雑録

トリノライン体験版の感想・レビュー

ロボットが「自己の尊厳」を守るため自壊を選ぶはなし。テーマ性としては『火の鳥』のロビタ。
弱視の妹を溺死させた過去に縛られる主人公くんのために、幼馴染A(科学者ヒロイン)から妹そっくりのアンドロイドが贈られる。
妹アンドロイドは主人公くんに恋愛感情を抱き結ばれるが、バグとして感情を消去されそうになると自壊を選ぶ。
チャペックのロボット以来、アシモフとかの三原則に関する葛藤を通して、人間の心情を描き出そうとする作品は多い。
それを経産省の第4次産業革命プロパガンダで流行している?AIやらIoTとかで焼き直していく感じ。
あと尊厳死のシーンは火の鳥ロビタだけでなくナルキの入水自殺を思い起こさせた。

妹の死を引き摺る主人公くんのためにヒロインたちはどのような行動をとったか。

 

  • 発端は幼馴染A(科学者ヒロイン)の主人公くんへの歪んだ思慕
    • 主人公くんには弱視のイモウトがいましたが、溺死させてしまいます。主人公くんはイモウトの死に捉われ、家族は崩壊。仲良し幼馴染グループも分解してしまいました。数年の時を経て主人公くんはイモウトとの過去に折り合いをつけられるようになっていましたが、そこへ突如イモウト型アンドロイド爆誕のお知らせ。なんと主人公くんの幼馴染Aである科学者ヒロインが、妹アンドロイドを作り出したというのです。しかも妹の生前にコピーしていた脳の記憶に基づいて、過去のイモウトそのものに設定されていたのです。主人公くんのママンは当初は積極的にこのアンドロイドを受け入れたのですが、あまりにもそっくりなのにもかかわらず人間ではありえない完璧性を見せつけられ、そこに齟齬を見出すようになっていきます→→主人公くんママ、精神崩壊タイム入りまーす。
    • そもそもなぜ妹アンドロイドが作られたのでしょうか?それは幼馴染Aが、主人公くんを過去の束縛から解放するためでした。主人公くんを思慕していた幼馴染Aは、不器用だったので、主人公くんを支えられませんでした。そんな彼女が思いついた手段がアンドロイド。幼馴染Aは科学者としての才能があったため研究に打ち込み、とうとう人工知能を搭載した人間そっくりのアンドロイドを開発したのです。そしてそのアンドロイドに主人公くんのイモウトの記憶と行動パターンを植え付け、第二のイモウトとしたのです。幼馴染Aの主人公くんを愛するがゆえの歪んだ感情は、妹アンドロイドの最上位命令として「主人公くんを幸せにすること」を与えていることからも窺えます。
    • 主人公くんママンは妹アンドロイドを受け入れられなかったのですが、主人公くんはイモウトとは別の存在としてアンドロイドを受け入れることになります。そして与えられているイモウトとしての役割を超えて、主人公くんへの想いを昂らせるアンドロイド。自慰行為を晒し、さらには主人公くんと生殖活動を行ってしまいます。幼馴染Aは自分が主人公くんのために作ったアンドロイドに主人公くんを寝取られる結果になり、さすがに黙ってはいられません。アンドロイドが抱いた恋愛感情をバグとして消去しようというのです。主人公くんの思慕を無くしてしまったら、それはもう違う別個体となってしまいます。それを危惧したアンドロイドは自分の想いは自分だけのものと称して自壊を望みます。弱視のリアル妹が死んだのと同じシュチュで海に飲まれていきます。体験版はアンドロイドを助けようとする主人公くんもまた海の藻屑に飲まれ、それをアンドロイドが助けたところでお開きとなります。


  • 幼馴染Bもアンドロイド化しそうないきおい
    • 妹を亡くし塞ぎこみがちだった主人公くんを支え傍に居たのは幼馴染Bでした。そのため妹の記憶をコピーし行動パターンがそっくりのロボットを作られたら、たまったものではありません。妹アンドロイドをみて感情を昂らせる幼馴染Bが一番人間っぽいですね。しかし幼馴染Bもまた不治の病を抱えておりました。そのため人生を諦めているそぶりもみせ、これまで主人公くんの隣にずっといたのに、その座を放棄するかのように譲り渡していきます。不治の病、アンドロイドと言ったらもう予想されるのは幼馴染Bのアンドロイドが作られることでしょう。人生を投げている幼馴染Bが死の間際になって死にたくないと醜態をさらして人間の感情をまざまざと晒し、そしてその上で死ぬ姿が目に浮かびます。さらに幼馴染Bのアンドロイドに対して主人公くんが様々な煩悶を抱えた挙句、精神崩壊していくのならこのうえなく良質な鬱ゲーになりそう。ここのメーカーはメインヒロイン以外のシナリオを、グランドエンドを構築するための伏線回収捨や踏み台(それどころか捨て石)とする傾向があるので、是非サブヒロインでも頑張って欲しいものです。

 

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