一 新自由主義とは何か
1 マネタリストの主張
- 新自由主義の理論的基礎
- ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストの議論
- 最低賃金制や女性の社会進出が失業を拡大しており、失業を克服するためには、政府による行き過ぎた労働者保護規制をやめる
- ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストの議論
3 新自由主義の論点
- 新自由主義は、福祉国家とナチズムには対抗理論となりうるが、集産主義に対抗しているわけではない
- 新自由主義に対抗する批判は社会編成のあり方について、経済的な分析を踏まえることが重要になる
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- 資本主義社会においても競争の公正さや分配の不公正の是正が大きな価値を持つこと
- 自由を保護するためにはルールを設定し、それを監視する機構を設けることが必要であること
- 政治家や官僚の不正行為を有効にチェックできる仕組みを工夫すること
- 政治不信がすぐに小さな政府に向かう国民の意識は危険なものであって、「自由と公正を保障する政府は決して小さくない」こと
- 日本社会においては、適切なルールの設定はまだまだ不十分であって、決して過剰な法化が問題となっているのではないこと
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4 新自由主義による政策の評価―効率化原則の採用
二 法律学の課題
- 社会編成のレベルにおける新自由主義に対する批判
- 1長期的な効率性という考え方に対する批判
- 2資源の利用の問題から公平性を排除することの問題
- 3個々の法的規制の経済的機能に対する評価
1 政策や制度設計に対する批判
2 政策は正しいとしてもそれを具体化する法律に問題がある場合もある
- 市場における取引においても公平性の観点から規制が必要なものもあり、基準の客観性が確定していなくても、それこそ過去の経験の積み重ねによって、一定の基準を設定することは、十分に可能である。
- 法技術の問題
3 法律のかかげる目的が正当であっても、機能していない場合がある
三 二十一世紀の法システム
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2 現代法および法化に関する議論
- 広渡清吾の理論
- 現代法論:古典的な「権利義務の法」から「資源配分の法」へ変化。しかし日本では起こっていない。←古典的法による社会の法化、普遍主義型法モデルによる法的解釈が十分でないから。
- 1980年代からは、日本社会の企業社会的構造が法化の新たな根本的制約要因。かつ、日本の企業社会的構造は二十一世紀のグローバリゼーションの中で変容の過程→法化は予想できない。