ブルーアーカイブ vol.3「エデン条約編」の感想・レビュー

超絶ヤヴェー女である聖園ミカの情緒未成熟な幼気がセカイを破滅と混沌に追いやる話。
Vol.3の主役は聖園ミカ。彼女は敵対するゲヘナ学園を生理的に嫌悪していた。
そのためゲヘナを滅するべく異端のアリウス派と手を組みトリニティ総合学園の権力掌握を目論む。
だがアリウス派の刺客:白洲アズサはトリニティの長である百合園セイアを殺してしまった。
(実はブラフでありアズサは二重スパイでセイアの死も見せかけによるものである)
セイア襲撃に驚愕した桐藤ナギサは疑心暗鬼になり容疑者を超法規的手段で退学させてしまおうとする。
そのために作られたのが補習授業部であり退学をかけた試験を行うが最初から合格させる気など無かったのである。
だが補習授業部の活躍でナギサは改心。彼女が進めていたゲヘナとの講和条約も無事調印式を迎える。
しかしそれが気に食わないミカは調印式でテロを実行。両学園を闘争の火の海に引き摺り込む。
戦いが終わった後もミカはアリウス派を逆恨みし、精神崩壊しながら襲い掛かってくる。
シナリオは一貫してルターイズムが漂い明日世界が滅亡しても今日私はリンゴの木を植える構文で満載。

Vol.3の主役は超絶ヤヴェー女聖園ミカ。ミカの狂気がふんだんに描かれる。

前半は補習授業部を中心とする青春学園モノだが……
  • 補習授業部を巡る騒動と桐藤ナギサの策謀
    • 物語は落第により退学の危機に瀕する生徒達を助けるところから始まる。彼女らのシナリオの基本的な流れは、補習授業部を結成し、困難を乗り越え、友情・努力・勝利で追試に合格するという青春サクセスストーリーである。見栄を張って分からないことを分からないと言えないツンデレのコハルや超秀才のため全ての教科を身につけてしまい学校に来る意味が見いだせずわざと赤点を取るハナコなどの精神的ケアとトラウマ解放が醍醐味となっている。だがこれだけでは単なるチンケなパターン消費であり、多くのノベルゲーのシナリオライターがブルアカを絶賛することにはならない。ここで捻りが加えられているのが、実質的に追試などどうでもよく最初から合格させる気など無いというのが面白ポイント。トリニティ総合学園は手続きを重んじるため本来なら安々と退学になどできない。だが学園を取り仕切る桐藤ナギサは自分が気に入らない生徒を一気に退学させてしまいたいと思っていた。それ故、補習授業部という超法規的存在を作り、わざと追試で落とす策謀に出たのであった。
    • ナギサがこのような暴挙に出たのは、トリニティ総合学園の実質的なトップであった百合園セイアが襲撃を受けたことが原因であった。そのため疑心暗鬼に駆られ他人を信じられなくなっていったのである。真相は白洲アズサが黒幕であったのだが、彼女は二重スパイであり、セイアを殺してなどいなかったのである。アズサはトリニティが自分の故郷アリウスのように混沌の地になることを厭い自分が犠牲になることで学園を救おうとしていた。この自己犠牲的なアズサの行動は補習授業部の絆によって救われる。ナギサも自分が疑心暗鬼になり強権を振るっていたことを悟り物語は収束。一時的にハッピーエンドとなる。

 

情緒未成熟なミカの幼気が短絡的に狂気へと変わる!
  • 本当の黒幕は聖園ミカ。情緒未成熟な幼気でセカイを滅ぼしかける。
    • 補習授業部を巡る一連の騒動が落ち着くと、いよいよ本格的に聖園ミカが主役の話になってくる。そもそも何故、白洲アズサはセイアやナギサを殺そうとしたのか。その根本的な黒幕として暗躍していたのが聖園ミカだったのである。彼女には動機が無い。短絡的な衝動しかない。そこにあるのは情緒未成熟な単なる幼気だけ。あまりにも単純な精神性にセイアは気付くことができなかったのだ。聖園ミカがゲヘナ学園を嫌っているのは、まさに生理的嫌悪感によるというもの。そのためゲヘナとの和睦など到底受け入れられず、トリニティ総合学園の異端であったアリウス派と手を組んで、学園の権力を掌握しようとしたのであった。ミカはセイアを殺す気などなかったのが、結果的に殺してしまった(と思い込んでしまう。本当はセイアは死んだように見せかけていただけ)。ここからミカの狂気はますます激しさを増すようになる。補習授業部の活躍によりナギサはゲヘナ学園との講和条約を進めるが、その調印式にミカはミサイル落としを実行し、調印式を火の海へと叩き込んでしまうのだ。これによりトリニティ、アリウス、ゲヘナの武力抗争が勃発するが、最終的に先生の力で鎮圧される。
    • こうしてハッピーエンドになるかと思いきや、これでもかというくらいにミカの狂気は留まることを知らない。ミカは一連の事件を受けて退学の危機に瀕する。これを憂慮しミカと和解したナギサやセイアは審問会に皆で出ようと持ち掛ける。先生の提案を承諾したミカであったが、事前にセイアと会った際にまたもや口論に及んでしまい、セイアが倒れたために迫害の対象となる。ミカはこの憎悪をアリウス派の面々に向けることとなった。
    • アリウス派の生徒達は彼女たち内部で問題を抱えていた、アリウス派の姫と呼ばれる秤アツコが、ブルアカ全体の敵組織であるゲマトリアに生贄にされようとしていたのである。グループのリーダーである錠前サオリは先生に縋る事しか出来なくて助けを求めに来る。先生は快くこれに応じるのだが、彼女たちだけ救われることが許せないミカは、ストーカーのように救出戦を邪魔しに来る。最終的に、Vol.3のゲマトリアのボス:ベアトリーチェを撃破しアツコの救出にも成功。最後に先生はミカの所へも駆けつけ、彼女の危機を救い精神的ケアに努める。
    • 結局の所、このシナリオは聖園ミカというキャラクターの狂気に依存して物語が転がされた。原因はほんの些細のことであり、役員間での理解不足。セイアやナギサは精神的に成熟しており統治者としての思考が出来たの対し、ミカは本当にそれはそれは情緒未成熟であったのだ。それをセイアたちは理解しようとしなかった。ミカはこれまで甘やかされお姫様のような扱いを受け苦労を知らず自分の才能とスペックに依存してきただけの女であり、権力を振るう器ではなかったのだ。セイアやナギサはちゃんと話をしてミカの人間性に向き合う必要があったのだ。先生のおかげでこのことに気付いたティーパーティーメンバーたちはこれからお互いの関係を再構築するよとハッピーエンドになる。
一貫して愚かな子扱いを受けるミカ
自分の責任は棚に上げ都合の悪い時には泣き出す女の典型例である
一連の騒動で反省して精神的に成長したミカはセイアとナギサに感謝と謝罪をすることができた

ブルアカ メインストーリー感想まとめ






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