閣下と学ぶ帝国主義原因論 第3話「新マルクス主義帝国主義論」

前回までのあらすじ
im@s架空戦記シリーズに影響を受け、たかちゅきさんたちは帝国主義原因論を調べることに。
帝国主義といえば、春閣下。解説よろしくお願いします。
今回は従属理論によるパラダイムの転換を見ていきます。



うっう〜。
帝国主義原因論。始まります。

従属理論


今回はまず「従属理論」について説明するわね。
マルクス主義者たちや「近代化論」を提唱したロストウ等は、旧植民地諸国は発展していくと思っていたの。けど、政治的に独立した旧植民地諸国は経済的自立を見せるどころか格差が拡大・固定化していったわ。このような支配的単線モデルに変わって唱えられはじめたのが「従属理論」ね。
資本主義を世界的に見て「中心」諸国対「周辺」諸国という二つの階層的分業体制が行われているとしたの。「中心」が発展して工業化するのに対して、「周辺」はモノカルチャー経済に陥り、停滞・低開発になってしまうというのね。



れぅ〜。
資本主義を一国だけでなく、世界的に見る視点を与えたんれすね。



それに、帝国主義を16C 以来の資本主義体世界体制の長期に渡る展開の一コマとしてとらえるようになったのも重要だわ。
この見方によって、長期的スパンで帝国主義を捉えようとするパラダイムの転換が起こったのね。

マルクス主義帝国主義


この従属理論の考え方を受け継いだのが、『現代の帝国主義』(1969)や『帝国主義―植民地期から現代まで』(1978)を記したマグドフよ。彼は資本主義の膨張として5つの命題を上げ、その膨張過程を5つの段階に分けたの。
まずは5つの命題。
(1)資本の蓄積こそが資本主義の推進力かつ本質である。
(2)資本主義は世界システム。これが資本主義の構造と発生過程を規定した。
(3)強大な資本主義諸国は他の地域にその生産様式を押し付け、生産と剰余価値で潤い続けた。
(4)国際分業(工業国と一次産品国)を作りだし、経済的従属関係を発生させた。
(5)資本主義の市場・価格および金融メカニズムはこの従属関係を再生産しつづけた。


れぅ〜。
資本主義による従属関係を適材適所っていうのはアレなんれすねぇ〜。



そして5つの段階。
(a)15C末〜17C中期:商業資本の勃興と世界貿易の急速な拡大。
(b)17C中期〜18C後半:商業資本の支配的勢力の成熟。
(c)18C後半〜1870's:産業革命による産業資本の勃興とその最終的勝利。
(d)1880's〜WW?:独占資本の勃興とその勝利。その再分割を巡る最初の世界大戦。
(e)WW?以後:対立する社会システムとしての社会主義の誕生。植民地の独立分離。多国籍企業



うっう〜。
マグドフは非常に長いスパンで帝国主義を捉えたんれすね。