雑録

Clover Day's「加賀美姉妹」シナリオの感想・レビュー

Clover Day'sの加賀美姉妹シナリオは「3P双子丼の肯定」。
鷹倉姉妹編であれだけ一人を選び抜く葛藤を描いたのに!!
一卵性双生児の双子は二人で一人で三人で愛し合うとはこれ如何に。
白詰草をモチーフにしてクローバーは3枚で一つなのだとハッピーエンド。
あっさりと3P双子丼を肯定しました。

加賀美姉妹のキャラクター表現とフラグ生成過程

  • 加賀美ヘキルの感情の獲得
    • 加賀美ヘキルは双子の姉で天才芸術家。この業界にありがちな天才芸術家といえば天然で世間の価値観とは一線を画するという設定です。ヘキルは幼少の頃、その才能と引き換えに人間の感情というものをよく理解できない少女でした。友人も少なく双子のヒカルと寄り添う日々。そんなヘキルに対して、優しく接し心を育んでいくのが我らが主人公くんです。主人公くんは自分のイマジナリィフレンドを恥じていたのですが、それを笑わずに受け入れてくれたヘキルに受容された気がしたのです。こうしてお互いに心を交わした二人は深い友情で結ばれるようになったのです。ですが加賀美姉妹のダディは流浪の民、絵のモチーフを探しにあっちこっちへ転勤します。その別離の際、お別れパーティーで涙を見せる親友達にヘキルはどうしてみんなが泣いているのか分からないと言い放ってしまいます。これにより親友グループの仲が崩壊するきっかけになるのですが、知らないうちにヘキルの顔にも涙が流れていました。その感情を理解していないだけで、心は自然と泣いていたのです。こうしてヘキルは悲しいという感情をりかいしたのです。ヘキルにとって感情を育んでくれるのが主人公くん!というわけで好感度MAX状態となるのでした。


  • 加賀美ヘキルと感情の発露
    • ヘキルは10年後の再会で主人公くんに好感度MAX状態で接してしまいます。文通で友好は続いていたものの、ヘキルの攻勢に驚きを隠せません。と、いうことでヘキルのことをもっと知ろうと美術部に入部し、二人の時間を重ねていきます。美術を通して、ヘキルのことを知ろうという表現はなかなか良いモノがありますね。最初は鉛筆と仲良くなることから初めて、モチーフ選びのやりとりや主人公くんの書いた絵画を見てヘキルが改めて主人公くんのことを想っていくシーンはステキです。ヘキルはただ考えなしに主人公くんに迫っていたのではないことがこの交流により明らかになり、主人公くんもヘキルを受け入れる覚悟をしたのでした。これまで感情を投げつけるだけだったヘキルが主人公くんに想いを受け入れられてからは本当にその想いを確信し、恥じらうようになってしまう姿にはぐっときたね。こうして二人は結ばれ、フラグが構築されます。

小さい頃から絵を描いていたけど、その頃のワタシはただ描いてただけだったの。目に見えるものを写真みたいに、書き写してただけ。お父さんに教わった通りに手を動かしていただけ。たくさんの人がワタシの絵を褒めてくれたけど。褒めてくれたのは悪い気はしなかったけど。ワタシはそれと同じだけ、誰も分かってくれていないって思ってた。ワタシは本当の意味では絵が描けてないって。ワタシが描いているのは、ただの絵って。そこには何もないって。なにか違うって思ってた。けど誰も教えてくれない。誰も分かってくれない。けどワタシはアナタに出会ったの。ワタシとは違う妖精の見える男の子。ワタシの初めての友達になってくれた男の子。ユウにであって嬉しいって気持ちが分かった。ユウと過ごして自分の心もユウと同じように動くんだって分かった。ユウがいっぱい見せてくれたの。嬉しいこと。楽しいこと。悲しいこと。悔しいこと。宝石箱より綺麗だった。この男の子とずっと一緒にいたいと思った。孤独感を感じたワタシを照らしてくれた、もうひとつの……光……


  • 加賀美ヒカルの劣等感と自己肯定
    • 加賀美ヒカルは劣等感に満ちあふれた少女。普段は男性的な言い回しで話し、斜に構えて物事に拘らない断捨離ズムを貫いていますが、それは彼女の裏返しであるのでした。ヒカルは幼少の頃から父親に双子の姉の美術の才能と比較されて育ってきました。父親からの辛辣な言葉により劣等感を植え付けられた幼少期のヒカルを救ってくれたのは主人公くんの存在であり、自分を受け入れてくれて、肯定してくれたことはヒカルの生きるよすがとなったのです。時は流れ、ヒカルは自分にない才能を持つ姉のヘキルを支えることを人生の喜びとして生きてきました。ヘキルが主人公くんと結ばれるようにアドバイスをし、色々と良くしてくれます。しかしながらヒカルも主人公くんを諦め切れていなかったのです。ヘキルのフリをして入れ替わり性行為をねだるヒカル。そんなヒカルにヘキルは言います。ヘキルは姉として、美術への取り組みや主人公くんとの触れあいのお手本をしていたのだと。一緒にさんぴーしようではないかというのです。ヒカルとヘキルにとってお互いの存在は無くせないものなのでした。このため主人公くんは二人をそのまま受け入れる覚悟を見せます。重婚はできなけど内縁の妻なら日本でも認められているの。こうして三人の関係は白詰草三つ葉のクローバーに例えられ、3枚の葉で三位一体説とハッピーエンドを迎えます。

ユウ……ボクにとっても、ね…?キミは…光だったんだよ…。ヘキルとボクは双子として生まれて…。だけど加賀見合わせだった。ヘキルが持っている才能をボクはもっていなかった。だからボクはヘキルと違って父親には認めてもらえなかった。芸術家の父親は本物の才能のひらめきにしか愛情を注がない人だったから。絵を描くのが好きだっただけのボクじゃあの人にとって何の価値もなくて。ボクはたくさん怒られてどうでもいい子みたいに扱われて。ボクにはヘキルしかいなかった。一方は才能がありすぎて、一方は才能がなさ過ぎて、鏡あわせのボクたちは二人でいるしかなかった。二人だけだった。……そんな時にボク達姉妹はキミに出会った。優しくしてくれた。励ましてくれた。一緒に過ごしてくれた。ボク達は同じようにキミを好きになった。父親のせいで、その頃はもう男が怖くなっていたのに。キミだけは違っていて、だから、ずっと一緒にいたかった。大人になっても……たとえ一時離ればなれになってもキミは応えてくれた。