ヴィンランド・サガ奴隷編 第11話「イングランド駐屯軍を解散せてしまえばよいでFA」の感想・レビュー

軍事費を捻出するための財源として富裕層の土地を接収しようとするクヌートの話。
イングランド統治のため駐屯軍を置き続けているので莫大な軍事費が圧し掛かっていた。
増税では民の不満度が上がるため直轄領を増やす必要があるが開拓は時間がかかりすぎる。
そのためクヌートが選んだのは接収であり富裕層の土地を奪ってしまおうというのであった。
白羽の矢が立てられたのがケティル農場ありバカ息子オルマル君が利用されてしまう。
こうしてケティル農場接収に赴くクヌートだがトルフィンに諭され駐屯軍解散を決める。
イングランドでは軍事力を手放したことで信頼関係が生まれクヌートは王と認められたのである。
それ故、反乱など発生せず、図らずも最初の答えが正解となったのだ!

奴隷編で描かれるのがボンクラ息子オルマルくんの成長

イングランド駐屯軍の費用が掛かりすぎるなら解散しちゃえばいいじゃない
  • オルマルくんが本当の漢になる話
    • ヴィンランド・サガ狂言回し役となるのがオルマルくんだ。彼は地方に埋没することを嫌い、武功を立てて出世を目論む典型的な田舎の若者である。親の威光と資産を背景にイキリ散らしているものの本人の能力はゼロに近く揉め事ばかり起こす。今回のオルマルくんは行商人にイチャモンを付けた結果、一般人との喧嘩で親に買って貰った剣を振り回す。さらに貢物を届ける際には突如として軍団入りを志願し喚き散らすが、豚の丸焼きも切れない始末であった。そんなオルマルくんはケティル農場接収の口実に使われてしまうことになる。クヌートはイングランド駐屯軍の費用を賄うために富裕層の土地と財産の接収を目論んでいたわけだが、ターゲットにされたケティル農場の接収の口実としてオルマルくんの愚行が利用されるのである。
    • けどこれオルマルくんって日本の高校生とか大学生とかのメタファーとかにも感じられる。地方で親の庇護下にぬくぬくと暮らしながらも勝手に閉塞感を抱いて都会への幻想を抱き地方から出て行ってしまう。だがイキったところで東京で成功できるわけもなく結果として失敗に終わる。だがこの失敗を通して自分の愚かさを学んで地に足つけた生活を見出すという展開。
喧嘩を吹っ掛けるチンピラのようなオルマルくん
豚も切れないオルマルくん