『天秤のLa DEA。 〜戦女神MEMORIA〜』とりあえず1周目クリアの感想・レビュー

戦乙女(ヴァルキリー?)の壮大なる自己満足に付き合ってあげるというRPG
戦わずして封印されてしまった戦乙女の憤懣を解消してあげましょう。
命を賭してでも力を手にしたい敵キャラたちを神殺しのセリカさんを使って薙ぎ払え!
ただ殴ってりゃいいだけのゲームとは違い、謎解きが結構頭を使います。ボケ防止に最適。
しかし戦闘面は難度を「普通」にするとセリカの開幕全体攻撃で瞬殺できてしまうわな。

1周目の主なシナリオ

  • 戦乙女の未練を晴らせ編
    • ラスボスは戦乙女のシュヴェルトライテさん。北欧神話とかで有名な戦士の魂をヴァルハラに導くという例のアレです。ですがこの戦乙女さんは戦争の際にあっけなく「ついでとして」封印されてしまいました。作中では「戦乙女が歯牙にもかけられなかった屈辱。戦士の誇りを奪われた。戦いの中で死ねたなら、まだこの身を焦がすような憤懣など感じなかったものを!」と表現されています。つまり、この戦乙女さんは強い敵と戦って死ぬことを切望していたのです。そんな戦乙女さんの自己満足のために、壮大な勢力争いが繰り広げられていくわけになります。戦乙女さんの封印を解くために必要なのが、結界の許容量を超える戦士達の魂を集めること。そのため、命を賭してでも強くなりたいと固執する屈強な戦士達を呼び寄せ、それを主人公のセリカさんたちに倒させることで封印を解かせるという寸法です。最後は復活した戦乙女さんと主人公くんたち一派で死闘が繰り広げられるのですが、屈強な戦士達を倒しまくっていたセリカさんの前には5ターンぐらいで敗れ去ってしまうのです。こうして「戦って自分の誇りを示したい」という戦乙女さんの未練を見事晴らしてあげたのでした。

  • 騎士団内紛編
    • 作中で面白かったのは主人公くんと協力関係にあった騎士団の内部不満が爆発して内紛が起こった展開。セリカさんに惚れる女騎士団長のレヴィアさん(攻略ヒロイン)が凌辱された時には好感度が足らなかったからか!?と思わず驚愕した。女騎士団長の生存理由は主人公のセリカさんに認めて貰うこと。そのため騎士団を鍛え上げ、セリカさんに力を示そうとするのですが、足下をすくわれます。レヴィアさんに団長の座をかっ攫われた貴族派によってクーデターを起こされてしまうのです。哀れ騎士団は壊滅状態に陥り、レヴィアは穢されてしまうのです。このままレヴィア攻略失敗かよ〜とか思いながら先に進めていると、まるまる1章分使ってレヴィア復活イベントが発生。何のために戦うのか?というセリカさんの根源的な問いに対してレヴィアさんが戦いの中で答えを見つけるという流れです。セリカさんたちが廃坑探索に向かう中、街が地虫によって襲撃を受け、住民達の救出活動をしていくうちに、ノビレスオブリージュの精神に目覚めるのです。社会的立場にあり能力があるものは、その責任を果たさねばならない、その結果得られる物がなかったとしても!と覚醒します。このイベントはセリカさんがいなくて雑魚キャラを潰すのがしんどかった。

  • 奴隷解放・それでも生きていけ編
    • 物語の中で何回も出てくるのが、生きる事への執着。敵キャラにおいては命を賭してで果たしたい目的のために、逆に手段が目的化してしまう人たちばかり。それと対比させて無様でも生き抜きたいとするセリカさんが描かれていくわけです。そんなセリカさんだからこそ、次々と生存理由を肯定し、精神崩壊しかけた人々を救っていきます。死にたくないから生きている?生きる理由なんてそんなもんで十分だ!!と次々と一刀両断していきます。山賊に凌辱され生きる希望を失ったアリシアさんを更正させたり、奴隷少女のサリアを身請けして「自分に出来ること」を増やさせて自己肯定感をつけさせたりと大活躍。人間を劣等視するよう洗脳されたメティが人間にもいいやつがいるじゃん?と論理崩壊しかけた所を救うところはなぜだか分からんがグッときたね。戦った敵の桎梏を解放して仲間にしていくというのはあくまでも少年漫画のお約束的なパターンですが、パーティー編成に加えることができるのはいいものですね。