プリズムリコレクション(体験版)の感想・レビュー

プリズムリコレクションは再開発都市における観光産業活性化のはなし。
本格的な観光業というよりかは、高校生の部活動としてお遊び的感覚に近いキャラゲー
学園モノに良くある「何でも手伝います」的な感じ。
仲間同士の身内ネタで終わらないことを願いたいものです。
気に入ったキャラはサブキャラの学園長と教員。

キャラの特性とシナリオに関する雑感

観光案内娘:連城紗耶香

物語の冒頭のパターンとしては「故郷への帰還」が用いられています。今まで外部の首都圏に出ていた男が地元に戻ってきてボーイミーツガールという展開です。ここでの「故郷」はかつて経営破綻し再開発を受け入れた結果、近未来的な都市として形成されています。よって「故郷への帰還」といっても「漠然としたノスタルジック」を感じさせる「田舎」そのものではありません。ですがここで、かつての「郷愁」と「都市の再開発問題としての在り方」がヒロインの個別ルートのテーマのモチーフとされそうな伏線が張られます。それが、観光案内ボランティアを立ち上げた突っ走り系娘:連城紗耶香シナリオです。彼女の行動原理は「心の交流」を得たいことでした。彼女は観光案内も写真撮影も、地域住民の「心の交流」の手段であり、それが地域活性化に繋がると信仰しています。そんな連城紗耶香に連れられてきたのは昔を偲ぶ神社でした。高校地理の都市・居住問題で教えますが、都市の再開発にはクリアランス型というものがあります。パリ郊外のラ・デファンス地区に代表されるタイプですが、既存の建物を一掃し、高層オフィスビルや高級アパート、ショッピングセンターを建設して活性化を図るものです。このクリアランス型に当てはまるのが、このプリズムリコレクションにおける都市開発なわけですね。そんなわけで、連城紗耶香が大切にしている「郷愁」を感じさせる神社仏閣などは壊されてしまうと心情を吐露されるのです。故に、連城紗耶香シナリオは「都市の再開発」が個別ルートで扱われるのではないかと推察されるわけです。シナリオの展開ですが、結局のところ、同じ再開発でも伝統的な建物を修復・保全することによって古くからの景観を行かして活性化させるシテ島近くのマレ地区のような例に落ち着くのではないかと勝手に予想してます。


ブラコン妹:久我山このか

ブラコン妹ルートはおそらく両親とのわだかまりがテーマになりそうな気がします。主人公くんの両親は研究職で家庭を省みず、研究に没頭しています。主人公くんと母親とのつながりは電話連絡など残っていますが、父親との関係にギクシャクしたところがうかがわれます。父親との暮らしに失敗したことや、妹を世話役に預けて放任しているところなどから考えられるわけですね。実妹っぽいのですが、「関係性変化に焦点を当てた近親相姦の葛藤」などは扱われる見込みは少なさそうです。散々やりつくしたテーマですし、婚姻関係を結べないだけですからね。扶養手当とか社会保障の問題もありますが、現代社会においては、家庭に入り家族になるという考え方は廃れつつあるのかもしれません(だからこそ逆に2000年代の作品はそれをテーマとしていましたが)。ゆえに、このかルートのシナリオの機軸は「両親と主人公くんの関係性変化」に「妹と肉体関係を結ぶこと」についての是非が描かれるのではないかと勝手に予想してます。どうっすっかね?ライターさん。「『暗夜航路』してたら『和解』しちゃった」的な展開もありえそう。

お嬢様メイド:初咲雛乃

体験版ではあまりクローズアップされませんでした。まず雛乃から。彼女はプチブル出身なのですが、その思想を学園長によって転向中!って書くと語弊がありそうです。「メイドとして働くことによって下層階級の気持ちも理解しようね」ということでメイド服を着せられて雑用に励んでいます。電子機器関係を使用することに長けているようですが、あくまでも「使用」のみで機械の構造や組み立てができず、それができる主人公くんに好意めいた感情を抱き始めるという展開です。雛乃が電子機器にこだわりがあるのは、自分の家が時流に乗って栄えた情報技術産業であることから、お家騒動の方にもシナリオは転がりそうですね。そして主人公くんの妹であるブラコン娘に複雑な感情を抱いていることも加えて、この2点がシナリオを動かす力となりそうですね。

日本大好き留学生:アイナ

最後に日本大好き留学生であるアイナ。日本の近代文学のはなしの時に我らが「誇る文豪田山花袋」を召還し『蒲団』をくんかくんかとか言い出したときにはライターさんグッジョブとか思った。『少女病』とか『田舎教師』も破壊力抜群。閑話休題。このアイナというキャラは「自分が親友であると思っている女友達から、護衛役という立場上距離をとられている」という状況です。この状況を何とかするのが、メインテーマとなるのではないかと。あとアイナが主人公くんの妹に対して、自分の華道を披露することによって、気持ちを汲んであげるところは体験版の中でも印象的でした。特にこの描写の一枚絵は華道やってる人にとってはどうなの?前衛的な感じ。