授業開発用やっつけ作成メモ

序論 問題意識・問題設定

第1章 世界史教育の問題点

第1節 世界史教育の内容

 *単一の世界史像としての教科書
 *受験科目としての内容
 *内容構成原理の変容についての無関心

第2節 世界史教育の方法

 *講義形式
 *羅列的な知識の暗記学習
 *歴史的思考力・言語能力

構想

世界史教育が孕んでいる問題とは何か。内容面と方法面からアプローチ。内容面では受験が世界史学習の根源的動機、内容は教科書のゴチック体の暗記に始終、学習指導要領その他内容構成原理には無関心。方法面では教科書読んで板書してプリントの穴埋め以外の授業が出来ない。羅列的な暗記学習で歴史的思考力・言語能力は皆無。

第2章 世界史教育の学力観の転換

第1節 平成11年版学習指導要領と生きる力

 *生きる力とは何か
 *文化圏学習の消滅と諸地域世界の登場
 *主題学習の学力観の転換(興味関心・課題追究)
 *平成11年版ではなぜ未履修が起こったか。

第2節 平成21年版学習指導要領とPISA調査

 *OECDとキー・コンピテンシー
 *必修世界史と地理・日本史との連関
 *言語能力の重視と「探究」の登場と主題学習

構想

平成11年版はいわゆる「ゆとり教育」と呼ばれているが、世界史教育においては生きる力のもと旧態依然だった教育内容を現在の状況に合わせて大幅に変更した。しかし、教師側が旧態依然としており、従来の世界史像、講義形式暗記学習を脱せず失敗し、未履修を招いた。そのため平成21年版では、必修としての地理日本史との連関、PISA調査、言語能力の重視を打ち出してきた。

第3章 世界史教育主題学習の展開

第1節 歴史学における世界史の展開

 *「世界史の基本法則」
 *「世界史像」
 *「現代歴史学
 *「世界史システム論」

第2節 学習指導要領の展開と主題学習の先行研究

 *主題学習登場前史
  ・昭和22(1947) 東洋史編(試案) 西洋史編(試案)
  ・昭和26年(1951)改訂版 社会科編 ?(試案)
  ・昭和31年度(1956)改訂版 世界史
*主題学習の登場
  ・昭和35年(1960) 世界史A・B
*主題学習の選定基準の観点の登場
  ・昭和45年(1970) 世界史
*生き生きとした人間性としての主題学習
  ・昭和53年(1978) 世界史
*世界史必修化A・B分離と主題学習の停滞
  ・平成元年(1989) 世界史A・B

構想メモ

旧来はどのような世界史教育が行なわれていたか。歴史学歴史教育の両者で考える。歴史学では、1940年代後半の「世界史の基本法則」論、50年代の「世界史像」論、60年代前半の歴史学研究会を中心とした両者の総合化、70年代の現代歴史学、80年代にはウォーラーステイン世界システム論。歴史教育では学習指導要領の展開とその実践研究の先行研究を追う。ここでは、歴史的思考力を培うための学習である主題学習の変遷から学力観の変化を読み取る。昭和20年代の問題解決学習と昭和31年の系統学習を組み合わせ昭和35年に主題学習が出来た。目的は一貫して歴史的思考力の育成だが、主題学習の学力観は時代の要請を受けて変化してきた。時代ごとの歴史的思考力の捉えかたを読み取ることができる。旧来の学力観では限界を迎え平成元年で停滞した。

第4章 モノから見る世界の歴史

第1節 世界史教育の問題点を克服するためには

 *興味関心意欲を高める
 *講義形式からの脱却
 *日常生活の世界史

第2節 社会史からの視野

 *都市生活社会史
 *アナール学派
 *カルチュラル・スタディーズ

第3節 グローバル・ヒストリーからの視野

 *異文化間交易の世界史
 *自然環境と世界史
 *世界の一体化をどうとらえるか

構想メモ

世界史教育の問題点は、受験以外に勉強する動機が無いことにより生じる。教育内容と教育方法が旧態依然としているのはそのことが要因である。故に、生徒の興味関心意欲を高め、講義形式から脱却しなければならない。そのためには、生徒の生活意識と世界史が密接な連関があることに気付かせる必要がある。どうすればよいか。日常のモノから世界史にアプローチさせる。その方法として社会史からの視野とグローバル・ヒストリーからの視野が有用である。その視野がどのように生かせるのか考察。

