フリーレン27話感想「1級魔法使い試験(10)フェルンとフリーレンの師弟の絆回~私はフリーレン様の弟子です~」

フリーレン様とフェルンの間に積み重ねられた師弟としての絆を描くお話。
A-partは感情が希薄なフリーレン様がデリカシーの無い発言をしてフェルンの機嫌を損ねる。
だが心の機微に疎い事をコンプレックスに持つフリーレン様は弟子のために思い悩んでくれる。
フェルンがヤケ食いデートを終えて帰ってくるまでには杖の修復を終えていてくれたのだ。
B-partはゼーリエからの面接試験の際、フェルンが魔力の揺らぎを見抜いたことで合格となる。
その際フェルンはゼーリエから弟子になるよう勧誘を受けるがキッパリと断るのである。
A-partでの痴話喧嘩があったからこそ、B-partのフェルンの言葉が映えたと言える演出であった。

個人的にはリヒターが優遇されていたり、ゼーリエ様がフランメの影響で花を育てていたりするのが好き

今回のシュタフェル~理不尽な女の感情を受けとめてあげるシュタルク~

A-partはフリーレン様とフェルンの痴話喧嘩回。孤児となったフェルンは思い出の私物が少なく、ハイター様から貰った杖、フリーレン様から貰った髪飾り、シュタルクからもらった久遠の愛が全てであった。そんなフェルンは数少ない私物を大切にしているのだが、粉々になった杖を見たフリーレン様はフェルンの気持ちを分かってくれない。そのためシュタルクに慰めてもらいに行くのだが、愚痴を聞いてもらうことだけでなく自分を諫めてくれるよう甘えていたのかもしれない。実際シュタルクはフリーレン様の性格を理解した上で、他者は理解できないからこそ、理解しようとすることが大事なのだと説く。それはハイター様がフェルンに残した遺言に通じるものであり、感情が希薄で心の機微に疎いフリーレンだからこそフェルンを理解しようと努めてくれるのであり、それはとても恵まれたことであると実感するのである。フェルンがシュタルクとのヤケ食いデートから戻ってきた時にはキッチリと杖が修復されていたのであった。
 

リヒター・デンケン・ラオフェンのパーティーいいよね

この杖を修復した際のエピソードが結構好きで、魔道具修理店の土属性おっさんリヒター優遇されてんなぁ(ホッコリ)。試験に落ちたリヒターを励ますために店を訪れる宮廷魔法使いデンケンとのやり取りがしみじみとしていて趣深い。リヒターに権威を舐め腐り弱者を虐げることを厭わないと評しながらも自分もそうであったと婉曲的に語る場面が良い。またリヒターがデンケンに毒づいた際に彼がそれを認めてしまうと言い返せと対等な関係を求めていく。そして二人の関係性にアクセントを加えるのが、爺さんの孫的ポジションであるラオフェンであり、爺さん不器用なんだとフォロー入れているところがステキ。爺さんと孫が帰った後、杖の修復を頼みに来たフリーレンもリヒターを煽って断った仕事を引き受けさせるも良いよね。ハイパーリヒタータイム。
 

フランメとフリーレンに影響され温室で花を育てるツンデレゼーリエ様

B-partは前半の痴話喧嘩を踏まえた上で、ゼーリエ様の勧誘を受けるフェルンが断る姿が見どころである。一級魔法使い試験はつまるところゼーリエ様のお気に入りを選抜する回。いつまでも試験編をやっているとストーリーが進まないため三次試験はカットされ、ゼーリエ様面接試験の巻でござる。ゼーリエ様はフリーレンに対して毒づきつつもフランメに伝授された花畑を出す魔法が大切なことを知っていてわざと聞いているし、面接試験の会場も花を育てている温室で開催しているし、どんだけフランメやフリーレンのことが好きやねんと感じさせる。そしてそれはフェルンに対しても同様であった。誰も見抜けなかったゼーリエ様の魔力制限の揺らぎをフェルンが見抜くと、弟子にならないだろうなと確信しつつ弟子に勧誘してくる。この勧誘に対してフェルンが私はフリーレン様の弟子ですと言い放つのが今回のハイライト。フェルンは合格になるが、ゼーリエ様のツンデレっぷりがこれまた丁寧に絵が描かれた回でもあった。

フリーレン感想まとめ