爛漫な少女がオッサンを救うのは鉄板ですね。話の流れ的に帝国が周辺諸国を蛮族と見なして侵略しようとか言ってるので、それをきちんと活かしきれるかが問題になりそう。

【9】ろうきん

現代日本異世界を自由に行き来して20億円稼ぐ

なろう系で物凄いPV数を獲得している作品とのこと。『狼と香辛料』を筆頭に経済や商業を扱うラノベやノベルゲーは多々あるので、なろう系でどんな経済モノをやるのかと思って視聴。現時点で2話まで見てるけど、何故だか全然異世界でカネを稼ぐ話にならない。一番のネックになっているのが異世界と現世を自由に行き来できるうえ、異世界で手に入れたチート能力を現世でも使えてしまうということ。自然治癒と空間転移と翻訳コンニャクが使える時点でもう既に現世でフツーに無敵。わざわざ異世界で金貨を稼いで現世に持ってきて換金するとかいう手間をかけずに直接チートで金儲けできそうであり主題が崩壊してしまっている。

【10】あやトラ

主人公がラッキースケベの対象となるという点でも従来とは逆になっている

矢吹先生原作といったらジャンプでハーレムモノのエロ枠ラブコメだと思ってたらTS百合忍者妖怪バトルであった。なんかどこもかしこもTSやってんな!という感じ。本作の場合はヒロインの方が肉欲的に盛っていて主人公に性的欲求を抱いているところがポイント。そのためトラブルの様に主人公がラッキースケベをするのではなく、逆に主人公側がヒロインの欲求の対象となるのだ。そして何よりTSモノでよくあることだが、一番カワイイのはTSしてしまった主人公であるというのもお約束である。中学時代に第二次性徴とか後継者になるからだとかいって疎遠になっていた幼馴染がTSをきっかけにその関係性を修復していくといった流れは良かった。おにまいもそうだがTSというのは拗れてどうにもならない関係性を解きほぐす特効薬なのかもしれない。

【11】防振り2

クリプレ報酬は皆がサンタコスだったのにメイプルちゃんだけトナカイだったオチ

ゲームビギナーのJKメイプルちゃんがフツーのプレイヤーでは発想しないようなトンデモファッキンプレイをして無双していく姿を描く。最初の頃は防御特化が上手く活かされていてダメージを受けないが攻撃手段もないメイプルちゃんが試行錯誤して敵を倒していく姿が微笑ましかった。だが物語が進むうちにメイプルちゃんはトンデモチートスキルを次々に入手していく。ヒドラ・天使・機械化・羊毛・魔獣化・ポケモンなどよりどりみどり。そのため防御なんてものはもうどっかにいってしまって、メイプルちゃんがトンデモチートで無双するだけの話に成り下がってしまった。流石にもうちょっと工夫が欲しいぞ!

【12】虚構推理

神とされる炉利(メスガキ)が大活躍する話。台詞多すぎ

会話劇が中心なのだが台詞が多すぎて字幕が欲しくなる。推理モノだからかもしれないが動きは殆どなく、カードゲームをしながら駄弁ったり、車の運転をしながら質疑応答するなどの形をとる。声優たちの読み聞かせといっても過言ではない。メインキャラとなるのは破天荒な神とされる炉利(メスガキ)と思慮深くクールな男子大学生の凸凹コンビ。メスガキは妖怪がもたらす怪異を解決する仕事を生業にしており、妖怪と人間の調和を図る。そして妖怪とのバトルになると男子大学の出番。彼もまたチートであり不老不死の能力と未来予知の能力を併せ持つ。未来を確定する能力は一度死なないと使えないのだが、不老不死なので死んでも蘇るというチートっぷりを見せる。だがバトル描写はカクカクしていて微妙であり、2期1話(13話)の相撲取りとのバトルはギャグでしかない。

【13】スパイ教室

捨て駒にされる前に指導者を殺そうと思いつくリリィ

ファミリーならぬ教室。スパイモノ流行ってるみたいね。作品の冒頭で第二次大戦後は国家間同士の兵器を用いた戦争はコスパが悪く、直接的な戦争は無くなったのでスパイの重要度を増したとかいう説明が入るのだが、ウクライナ戦争が設定を全て破壊していった。令和の時代になってもフツーに主権侵害して他国が殴り掛かってきて兵器を用いた戦争になってるんですけど。内容としては今時珍しい美少女動物園ハーレムモノだり、有能な最強スパイの男性が落ちこぼれの女学生スパイたちを集めて不可能任務に挑むために特訓を施していくというもの。彼女たちはそれぞれ異能を保持しており、信頼関係を結びながら(攻略してフラグ立てながら)その特質を引き出していくというような感じ。

【14】犬ひろ

芸を仕込んでご満悦となる

内容は無い単なるhentaiエロアニメ。主人公は何故か子犬転生してしまい拾ってくれた飼い主JKの私生活を覗き見することになる。ひたすらローアングルからJKの肉体を眺めるだけのhentaiエロアニメである。犬の前だからと言って平然と脱衣し下着を脱ぎ散らかし一緒に入浴し洗体プレイをし湯船につかるのだ。野犬を拾ってそのまま一緒に裸体になって入るとかばっちくないのかしらとか突っ込んではいけない。一応シナリオらしいものもあって、ヒロインの黒髪ロングJKは無表情系ツンドラクールガールであり親にすら冷たい態度を取っている(犬の前だけデレるギャップ萌え)。なぜこの少女がツンドラなのかがシナリオ的な原動力になっている。