いつコミックスが出るのかと読者をして首を長くして待ち続けさせた『朝霧の巫女』。
ですが、本誌での連載は第5巻の単行本が出る前に完結してしまいました。
そして第4巻から約4年ぐらいの時を経て、やっとこさ第5巻の登場ですよ。
今回のみどころは、なんといっても「こまさんの過去編」。
こまさん、孕んでる結実の腹を掻っ捌く
猫又の妖怪であるこまさんが、夫・息子・孫へと見せる天津の血への執着はゾクゾクきます。血を拠り所とするこまさんの、忠寿への執着は、次第に彼を追い詰めていく。母親を大事にするからこそ、重荷となってしまうアンビバレンツな母子家庭。そして山にココロを持ってかれてしまった結実と精神崩壊する忠寿。ここからの展開がものすごくてストーリーに一気に引き摺り込まれてしまう。臨月を迎えても子供が産まれる気配のない結実を見て次第に焦れていく日常。そして母と息子の衝突。ついに、こまさんは結実の腹を掻っ捌いて赤子をとりあげる。