『いつか、届く、あの空に。』

昔からの伝統を紡ぐ家系ではその能力を受け継げなかったものは、ドロップアウトするしかない。
Fate間桐家のワカメがいい例である。遠き祖先から脈々と受け継がれてきたもの。
それが自分だけにはなかった・・・その時のコンプレックスはどれくらいなものであろうか。
伝統の重圧に押しつぶされる者もいれば、受け継ぎたくてもできない人物もいる。
自分の能力を見極め適材適所で分を弁えるのが幸せだろう。
だが、本当はそんなことはちっとも認めたくは無くて虚しい努力は続けていた。
巽家の策は、そんなドロップアウトせざるを得ない人物の内の一人だった・・・

 

彼は、郊外の土地管理にかこつけて本家から逃げ出した・・・
そこへ待っていたのが嫁さんと名乗る少女:唯井ふたみであった。
つーかなかの人、るーこじゃね?
んで、無表情系?ふたみちゃんは中々物知りな御様子。
だが、ヨメの概念は激しく間違っており亭主関白を旨としていた。

そして策の回想が入り、彼女は昔にあった少女であることが判明。
そのことを告げに行くと、なんと割烹着メイド服で掃除をしていた。
しかも嫁とは「無給無休で一生こき使われる家政婦の総称だぞ?」とジェンダー教育が行われる最近の社会事情に激しく挑戦しております。どっかの大臣が「産む機械」といったのと同じくらい激しいです。

しかも彼女と幼馴染フラグを立てようかと思いきや、

ランプオブシュガーいつか、届く、あの空に。」プレイメモ

・シナリオ:朱門優
・原画:萌木原ふみたけ
 第一部と第二部の二部構成。
一部では晴れることのない夜空で星空を見るために雲を取り除く儀式を行う。
二部から個別シナリオに入る。


◆唯井ふたみシナリオ
 時は鎌倉時代源義経の妻:静はその魂を鎮めるためある土地へ赴いた。そこに有識結界を張り、外の世界との交わりを避け、桃源郷を作り出した。その有識結界が晴れることのない夜空の雲であったのである。
 で、百年に一度、雲戌亥一族の者が分家である巽をカニバリズムな同属食いをして有識結界を守ってきたのだそうな。その結界は太陽を食う狼を防ぐ役割もしていたのだと。主人公:巽策はふたみの餌(えど)になるために来ていたのでした。策くんは命を吸い取られて死んでしまう。
 それを助けたのが未虎愛々々。彼女は死者を動かす能力があったのだ。策は復活して一族に殴りこみをかける。だがその一族はふたみと運命を共にしようとしていたのだった。焼き殺される一族。
 なんとかしてふたみを助けたい策は空へと舞い上がり狼殺しを使う。無事ふたみを助けました。ふたみと愛々々は二人残され余生を過ごす。そして一年後、狼殺しとなった策をふたみが見出して復活!!なハッピーエンド。


◆桜守姫此芽シナリオ
 此芽シナリオではふたみは実家に帰ってそのまま帰ってこない。ふたみは此芽に策の世話を頼んでいく。策はふたみの糧となっているため、日々弱っていく。そこへ姉である此芽を逆恨みしていた妹みどのが襲撃してくる。そして結界を解こうとする御前の計画が開始される。かつて策は此芽と幼馴染であり、此芽がふたみの母に殺されかけたときに身代わりになって死んでいたのだった。此芽の黄泉帰りの魔術:結婚式によって蘇生される策。だが、その代償として此芽の命を吸い取り続けねばならなかった。(ここらは月姫の秋葉シナリオっぽいです感じがします。)これにより此芽は他の魔術は全て使えなくなってしまったのである。
 御前の計画では此芽の魔術が必要だった。そのため策を殺そうとする。だが、策はその秘儀"解体"により此芽の力を借りなくてもOKになる。で、此芽と策が力を合わせて御前を薙ぎ払ってハッピーエンド。


◆明日宿傘シナリオ
 人外のモノを狩る存在であったのが明日宿一族。太陽が食われ世界が滅びるときに、雲戌亥のモノが巽を餌に蛙蟆龍となりて次なる太陽になる。かつて明日宿はこの人外である蛙蟆龍を狩ろうとするが、巽の自己犠牲の精神にうたれ矛をおさめた。
 だが今回、巽策はふたみを選ばなかったので、明日宿は雲戌亥を殲滅しようとする。つぎつぎと散っていく雲戌亥一族。そしてついにはふたみもDEAD.全てを受け入れる覚悟をした策は大量虐殺した明日宿傘そのものも受け入れる。明日宿家の任を全うした傘は自害をはかるが、策はそれを止める。自分が起こした責任そのもを背負って生きていこうと二人で歩み始める。


◆-異ならぬ世の終わりよう-
激怒の神:オーディンは知を欲していた。
悪い小人の兄弟フィアラルとガラール兄弟は、知力のあるクヴァシルを騙して殺害し、血の蜂蜜を手に入れる。
彼らは知力を手にし、ギリングという地主を殺して財産を手に入れようとした。
ギリングの息子スットゥングは彼らに報復し知の蜂蜜を得る。
スットゥングは人間の尊厳を尊重し、人間は神の力を借りなくても乗り越えられると主張しだす。
これが「病める舌」の祖である明日宿となったのである。
一方、オーディンに付き従っていた妖精はご主人様から槍を授かったと思い込みそれで人間を駆逐しだす。
しかし、クヴァシルを祖とする「主張するもの」である雲戌亥家によって槍は折られてしまう。
妖精は泣きじゃくるが、槍が刺さった死体が動き出し子を孕ませた。
その死体はすぐに動かなくなってしまったが、その子は槍の能力を受け継いでいた。
そう、槍の破片を含んでいたのである。妖精は槍の破片を回収すべく時を重ねることになった。
槍の破片を埋め込まれし一族を「望むもの」OSCI:桜守姫と名づけて。
オーディンは人間の姿をみて感情を動かされ、フローズヴィトニル、魔狼フェンリルに食われそうになるが打破するのであった。そして、人間達の加護者となり続けている・・・