レジュメ

【レジュメ】「新京に至るまでの日満交通路について~京図線・北鮮三港ルートを中心に~」

目次 1.問題意識と問題設定 1-1.満洲国の成立と鉄道路線 1-2.新京/長春に至る二つのルート 1-3.新京への第三のルート 1-4.問題設定 2.先行研究 2-1.研究の中心はあくまでも日本サイドが論点であり、日本海航路の限界性を指摘する。 2-2.先行研究の問題点 3.…

【草稿】満洲国の観光 第2章「観光から見る満洲国新京」

【レジュメ】「新京において旅行者はどのような行動を取り、それを通してどのような心象を抱いたか」 目次 1.序論 (1)問題の所在 (2)リサーチクエスチョン 2.本論 (1)日本人が建設した都市 (2)植民地都市としての性格 (3)新京支配の象徴 支配装置としての関…

【レジュメ】「満洲国新京の都市観光」

0.これまでの経緯 0-1.修論のテーマ選択 帝国日本と植民地間の「人の移動」 →植民地への「観光」が果たした役割・機能 0-2.満洲国観光に関する先行研究の特徴 (1)観光によって満洲国に対して典型的なイメージが付与された。 ①満洲国の周遊ルートは定型化して…

【レジュメ】「満洲国の国都「新京」は旅行案内やパンフレット でどのようなイメージ像を提示されたか?」

1.今回のRQ RQ 「満洲国の国都「新京」は旅行案内やパンフレット でどのようなイメージ像を提示されたか?」 分析対象 今回分析したのは『南満洲鉄道旅行案内』(1909年12月、1912年10月、1917年1月、1919年6月、1924年9月、1929年12月、1935年4月)、『満支旅…

山本裕「満州」(日本植民地研究会編『日本植民地研究の現状と課題』、アテネ社、2008年、pp.217-248)

はじめに 本稿の趣旨 「満州」研究についての現状と課題を述べていくこと 「東北アジア史」研究に関する詳細な文献リスト 上田貴子・小都晶子「東北アジア近現代史関係文献目録(一九九九〜二〇〇五年)」(近現代東北アジア地域史研究会『News letter』第一七…

第48回「日本の貿易の現状と課題」(教科書該当ページ『新詳地理B改訂版』帝国書院p.245)

今回のポイント 製造業の終焉による貿易赤字国への転落と日中経済摩擦の争点について理解する 1.日本の貿易の特色 (1)貿易の変化 a.戦前の貿易 ・繊維原料や、機械類などの生産財を輸入し、生糸や綿製品などの軽工業品を輸出。 ・輸出品は労働集約的な商品…

和田光弘『タバコが語る世界史』2004年 山川出版 世界史リブレット 1-27頁

タバコというモノの歴史 タバコの栽培方法 タバコの種子は繊細なため、苗床で育て、ついで畑に移植する。 生育にともなって花枝部の切除などをおこない、頃合いをみて幹ごと刈り取る or 下位の葉から順次摘み取って収穫する。 収穫した葉の乾燥はタバコ栽培…

ドミニク・S・ライチェン「キー・コンピテンシー」ドミニク・S・ライチェン、ローラ・H・サルガニク編著『キー・コンピテンシー』明石書店 2006年 85-125頁

Ⅰ はじめに 問題意識 一般的な(あるいは普遍的に適用可能な)キー・コンピテンシーの集合を定義する基盤は存在するのか? 本章の目的 キー・コンピテンシーに関するDeSeCoの全体的枠組みの重要な要素を示す →キー・コンピテンシーを3つの要素でカテゴリー化…

山口幸男「ヘットナー」『地理思想と地理教育論』学文社 2009年 117-128頁

1 はじめに 本稿の目的 ヘットナー(1859-1941)の地理学について地理教育論の立場からヘットナー/平川他訳『地理学』(古今書院、2001年)を資料に考察する 2 ヘットナー地理学の特徴 概略 ヘットナーによって現代に直接連なる地理学の基盤が形成された 地誌…

岩本通弥「「ふるさと文化再興事業」政策立案過程とその後」 岩本通弥『ふるさと資源化と民俗学』吉川弘文館 2007 53-78頁

はじめに 本稿の目的 2001年度から文化庁の正規事業となった「ふるさと文化再興事業」がどのような要因と背景で立案され、施策としてどのように具現化していったのか、その政策立案過程とその後の展開を概観すること。 一、ふるさと文化再興事業とは何か 「…