第5章 タバコの歴史

第1節 現代世界の課題とタバコ

 *健康を害するタバコ
 *モノカルチャーとしてのタバコ
 *途上国におけるタバコ

第2節 タバコの発生と伝播

 *タバコ発生の起源
 *タバコの伝播と各国が受容した当時の社会状況

第3節 タバコ・プランテーションアメリカ植民地の成立

 *アメリカ植民を成功させたタバコ
 *タバコ・プランテーションと黒人奴隷
 *文学作品から見るアメリカ『タバコ・ロード

第4節 日本におけるタバコの歴史

 *日本におけるタバコ受容
 *タバコ消費の歴史的変遷
 *タバコの専

構想メモ

ここではモノから見る世界史の一例としてタバコを選んだ。タバコは現代の日本では害悪とされているが、どうして害悪なのに吸われているのか。歴史的背景を明らかにすることで生徒は興味関心意欲を高められる。タバコの栽培は途上国に依存しておりそこからモノカルチャーフェア・トレードなども学習できる。歴史の捉え方として空間軸と時間軸が焦点になることが多々ある。ここではタバコの伝播から空間軸に、アメリカ史とタバコから時間軸に迫ることができる。また日本史との関わりとしてタバコの受容と消費形態の変遷から日本の社会風俗をとらえることができる。またタバコの専売として、経済的な側面も捉えられる。

第6章 授業開発「タバコの世界史」

 *単元
 *評価規準
 *教材観
 *単元計画
 *本時の展開 ここでは「タバコの世界史」の授業開発を行なう。

終章 新しい世界史学力観と主題学習

論文タイトル:世界史教育の学力観の転換による主題学習の実践研究(仮)


参考文献リスト

第1章

 ・鳥越泰彦論文
 ・『歴史評論』659号特集「世界史の今日的問題」
 ・中村薫『世界史教育の視点と方法』創元社、2005
 ・神奈川県高等学校教科研究会社会科部会歴史分科会『世界史をどう教えるか』山川出版、2008
 ・今野日出晴『歴史学歴史教育の構図』東京大学出版会、2008
 ・鳥山孟郎『授業が変わる世界史教育法』青木書店、2008
 ・小田中直樹『世界史の教室から』山川出版社、2007
 ・桃木致郎『わかる歴史面白い歴史役に立つ歴史』大阪大学出版会、2009

第2章

 ・平成11年版学習指導要領解説
 ・平成21年版学習指導要領解説
 ・中央教育審議会答申(平成20年版)
 ・OECD DeSeCoのキーコンピテンシー

第3章

 ・石井寛治「戦後歴史学と世界史」歴史学研究会編『戦後歴史学』青木書店、2000
 ・遠山茂樹『戦後の歴史学と歴史意識』岩波書店、1968
 ・成瀬治『世界史の意識と理論』岩波書店、1977
 ・大田秀通『世界史認識の思想と方法』青木書店、1978
 ・永原慶二『歴史学序説』東京大学出版会、1978
 ・吉田悟郎『世界史の方法』青木書店、1982

第4章

(略)

第5章

 ・和田光弘『タバコが語る世界史』山川世界史リブレット、2004
 ・J・グッドマン『タバコの世界史』平凡社、1996
 ・上野堅實『タバコの歴史』大修館書店、1998
 ・宇賀田為吉『タバコの歴史』岩波新書、1973
 ・川床邦夫『中国たばこの世界』東方選書、1999
 ・和田光弘『紫煙と帝国』名古屋大学出版会、2000

第6章

(略)