発売日に買ったのに即座にクリアできなかったので、チョコチョコとやってた。
内容としては近未来における閉じられた地下コロニーの中でのおはなし。
福祉国家と新自由主義国家が対決する擬似的縮小国家論バトルも繰り広げられる。
フェイクアズールアーコロジーやリバースコロニー、火の鳥未来編と同じような境遇。
一番面白いのは体験版まで。『暁の護衛』と同様に個別に入ってからの失速っぷりが酷い。
そして全ヒロイン攻略後に現れる「別視点シナリオ」で壮大に「あのね商法」。
- 概要
- 主人公くんはかつて国家一種を目指して優秀な成績であった。しかし、姉が国家一種のダンナと結婚して築いた家庭が傷害事件にまで発展して崩壊。それを契機に国家一種を目指すことを挫折してしまう。その後、私立の非常勤で社会科教師の職にありつくが、夢は捨てきれずくすぶっていた。挫折系主人公が努力する話はいい話や。主人公くんは普段は昼行灯を装っているが、仕事になると切れ者ぶりを発揮する。
- 物語の舞台には二つの近未来コロニー国家が登場。一つは住民の社会保障に力を入れる主人公くんたちの福祉国家コロニーであり、もう一つは資本家の利潤追求を第一義とする新自由主義経済を指向するコロニー。二つのコロニーには通商の規制があったが、それが自由化されることによって、福祉国家コロニーが新自由主義コロニーに食い潰されようとしていく。どうする主人公くん!?というノリ。
- 凛・希望・アクセラ
- 島津秋√
- 主人公くんと冷え切った関係の義妹。不治の病。主人公くんの過去話を視聴者に提示するために用意されたキャラ。主人公くんの家庭は両親がおらず姉が一家を支えていた。そんな姉はココロの拠り所を求めており、国家一種のエリートと結婚する。その嫁ぎ先にいたのが秋であり、主人公くんの義妹となった。引っ込み思案でオドオドしていた秋だったが、主人公くんに次第に惹かれていきベタ惚れ。だが姉の結婚生活はうまくいかなかった。ダンナは普段はとても温厚な人間であったが酒が入ると家庭内暴力をふるうようになっていく。仕事がうまくいかず酒を飲んで家庭内暴力をふるい、不倫をする始末。ここで事件が起こり姉夫婦は死亡。家庭内暴力から救われた主人公くんと秋だったが、秋は事故を自分のせいだと思い込むようになる。主人公くんはそんな秋を精一杯ケアするが、秋は自殺を図るのだった。信頼や愛情では秋の命をつなぎ止められないと悟った主人公くんは、秋に主人公くんを恨むよう憎しみの感情を植え付けさせる。『刻の大地』の「剣と言葉と」のような感じ。秋√ではこの過去を思い出した秋が、再び主人公くんと仲良くなる。その仲良しっぷりは秋がヤンデレと化すくらいデレデレ。そして最後は不治の病が発動。しかしここでご都合主義が展開され、コールドスリープをして未来で治療法を待つことになった秋とともに主人公くんも一緒にコールドスリープ。未来でも一緒なら生きていけるよとハッピーエンド。
- キズナ√
- キズナは地上時代の生き残り少女でコールドスリープしていた。この少女と地上世界を目指すのがシナリオの目的。伏線と舞台設定を回収しているだけの感じが強い。主人公くんたちが属するコロニーは福祉国家体制をとっていたが福祉国家というのはカネがかかる。社会保障費がふくれあがり、国家財政が増し、税金が高くなる。そうすれば民の不満度は上がるわけで、治安が乱れる。そんな福祉国家を滞りなく運営していられるのならばどこかに財源があるに違いない。それが太陽光発電。コロニーのリーダーのみが地上世界について知っており、そこで得た電力を財源にしていたのだ。国家の特権階級が愚民政策を行い民衆をコントロールして恩恵的な庇護を与えるという構図になっていたわけ。で、キズナは地上世界が見てみたいということで、既得権益の保持に走るコロニーの代表をつつきあげて地上へと昇り、封鎖されていた扉を開ける。ここで主人公くんの両親も地上へ飛び出ていたことが判明する。一体地上はどのようになっているのか!?というところでエンド。なんというあのね商法!!
- レミニセンス(全ヒロイン攻略後恭一視点でプレイできる)