【感想】事情を知らない転校生がグイグイくる。 第1話「死神と転校生」

近年量産される1on1恋愛モノの一種(○○くん/●●さん<ちゃん>シリーズ)。
少年の無邪気さが結果としてクラスから排斥されていた陰キャ少女の救いとなる話。
父子家庭を思わせるメカクレ系陰キャ少女はクラスで死神と言われイジメの対象となっていた。
だが転校生は死神=カッコイイものと肯定的に捉え陰キャ少女に積極的に捉え肯定していく。
転校生自身も排斥の対象となってしまうのだが、彼はそんなことは怖れなかった。
彼の転校前は僻地で全校生徒3人の仲良し学校であり運動神経もバツグンであったからであった。

1on1恋愛シリーズのうちヒロイン陰キャモノパターンの中でもイジメを題材にした作品

少年の無邪気さがイジメを受ける陰キャ少女の救いとなる
  • 根本的にイジメを解決しようとしているわけでもなく結果として救いになっているだけという危うい構図
    • 1on1恋愛モノでは様々なヒロインが描かれるが、本作は中でも陰キャ系少女がヒロインであり、彼女の可愛さは自分だけが知っているというパターン。だが陰キャ陰キャでも学校空間の中で明らかにイジメを受けておりクラスから排斥されているというところで独自性を出している。そのためイジメものを好かない視聴者は見ていて辛いものがあると思われる。
    • 主人公の転校生はイジメというものを理解しない無邪気な少年。無邪気だからこそイジメに気付かず、少女が死神と揶揄われるのを肯定的に捉えることになる。死神=カッコイイとか言い出し陰キャ少女に対して積極的に絡んでいく。いつしか陰キャ少女にとって自分に話しかけてくれる転校生は特別な存在になっていった。陰キャ少女が陰キャなのは父子家庭に起因しているようであり、父親は娘に対してどこか遠慮があり深く向き合えないでいる模様。そのため陰キャ少女は父親にイジメを受けているなどとは言えず、友達がいると嘘をついているのであった。そんなわけで陰キャ少女にとっての救いは転校生だけであり、彼が保健室に行って教室からいなくなった際には、自分の中で彼の比重が大きくなっていたことを自覚する。これまではぼっちであることが普通だったのにその寂しさに耐え切れないことを改めて知るのであった。
    • 人間集団の包摂と排除の原理により、共同体の中では排斥のターゲットを作ることで内部の団結感を高めようとする行為が多々行われる。村八分にされている陰キャ少女の救いになるのは結構だが、少年の優しさはただただその「無邪気さ」に起因するものであるため、そのうち転校生自身もイジメのターゲットにされてしまうかもしれないという危惧がある。また「無邪気さ」であるが故、根本的にイジメは解決されない。
平然とスキンシップする無邪気な少年
陰キャ少女の中で少年の比重が高まっていく
転校生もイジメのターゲットになるがまるで気にしない

グイグイくる感想まとめ