加藤公明「高校における歴史教育の課題と授業 ―「考える日本史授業」の可能性―」日本社会科教育学会『社会科教育研究』No.74 1996.1  50-59頁

はじめに―楽しく学びがいのある授業を― 生徒の歴史嫌い、歴史離れ 「先生、なんで歴史なんか勉強しなくちゃいけないの。」=生徒たちの現実の歴史教育にたいする否定的な経験や、それにもとづく心情の発露として教師にぶつけられたもの----教師は自分の歴史…

小須田稔「群馬県下仁田におけるコンニャク栽培の立地変動」えりあぐんま 第7号 2000年 15-28頁

1 はじめに コンニャク栽培の先行研究 斉藤(1968):コンニャク栽培における自然条件や品種の地域差、栽培技術の向上 高橋(1968):コンニャク栽培の収益性、労働生産性、栽培技術の向上、適応品種の普及 山崎(1972):コンニャク産地の拡がりと技術革新を関係…

「ゆとり社会のセーフティーネット」 山田博文『これならわかる金融経済[第二版]』2005年 241-250頁

11-1 ビッグバンと投資家・消費者保護 11-1-1 イギリスの「金融サービス法」と投資家保護 金融ビックバンを構成する二つの柱(図表66) ?各種の金融規制緩和・自由化 ?投資家保護に関連した規制強化・法整備 もし「?各種の金融規制緩和・自由化」だけが実施…

土田和博「岐路に立つ新自由主義的構造改革と対抗理論」

はじめに この増刊号の企画趣旨 憲法の明文改訂の試みに先行して既に行われてきた日本の「構造改革」をconstitutional change(実質的意義の憲法改定)と把握し、これに批判を加えるとともに、これに代わる対抗的法戦略を提示する 本稿の展開 (一)まず新自…

石崎学・安達光治「市民的安全構築の可能性と法―「安全な社会」から排除される人々」

一 ―人権宣言における安全 国家と安全 1789年フランス人権宣言第2条:「自由、所有、安全および圧制への抵抗」という「自然的な諸権利の保全」が「政治的結合の目的」である 安全が近代憲法にとって非常に重要な価値であることは間違いなく、諸個人の安全の…

溝口和宏「歴史教育による社会的判断力の育成(1)-法的判断力育成のための歴史教材例-」全国社会科教育学会『社会科研究』第50号 1999 211-220頁

? はじめに 社会科が育成すべき市民的資質 社会的論争問題に対し、主体的に考え合理的に意思決定できる社会的判断力の育成 近年の研究:多様な価値観を保障する民主主義社会の合意形成のあり方を模した、学習過程の組織化という視点からの研究 今谷氏:社会…

大島和夫「新自由主義の法思想」民主主義科学者協会法律部会編『改憲・改革と法 :自由・平等・民主主義が支える国家・社会をめざして』日本評論社 2008年 31-37頁

一 新自由主義とは何か 1 マネタリストの主張 新自由主義の理論的基礎 ミルトン・フリードマンに代表されるマネタリストの議論 最低賃金制や女性の社会進出が失業を拡大しており、失業を克服するためには、政府による行き過ぎた労働者保護規制をやめる 新自…

手塚章「ヨーロッパ中軸国境地帯における空間組織の変容―アルザス・ロレーヌ地方を中心として―」人文地理学研究 ??? 33-47 2003

? はじめに この論文の趣旨 アルザス・ロレーヌ地方を具体的な素材としながら、国境をこえた統合の進展とさまざまな側面でモザイク模様が根強く存在するアンビバレントな状況を描く。 ex.ヨーロッパ中軸地帯をめぐる地域整備構造(第1図) 各国ごとのモザイ…

秋永雄一「階級と文化」柴野昌山他『教育社会学』有斐閣ブックス 1992年 143-163頁

1.研究の目的と意義 目的と意義 日本において「階級」という言葉にリアリティが生じたのかを明らかにするために、欧米と日本における「階級」イメージの共通点や差異について考える。 2.研究方法 1節:「階級のイメージ」 階層意識の研究:原純輔、安田三郎…

片岡栄美「大衆文化社会の文化的差異生産:階層再生産、文化的再生産とジェンダー構造のリンゲージ」宮島喬・石井洋二郎編『文化の権力:反射するブルデュー』藤原書店 2003年 101-135頁

1.研究の目的と意義 日本では、なぜ文化的平等神話が広がり、文化的再生産は隠蔽されるのか 文化の機能や社会的意味が、男性と女性で異なるのはなぜか 2.研究方法 文化消費パターン 生活様式空間と社会的位置空間の布置構造 学歴と文化 出身家庭での文化的経…

