レーシャル・マージ 共通√〜頑張れ残念貴族☆ロア=ケルピーくん〜の感想・レビュー

レーシャル・マージはファンタジー学園の皮を被せて階級・身分・差別を扱った作品。
それでも余り暗くなりすぎないように性善説でご都合主義展開になるのですが・・・
貴族のキノコ頭ことロア=ケルピーが因習的な既存の社会通念を改めていく所が良い。
個人の能力の優劣如何ではなく社会のシステムに従っているだけなんだ!!
共通√はロア=ケルピーが改心するところまでが描かれていきます。

頑張れ残念貴族☆ロア=ケルピーくん!の巻き


  • 班活動剣術試合編
    • ロア=ケルピーは上級貴族ケルピー家の三男坊。能力的に本家から見放されてしまったある意味可哀想なキャラです。当初は主人公に突っかかり貴族としていびってくるのですが、次第に主人公に感化されるという役割を担っています。教員や事情通の人々からは残念坊ちゃんとして見られて居ますが、本人が自負するとおり、幼少期から訓練を受けています。それなりに基礎スペックは高いことが描かれつつ主人公の引き立て役として扱われていきます。班活動剣術試合編でもケルピーは何だかんだ言っても平民を指導したり、女教師を相手に服を剥こうと奮戦したりします。ですが引き立て役に終わってしまうので、最終的には貴族であるケルピーくんが平民である主人公に対して強烈なコンプレックスを抱くようになるわけです。今まで平民を見下し優越感を持つことで保っていた自我の均衡が打ち壊されます。こうして何とかして主人公をギャフンと言わせようと画策していきます。


  • 魔法生物売却編
    • 主人公くんに一泡吹かせるために唸るケルピーくんの前に剣術大会のお知らせ。いきさつは以下の通り。メインヒロインの盲目少女メリルの祖父母が病気になり治療費が必要になったゾ→メリルは自分の目の代わりである魔法生物を売り払って治療費に当てようとしていた→お金が必要→剣術大会での優勝賞金+自分たちに掛け金かければいんじゃね?→主人公くん大会出場!という流れ。ちなみにケルピーくんは治療費問題のことを知りません。哀れ蚊帳の外。それでもケルピーくんは傭兵と共に剣術大会に出場し、決勝戦で主人公の前に立ちはだかります。普通にやれば結構強いケルピーくんなのですが、主人公に対抗しようという意識が強すぎて突撃しかしてきません。ケルピーくんはここでも主人公に良いようにあしらわれてしまうのでした。


  • 盲目少女治療編
    • 主人公の弱点を暴くためにチンピラと接触するケルピーくん。しかしそんなケルピーくんを改心させるイベントがやって参りました。それが盲目少女治療編です。トートツに盲目少女メリルは呪いのせいで目が見えないのだということが判明します。そのため「解呪」を行えば元通り目が見えるようになるのです。ご都合展開なのですが、奴隷として扱われている民族「滅びの民」の少女が魔石を所有しており、それに加えてケルピー家の所領にある禁足地に生えている薬草を使えば呪いは解けるといいます。最初はしぶしぶと躊躇するケルピーくんでしたが、主人公くんと接するうちに階級・身分・民族・差別などに色々と思うところがあったらしく、禁足地へ行く手助けをしてくれます。また魔獣との戦いでは積極的に主人公くんと連携を取り撃破にも成功。これまで貴族としてうわべだけの付き合いしかなかったケルピーくんにとって同じ釜の飯を食い「トモダチ」と言ってくれる主人公に感化されていくのです。無事に呪いも解けた後、ケルピーくんに主人公の弱点である出生の秘密「じつは主人公も奴隷階級;滅びの民である」との情報がもたらされるのですが、その書状をあっさりと破り捨てます。そしてチンピラに他言無用を告げるのです。残念貴族であったケルピーくんが成長し、器が広がったことを示したのでした。