ヴィンランド・サガ奴隷編 第4話「誰かが俺らを生かしてくれたからだろうが!」の感想・レビュー

エイナルがトルフィンの過去を知り複雑な感情に苛まれるが結果としてトルフィンを受容する話。
奴隷殺しゲームの騒動は傭兵のボス:蛇の介入により鎮圧された。
だが蛇はトルフィンを試すために奇襲を仕掛け、トルフィンは見事にそれを迎撃する。
これを見て周囲は驚愕!トルフィンが元・戦士であったことが皆にバレてしまうことになる。
戦士に家族を殺されたため戦士を嫌っていたエイナルはトルフィンに複雑な感情を抱く。
だがトルフィンが人の善意を知らなかったり毎晩魘される姿を見たりして考えを改める。
トルフィンの過去を慮ったエイナルはトルフィンを受容することに決め、トルフィンが救われる。

エイナルがトルフィンの戦士としての過去を受容したことで、トルフィンは一つ救いを得た

蛇の奇襲を受け、とっさに反応してしまうトルフィン
  • トルフィンの過去を知ったエイナルの対応
    • 奴隷編はエイナルが故郷の村を略奪により失ったところから始まり、それ故エイナルは戦士に対して激しい憎悪を抱いていた。だが今回、傭兵のボス:蛇がトルフィンを試したことにより、かつてトルフィンが戦士だったことが明らかになってしまう。蛇の一閃に対してトルフィンはかわすだけでなく同時に反撃も繰り出し、さらに素早い身のこなしで距離をとるのである。その動きからしてトルフィンは相当の手練れの実力者。これを見たエイナルは自分がこれまでトモダチとして接していた人間が、実は自分が憎んでいた存在であったということを知り、アンビバレンツとなる。トルフィンが他者からの善意に慣れていないことや毎晩悪夢を見て魘されていることからエイナルは一方的にトルフィンを憎むことなどできず、複雑な感情に駆られるのであった。
    • ティールさんから傷の治療を受けたりお下がりの服を貰ったりしても、キョトンとすることしかできないトルフィンの姿は、エイナルにこれまでトルフィンが生きてきた過酷な環境を推測させるものであった。それでも感情が整理できないエイナルは、木の伐採作業中にトルフィンの過去を聞き出してしまい、トルフィンが寝ている時に、その憎悪から絞め殺そうとしてしまう。だがここでエイナルはトルフィンがいつものように悪夢に魘される姿を見て我に返り、起してあげて事なきを得る。エイナルが、地獄の中であれ自分たちが生きているのは誰かが生かしてくれたからだろうが!と叫ぶ説教は是非ご覧になって欲しいところ。おススメ!
    • これまでのトラウマから無気力・無感情になっていたトルフィンだが、エイナルの存在は少しずつトルフィンを変えていた。パティールさんの件でお礼を言うということを教わっていたトルフィンがエイナルに「ありがとう」という描写は今回最大の見せ場である。かつてこれほど情緒深いありがとうがあっただろうか(結構あったかもしれない)。
お前の身体は生きたいって言ってるぜのシーン
人からの善意に慣れていないトルフィン
エイナルの説教シーン

関連

奴隷編感想まとめ

漫画原作で感想を書いたもの


参照