【感想】星屑テレパス 第1話「自分を受け容れてくれる居場所を求め宇宙を夢想していた根暗陰キャコミュ障ぼっち少女、自称宇宙人と出会いロケット製作を目指す」

最近流行りの根暗陰キャコミュ障ぼっち少女モノ。内向的でおどおどした小動物系少女のモノローグがウリ。
コミュ障で友達がいない小ノ星海果は内向的でまともに他者と会話をすることすらままならなかった。
そのため地球では駄目でも広い宇宙には自分を受け容れてくれる星があるに違いないと夢想するようになる。
高校に進学しても全然喋れずぼっち街道まっしぐらであった海果だがそこへ自称宇宙人である明内ユウが現われる。
小ノ星海果は一瞬喜びの表情を浮かべるが自分の好きな物を否定され続けて来たトラウマが発動してしまう。
周囲から好きな物を小馬鹿にされ嘲笑されるというトラウマは世のヲタクなら一度は経験したことがあろう。
思わず共感的羞恥に駆られてしまい見ていて辛かったし、海果を応援せざるを得ない心境に陥った。
宇宙と交流という題材だとムーやオカルト方面を想像しがちだが、本作は本格的な科学技術や工学系に取り組むらしい。
ロケット製作モノだと伝説のノベルゲー『あの晴れわたる空より高く』も専門性をエンタメによく落とし込んでいた。
近年のきらら系は表面的な百合ではなく専門分野の裏付けがあってウケたのでどこまでロケットできるかが見物である。

「根暗陰キャコミュ障ぼっち少女」というカテゴリのうち「内向的小動物系オドオド少女」というパターン

根暗陰キャぼっちのトラウマ発動シーン

最近流行りの「根暗陰キャコミュ障ぼっち少女」。その属性を付与されキャラ造形されたヒロインは多々いるが、本作の小ノ星海果は「内向的小動物系オドオド少女」というパターン。精神的に脆い所があり恥ずかしがり屋で他者に話しかけることすら難儀であったため深い孤独に陥っていた。それ故海果は地球では駄目でも広い宇宙にならきっと自分を受け容れてくれるところがあるに違いないと思い込むことでかろうじて自分を保つこととなった。過敏性腸症候群を患っており、高校の入学式前にも胃痛に苦しめられるという状態であった。
 

自分の好きなことを誰からも理解されず周囲に小馬鹿にされ深い孤独に陥った海果

本作はこのような重度のコミュ障少女がヒロインに当てられるため、そのマイナス思考のモノローグを大量に浴びることになる。声優さんの演技も相まって大変素晴らしい表現になっているのだが、その分見ていて共感的羞恥が襲い掛かってくる。ヲタクなら誰しも自分の好きなものが恥ずべきものだとして陽キャリア充から小馬鹿にされて忸怩たる思いをしたことがあるでしょ?まさにソレ。海果が過去の学校生活において、宇宙を目指していたことを誰からも理解されず周囲から馬鹿にされ続け、自尊心がゼロになり自己肯定感が崩壊した様子が生々しく映し出されていく。これを見ているヲタクたちも共感的羞恥により精神崩壊したに違いない。もれなく私も精神崩壊した。
 

海果を深い孤独から救い出す存在が明内ユウ

そんな海果の初めての理解者となるのが自称宇宙人であり底抜けに明るい明内ユウ。周囲のクラスメイトは宇宙人ということをギャグと捉え明内ユウをネタキャラとして扱ったため、ユウにとっての理解者もまた小ノ星海果だけだったのである。こうして比翼連理の共依存となり、百合の絆が結ばれた。第1話を見る限り、宇宙との交信やUFO、宇宙語などが出てきたため、ムーやオカルトなどの方向性に行くのカナーと思われた。だが本作のウリは割と真剣にロケット製作を行うことらしい。近年のきらら系百合アニメは背景となる専門知識や学術分野に裏打ちされたことで人気を醸し出した。恋アスの地学、スローループのフライ、ぼざろのバンドなどは、表面的な百合的関係だけでなく、だからといって専門知識の押し付けでもなく、JKという特殊的年代の少女が持つ心情と深く絡み合うことで素晴らしい作品になった。本作もどの程度ロケット製作を掘り下げられるかで面白さが変わってきそう。

ユウの包容力によって海果が初めて他者に受け容れられるシーン
勇気を出した海果が自分からユウを求めに行ったシーンでは泣いた
オカルト方面ではなくロケット製作に取り組むみたい

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