【感想】水星の魔女 第24話(最終回)「目一杯の祝福を君に」

スレッタが母親の呪縛を断ち切り精神世界を呼び起こすことで、母の悔恨を解消する話。
スレママであるプロスペラは夫を上司を同僚を娘を亡くし、自己もまた汚染に苦しんでいた。
そのためデータストーム上の残滓としてこびりつくエリクトだけがこの世と繋ぐかすがいであった。
故にエリクトが生きられるようにクワゼロすることだけがプロスペラの生きる目標だったのである。
プロスペラはエリクトのリプリチャイルドであるスレッタを洗脳し都合よく使ってきた。
母に裏切られたスレッタは精神崩壊するもそこから立ち上がり過去に囚われる母親を救おうとする。
母の呪縛を断ち切ったスレッタは精神世界を呼び起こし死んでいった人々を顕現させ母親を改心させる。
エリクトを呼び起こしたスレッタはクワゼロも超巨大ビーム砲も光の粒に帰し戦いを終わらせる。

人の数だけ正しいがあるもの。いつか必ずどこかで間違うのよ。それでも出来ることをするの。この先も。

母親の呪縛を乗り越えるスレッタ

水星の魔女もいよいよ最終回。クワゼロと議会連合に対してどう戦うのか。まずクワゼロ戦についてはスレッタの母親問題がテーマになる。本作は一貫してプロスペラママンが原動力となっており、夫と恩師と同僚を殺され娘を亡くしたことが全ての原因だった。最愛の娘エリクトを生きながらえさせるため、データストームの残滓にこびりついて遺伝子情報からリプリチャイルドとしてスレッタを誕生させた。そしてクワゼロ計画によりエリクトが生きられる世界を現出しようとしたのだ。プロスペラママンにとってエリクトのみが本体であり、(歪んでいたとはいえスレッタをも愛していたのかもしれないが)、スレッタを自分の都合の良い手駒として扱うため洗脳といって良いほど盲従させたのである。この後、スレッタは母から見捨てられ精神崩壊するが地球寮の皆の支援で復活し、今度は母を救いたいと願うようになる。覚醒したスレッタは精神世界を呼び起こし、データストーム上に亡くなった人々を顕現させ死者と対話させることで母親を過去の悔恨から救うことに成功する。
 

ベネリットグループ解散!

議会連合戦については、ミオリネが活躍するターンとなる。超巨大ビーム砲で全てを消し去ろうとする議会連合に対し、ミオリネはその攻撃の口実となっている対象であるベネリットグループ本体を解散。攻撃対象を無くしてしまうというアクロバットを決める。そしてスレッタはエリクトを呼び起こし、クワゼロもビーム兵器も全てを粒子に還すのであった。エピローグは3年後に飛ぶ。そこには地球と宇宙の架け橋として活躍するミオリネの姿が!しかも小姑としてエリクトがミオリネの電子機器に憑依し皮肉たっぷりにサポートしてくれているぞ!スレッタは障害を負ったがガンド技術の医療で徐々に回復を見せており、プロスペラママンも静かに余生を過ごしていた。こうして世界の構造は安易には変えられないがそれでも続いていくセカイの中で出来ることをしていくという悟りを語り本作は幕を閉じることになる。

精神世界でエリクトを抱き締めるプロスペラママ
結婚指輪が光るスレミオ
スレミオ、お手々繋ぎエンド