サキガケ⇔ジェネレーション(体験版)の感想・レビュー

ネトゲやモンハンなどのゲームをプレイする剣と魔法モノ。
可愛い攻略ヒロインとゲームを行うだけのキャラゲーではなく二段構えになっています。
現実の中でも魔法を使う勢力が存在し、主人公くんはその攻防に関わっていくことに。
浅野りんが書いてた京洛れぎおんに近しい感じ。
またはハンター×ハンターのグリードアイランドか。

体験版概要

  • ネトゲあるある体験録
    • 主人公くんはゲームが好きな善良なるシスコンお兄ちゃん。ある日、田舎特有の大型ショッピングモールにありがちな店内カフェにおいてゲームに興じていたところ、協力プレイを申し込まれ難易度の高いクエストをクリアすることに成功します。正体が分からず解散となるのですが、それが転校生としてやってくるというのもある意味お約束な展開。転校生は主人公くんたちゲームサークルの人間に接触をし、開発中のゲームの試験プレイヤーになって欲しいと提案してきます。ここまでは普通のネトゲ体験録みたいな感じで、あるあるネタを楽しみながら読み進めることになります。ただゲームの攻略を目指すというだけでも、キャラゲーとして成り立ちそうですが、ここは二段構えとなっています。なんと主人公くんたちのリアル世界でも魔法が存在しており、様々な勢力が暗躍していたことが判明します。主人公くんはこの勢力争いにどのようにして関与していくのでしょうか?

  • リアル世界における魔術
    • 主人公くんたちがプレイすることになるオンラインゲームは、現代の技術では再現できないものでした。それもそのはず、このゲームは魔法によって作られたものだったからなのです。このゲームをめぐる攻防は主に3つの勢力に分類できます。(1)ゲーム制作者サイドの転校生ヒロイン杏音グループ、(2)学園関係者でリアル魔法少女の友梨亜グループ、(3)主人公くんたち一般人グループの3種類。一般人グループに属する主人公くんの妹;璃々子は実は膨大な魔力を所有する潜在的な魔女であることが判明し、この璃々子を巡って杏音と友梨亜が接触してくるのです。ちなみに璃々子は重度の中2病徒。ご多分に漏れず『中二病でも恋したい』が流行ったので生み出された量産系ヒロインのうちの一人ですが、潜在的魔力保持者であるが故に中二病的活動をしてしまうとホントウに実現しそうになってリアル魔法使いたちが困るという展開になっています。


  • ゲームに対する偏見
    • 主人公くんたち一般人サイドでテーマとなるのが「ゲームに対する偏見」です。一般人ヒロインとしてお隣幼なじみお姉ちゃんのなつめと主人公くんに好感度MAXなツンデレ委員長;桜花がそのテーマの対象です。
    • まずはなつめさんから。
      • なつめは重度のゲーマーなのですが隠れオタを貫いています。なぜなら家庭の教育方針がゲームを固く禁じているから。ネカフェ通いをしてはネトゲに興じる生活を送っているのですが、品行方正でいないと両親に怪しまれるので全力で成績を維持しています。ゲームをやるために親の目を盗むため勉強の成績を上げる涙ぐましいなつめさん。曰く「遊ぶ時間を作るために、誰よりも必死に勉強する」。時間が無くてもゲームを楽しむために効率化に走るなつめお姉ちゃんが余裕を失っている危うさが攻略ポイントになりそうです。ゲームがくだらないと断じる親とどのように関係性変化をさせるのかも楽しみです。
    • 続いて桜花さん。
      • 桜花さんは自分自身がゲームに対する偏見を抱いています。ゲームをすると馬鹿になると信じており、主人公くんがゲームをやることを快く思っていません。ですが転校生ヒロインの杏音に主人公くんへの好意を見抜かれ、半ば無理矢理やらされたゲームではあら不思議。あっという間に転向し、ゲームのことを考える時間が増えていきます。桜花だけではないですがゲームってやっぱりプレイしている時よりも、ゲームの攻略について考えている時間の方が楽しいんですよねー。キャラの育成方針をどうしようかとか、ボスの攻略方法とか、攻略本や資料本を読んでいる時とか。そんなわけで携帯ゲーム機を持ってニヨニヨしている所を母親に見られてしまう桜花さん。桜花ママは感動します。なぜゲームでママは感動するのでしょうか?桜花さんがゲームを嫌う背景が語られます。桜花パパはヘビーなゲーマーで、桜花ママからも理解を得て、どっぷりとゲーム漬けでした。そんなパパは家庭人としては最低で、家族を顧みずゲームに金をつぎ込み、そして蒸発してしまったのです。母子家庭となって経済的に困窮したママは桜花をつれて実家に戻り、コンビニバイトで生計を立てる日々。そんなわけで桜花はゲームを毛嫌いしていることのだと判明します。桜花はゲームを肯定することでパパと和解することがこのヒロインの個別√の目的となりそうです。