雑録

そらいろ「愛衣√deつばめEnd」シナリオの感想・レビュー

そこはかとなくバッドエンド風味な物寂しさを感じられる愛衣√のつばめシナリオ。
幼なじみという関係にどっぷりと浸ってしまい、腐敗し泥沼に嵌ってしまう耽美感がたまりません。
年齢とともに変わってしまうことを認めたくなくて、それでも認めざるしかなくて、必死に足掻く描写が光る!!
挿入することをためらったが故に、関係変化に性行為を賭けていたつばめに諦念を抱かせてしまう。
そんなつばめに別れを告げられテロップが流れ出したときには思わず涙が。

腐敗する幼なじみという関係について


愛衣√では、愛衣の好感度がマックスで常にお兄ちゃん好き好きビームを放ってくるため、それを羨んだ幼なじみヒロインズは人格形成に影響を与えられてしまう。愛衣√つばめは、幼少期にどうすれば妹にしてくれるの?と聞いたときに、もっとしっかりしろと言われたため、言動だけが快速電車でマシンガンになる。台風救出イベントも起こらなかったつばめは暗い部屋の中で一人寂しく主人公くんの名を呼んでいた。そこに出来たのは幼なじみの間のわずかな溝。その亀裂がどんどこ大きくなってくるという寸法さ。お互いに好意を寄せているだけに普通の好きではいけなくて、そこから先へは行けなくて、漸進的に腐りゆく日々が始まった。時は流れ、愛衣のブラコンを矯正するために、つばめと恋人ごっこをするようになる。だけど、二人は恋人なんて関係よりも幼少期のように泥だらけになりながら野菜を収穫したり馬鹿やってる方が楽しかった。だけど、ピーターパンシンドロームとかシンデレラコンプレックスとかモラトリアムとか、そんなものには終わりがやってくる。少年期の終わり。



主人公くんとつばめの恋人ごっこはもう茶番だった。早々に愛衣にもバレ、ブラコン克服兄離れ大作戦どころか逆に応援される始末だった。だが、つばめはこのひと夏に賭けていた。だからバレていても気づかないふりをしてごっこ遊びを続けた。今年も幼なじみのままだったら一生幼なじみのままだ。その関係に変化は無く、腐っていくことが目に見えていた。だから二人で何かを残したかった。今までだって、何か出来たのに何もしようとしなかった。どうしてなんだ?と自問自答するが、恋人ごっこのままどうすることも出来ない。そんな二人を助けてくれるのが理沙美沙先輩。台風予報を知りつつも、つばめダディにスパナを届けるよう謀略をめぐらす。一人で行こうとする主人公くんのチャリの荷台に鎮座ましますのはつばめちん。プチ隣街旅行で何かが変わるかもしれないと願っていた。愛衣√ではもう荷台につばめを乗せることはなかった。だってつばめが当ててんのよをしてくるから異性を意識しちゃって、それを認めることは幼なじみじゃいられなくて、それでも幼なじみでいたくて、そうしたら腐っちゃって。煩悶しながら、嵐の中でペダルを漕ぐ。




そして、雨宿りのために入った小さな宿屋。なんとなく良い雰囲気になり、ここでダメなら何も変わらん。好きと告げあい、一つに成ろうとする。しかし挿入前に頭をよぎるのは不安。そんな姿を読み取ったつばめは聖母のように寸止めになってしまった主人公くんを掻き抱くのでした。翌日、変われなかった二人に訪れるのは別れ。つばめちんは台風で崩れた穴を飛び越え主人公くんに来ないでと告げる。恋人ごっこはタイムリミットだった。この夏に賭けていたつばめは、失敗に終わり、二人の関係は完全に腐敗した。切なさ炸裂のスタッフロールが流れながらバッドエンド。けど、この展開はこの展開でかなり良いシナリオだったと感慨深くなったと思いきや、続きが!!来ないでと言われても我らが主人公くんはジャンプしますとも。だって泣いてるんだもんつばめ。台風の時、怖くて何度も呼んでくれたのに行ってやれなかった後悔。あのときのイベントがあればこんなことにはならなかったハズ。じゃあ、今度はつばめが泣いたらいつでも真っ先に駆けつける!!と抱き寄せる。主人公くんの腕の中で、つばめは頭をうずめながら泣きじゃくってハッピーエンド。