苅谷剛彦『学力と階層』朝日新聞出版 2008年 110-161頁

2章2節)多様な価値観を否定する道徳教育 教育基本法の改正と徳育教育をめぐる問題 自民党がなぜ道徳教育にこだわるのか 理由1:子どもや若者に起因する社会不安の解消 「他者への思いやり」に欠けた自己中心的な若者を育ててきた「戦後的な価値観」がこう…

山田博文「多様化し、膨張する証券市場」『これなら分かる金融経済』大月書店 2005年 のメモ

3-3「公社債市場の構造と動態」 3-3-1:公社債発行条件の多様化 国債の種類(償還期限に応じて分けられる) 短期国債:1年未満 中期国債:1年以上10年未満 長期国債:10年物 超長期国債:10年超え 国債の発行方式 1.長期国債引き受け方式 国債引受シンジケー…

武井寛「自己決定権と生存保障」 民主主義科学者協会法律部会編『改憲・改革と法 : 自由・平等・民主主義が支える国家・社会をめざして』 日本評論社 2008年 336-343頁

はじめに 現在の「労働」と「生活」の双方の領域を貫く形での「生存」の問題を「自己決定論」を手がかりに扱う 「市民的自己決定論」に批判的な指摘を意識しながら試みる、労働法や社会保障法の領域での自己決定論の検討 一.「自己決定」論の系譜 「自己決定…

和田肇「労働法制の変容と憲法理念」民主主義科学者協会法律部会編『改憲・改革と法 : 自由・平等・民主主義が支える国家・社会をめざして』 日本評論社 2008年 194-199頁

はじめに 1980年代以降における労働法制の改革:労働市場法、労働保護法、雇用平等法、企業再編法、労働紛争解決法 本稿で取り上げる分野:労働市場法、労働保護法、雇用平等法 本稿の課題 1.労働法制の再編をどう考えたらよいか 2.改革の背景にあるイデオロ…

矢野昌浩「雇用・労働・生活の現在」 民主主義科学者協会法律部会編『改憲・改革と法 : 自由・平等・民主主義が支える国家・社会をめざして』 日本評論社 2008年 64-70頁

この論文の趣旨 構造改革改革の中身の検討日本における改革構想の特徴(「雇用社会のリスク社会化」が所謂構造改革の下での労働法改革により加速・増幅されたという認識から) 日本における改革構想の特徴(ヨーロッパにおける労働市場・労働法改革構想との…

佐藤学「教室という政治空間 権力関係の編み直しへ」『カリキュラムの批評-公共性の再構築へ-』世織書房 1996 175-210頁

この文章の趣旨 教室という場所で生成し機能している政治力学の解明 1.はじめに 教室の物語:教室は謎めいた場所だが、語りたがる 教室経験の文化的意味 教室の日常経験の無意味さがもたらす退屈と惰性を主題とする物語 教室の権力関係の政治的意味 教室に付…

アダム・スミスと自己利益 アマルティア・セン『経済学の再生』麗澤大学出版会 2002年 41-48頁

1.慎慮と自己利益を同一視することは正確ではない スミス:「共通の慎慮という原理が常に個人の振る舞いを支配するわけではないが、それは常に各階層内の多数の行動に影響を与えるものである」 スティグラー:「自己利益が大多数の人間を支配する」→慎慮=自…

田村哲樹「シティズンシップとベーシック・インカム」武川正吾編著『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』法律文化社 85-111頁

はじめに 本章の課題 ベーシック・インカムがシティズン・シップとどのような関係にあるのかという問いに取り組む。 方法と意義 シティズンシップを権利中心的見解と義務中心的見解の両側面に分析的に区別し、それぞれBIとどのような関係にあるのか考察する …

手塚章「国境都市からトランスボーダー都市へ(1):ストラスブールの事例」人文地理学研究 30 113-125 2006

この文章の趣旨 ライン川をはさんで隣接するストラスブールとケールについて、国境都市の性格とトランスボーダー都市を志向する整備計画や都市建設事業について考察する。 1.はじめに 国境都市:国境がその都市の性格を規定していること 180度の大都市圏 国…

スミス関連まとめ  伊藤光晴編『岩波現代経済学事典』岩波書店 2004年

スミス Smith,Adam 1723-90 "経済学の創始者"と呼ばれる18世紀最大の経済学者・道徳哲学者 スミスの経済理論は難点や混乱が指摘されるが、道徳哲学と経済学を統合したその学問体系によって、資本主義成立期の社会が初めてトータルに把握された 生涯 グラスゴ…