ダンジョン飯19話感想「センシによるイヅツミへの食事の躾/フリーレンの死生観をさらにハーフエルフっぽく人間に近づき恐怖を抱かせた感じ」

A-partは食事の躾タイム。マナーガン無視であるイヅツミに対し大人としてセンシが立ち上がる。
シローの取り巻きにいたイヅツミは黒魔術がかけられており解呪を望んでヌケニンとなった。
彼女もまた合成獣でありニンゲンに戻る方法を探しており、マルシルなら解けると思ったのだ。
センシは空腹なイヅツミに食事を振る舞うが、育ちが悪くセンシの想いは蔑ろにされてしまう。
静かに怒れるセンシはイヅツミにテーブルマナーを説きライオスも合成獣となったことを愛で肯定する。
B-partはフリーレンやってるような感じ。長命種であるが大好きな人が先に死んでしまうという死生観ね。
だがフリーレンが達観している一方でファリンはハーフエルフであるためもっと人間味が強かった。
自分より先に親しい皆が死んでいくのを怖れており、それをナイトメアに襲われることになる。
夢へと飛び込んだライオスは、その独自の価値観によりマルシルを励まし、彼女のトラウマを和らげる。

スプーンをちゃんと持ちなさい

食事の躾がなってないイヅツミ

テーブルマナーは単なるお行儀の話じゃなくて、道具の機能を最大限に引き出すものなんだよって。シュロー一行から離れてヌケニンとなったイヅツミ。マルシルにより従属の呪いは解呪できたが、合成獣の呪いは解呪できなかった。そのような中、食事関係でテーマとなったのがテーブルマナーであった。センシは大人の責任として飢えた子どもには腹いっぱい食わせねばという行動原理があった。そのため腹をすかせたイヅツミにも温かい料理を振る舞うことにする。だが彼女はセンシの想いを蔑ろにする。スプーンは逆手に持ち、嫌いな食べ物は床に投げ捨てたのである。これを見たセンシは流石にブチギレ。イヅツミに対して「教育」を施すことになる。イヅツミにかけられていた従属の呪いが発動すると敵の包丁の持ち方が悪いためすぐに折れてしまうことを見せる。道具の機能を引き出すには正しい使い方があるのだと。こうしてセンシに諭されたイヅツミは、スプーンをちゃんと持つようになった。
 

長命種の死生観について

ライオスから肯定され死に立ち向かう強さを得るマルシル

フリーレンが純潔エルフで割と達観しているのに対し、マルシルはハーフエルフであるからこそもう少し人間味がある。フリーレンが初めて死を悔恨したのがヒンメルの死に際してであったが、マルシルは幼少期から他種との違いに悩んで来た。エルフにもなれず人間にもなれなかった彼女は大好きな父親の死が大きなトラウマとなった。そのためマルシルは黒魔術に手を出すようになり、人種間における寿命の差異の克服に手を出してしまうのである。

今回はナイトメア事件を通して、マルシルのトラウマが浮き彫りにされた。自分の黒魔術によってファリンが魔獣化してしまったことを思い悩むマルシルを見たライオスは早めの休息をとらせる。だがマルシルはうなされはじめ、ライオスは夢魔の仕業だと気付く。悪夢から目を覚まさせるには夢に入り込むしかない。そんなわけでライオスは夢にダイブするが、最初は自分のトラウマにやられかける。両親と不和であり、人間社会に馴染めなかったことを気にしていたんだね、ライオス……。

ライオスは魔物に対する知識があったので割とサクッと解決し、マルシルを助けに行く。ここで登場するのが炉利マルシルであり、彼女は「死」を恐怖していたのである。ライオスは恐怖に怯える炉利マルシルを救うヒーローとなり、彼女の人生を肯定。特に彼女が頑張ってきた努力(魔法の勉強)を称えることで、彼女に死と立ち向かう気力を与えるのだ。これによりマルシルは理想の魔導書を引き出し、その本を使って物理攻撃で死を撃退した。この後もマルシルの死への恐怖は続くが、食事・睡眠・運動で立ち向かうので、ある意味物理なのかもしれない。

マルシルの悪夢はトーデン兄妹によりハッピーエンドに変わった

ダンジョン飯感想まとめ