RIDDLE_JOKER_体験版の感想・レビュー

学園異能スパイ活劇。超能力開発学園に潜伏して異能事件を解決していく話。
体験版では学園に潜入した所から異能保持者の失踪事件の発生までをプレイできます。
ゆずソフトさまの製品販売ルーティン傾向ではエグゼやドラクリオット等と同じ作風かと思われます。
またメインヒロインが二面性を持ち素の面を主人公くんにのみ晒すことで魅力を引き出すのも近年の特徴かと。
キャラゲーでも充分ですが、異能活劇ではやはりどんな事件が発生しどのように解決するかが勝負な所もあります。
異能が設定倒れになるのではなく、ぜひキャラの掘り下げとその独自性を生かした問題の解決を期待したいですね。
あと今回の立ち絵表情パターンでは憂いがちな伏し目がとてもグッとくるので一見の価値ありです。

共通√の概要

  • 導入:超能力開発学園に潜入せよ!「認識阻害で偽札事件!」
    • 主人公くんは異能力保持者で秘密の国家機関に所属し秘密裏に超能力事件を解決するエージェント(肉体派)。知能担当の腐女子の義妹とバディを組んで異能事件に立ち向かいます。ゲームスタートと共に異能を悪用した原付窃盗事件を解決することで、異能がはびこる世界観と主人公くんの人物像を紹介しています。そして原付窃盗事件の犯人たちがただの紙切れを万券と認識していたことから偽札事件の調査を行うことになるのです。主人公くんと義妹に課せられた使命は異能力開発学園に潜入して、認識阻害を行った偽札事件の犯人を特定すること。また、作戦部のリーダーである主人公くんの養父は、主人公くんと義妹に充実した学園生活を送らせたいという親心もあって、学園行きを命じたのでした。偽札事件そのものはあっという間に片付くことになりますが、この過程を通して攻略ヒロインズとのボーイミーツガールイベントが発生していきます。余談ですが偽札事件は、ビビりやの少年がカツアゲから逃れるために行った一過性のものであり計画的な犯罪ではなかったことから、主人公くんが抑止力を効かせて自省を促す程度の解決となります。

  • 展開(1)「メインヒロインの二面性」
    • さて、攻略ヒロインズ。メインヒロインは近年のゆずソフトさんの特徴である「二面性や秘密を持つメインヒロインが主人公くんにだけ本性を晒すことができることにより精神的な紐帯を結んでいく」という技巧が使用されています。では、メインヒロインが抱える秘密とはどんな内容なのでしょうか?→はい、「偽乳」特戦隊でした。メインヒロインは貧乳であることを気にしすぎるあまり、パッドを入れて乳を盛っていたのです。メインヒロインが誘拐されそうになった時、そこを救った主人公くんは、偶然によりメインヒロインの貧乳がまろびでる所を見てしまったのでした。よもや自分の組織のことを暴露できない主人公くんは、特命を受けて用心棒をしているとの嘘をつきつつ、貧乳の件を交換材料に口止めをし、学園にとどまることに成功します。主人公くんに自分の偽乳がバレたメインヒロインは猫かぶりをやめて主人公くんにだけは、かなり醜い素の自分を晒してくれるようになります。ぜひメインヒロインのギャップ的な可愛さをお楽しみください。

  • 展開(2)孤児院時代の黒歴史を知るBBA系二留先輩
    • そして、その他の攻略ヒロインズ。彼女らは全員主人公くんと過去に繋がるのある人物たちでした。人見知りで腐女子でバディの義妹(七海)にはもとより、くっころ姫騎士系武士っ子(羽月)とBBAであることを気にする二留の先輩(茉優)もワケアリだったのです。まずハタチ女子高生である二留先輩ですが、同じ孤児院にぶち込まれていたという過去がありました。当時主人公くんは異能保持者であることから周囲から忌避されていたのですが、その反動もあってか暴力沙汰の事件を起こしまくっていたのです。異能保持者であることが社会から排斥を受けてしまう、そのことを主人公くんの様子を見て悟った茉優先輩は自分が異能保持者であることをひた隠しにしてしまいます。このことをずっと後ろめたく思っていた先輩は主人公くんと再会すると、過去について謝罪した上で、主人公くんを甘やかしたいと申し出るのでした。ヨシヨシ系担当です。ヨシヨシされましょう。

  • 展開(3)くっころ姫騎士系武士っ子
    • 最後にくっころ姫騎士系武士っ子の羽月さん。実は耳年までムッツリで生殖に興味津々な羽月さんでしたが、彼女の行動原理の礎を築いたのは主人公くんであるというオチ。孤児院にいた頃の思春期の主人公くんはアイデンティティクライシスにあい、暴力でしか自己を表現できませんでした。そのため不良たちに喧嘩を吹っかけていたのですが、偶然不良たちが異能力保持者の女の子に絡んでいるところを助けたことがありました。その事件を契機に主人公くんは養父に気に入られ、あたたかな愛情をもって受け入れられるのですが、その時に助けた少女が羽月だったのです。羽月は羽月でこの事件をきっかけに自分の異能を世のため人のために活かしたいとの信念を抱くようになったというわけさ。主人公くんは羽月の過去話を聞いて、それは自分だとピンとくるとともに、黒歴史時代の自分が羽月さんに影響を与えていたことにゾッとするのでした。
    • ゆずソフトさんの作品ではサブキャラたちも攻略できることで有名ですが、フローチャート的に今回は義妹の友人を攻略できるみたいです。ドラクリオットで一番可愛かったのが、男装していた友人枠の二コラくんだったので、今回も友達ポジの男の娘っぽいキャラが実は本当に女性で攻略できるという可能性もなきにしもあらず。

  • 終結:製品版への新たな問題の提示「異能者失踪事件を調査せよ」
    • 導入部の偽札事件をサクッと解決したため学園に潜入する必要性は終わったと思われた主人公くんたち。しかし学園にはあまねく異能保持者のデータベースがあり、主人公くんと義妹はそれに不正アクセスして、養父の組織の手助けを行っていくことになります。また、主人公くんがメインヒロインの偽乳を知ることになった襲撃事件が、実は異能者の謎の失踪事件に繋がっていることが提示されます。こうして主人公くんは偽乳メインヒロインを護るために学園に潜入しているんだ!という嘘を取り繕うためもあって、この失踪事件に取り組んでいくことになります。ぜひシナリオにはヒロインたちが自己の所持する能力を活かせるような展開を描いて欲しいところ。どうなるRIDDLE JOLER!?製品版は血沸き肉躍るようなワクワクした話だといいな!