ブルアカTVアニメ2話感想「だが一番先生を信じていないのは小鳥遊ホシノである」

ゼロ年代属性記号の洗練化!猫耳黒髪ツインテツンデレ黒見セリカがデレる話。
黒見セリカはこれまで自分たちだけで頑張ってきたのに、皆が先生、先生と騒ぐので不愉快であった。
自分たちの仲良し共同体の中に、ポッと出の異物が混ざることに我慢できなかったのだ。
だが先生は粘り強くセリカに接し、彼女を理解できるように諦めることなく尽くしてくれる。
シロコもバ先の大将も先生を良心的な大人であると諭してくれるのだが余計にそれが癪であった。
しかしここでセリカの誘拐事件発生。先生は仲間と共に身を賭してセリカを助けてくれるのだ。
こうして先生もまた自分たちの仲間と意志を共有できる存在であることを知ったセリカがデレてエンドとなる。
セリカは異物が混ざることに拒否反応を示していただけで、異物でないと分かればデレるのは早い。
ここでの注目点はホシノであり彼女は大人を信用していないので警戒を緩めていないのである。

令和の時代にゼロ年代ツンデレキャラ・セリカを披露することで、ホシノの異様さを浮かび上がらせる

昼行燈を気取りながらも先生への警戒を緩めないホシノ

今回は黒見セリカ回。ツンデレで先生を信用していないセリカが、イベントを通してデレ化し、先生を受け容れるまでの流れが1話の中にコンパクトに収まっている。猫耳黒髪ツインテというキャラ造形でいかにもツンデレですよという属性てんこもりでござるの巻。そんなセリカはなぜ先生のことが気に食わないのか。彼女は先生自身を嫌っているのではない。これまで自分たちだけで苦楽を共に頑張ってきたのに、そこに良く知らない異物がいきなり混ざったからであった。しかも皆はその異物を先生、先生といってチヤホヤするのである。保守的な思考を持つセリカは自分たちだけの仲良し共同体が変化していくことを受け容れられなかったのだ。
 

時折戦闘モードになるホシノ

だがこれはあくまでも異物に対する拒否反応であり、誰だってそーする。裏を返せば、異物ではないと分かれば信頼を勝ち取るのは早いのだ。先生は粘り強くセリカに接し、ツンツンされても諦めることなく、生徒理解に努めていく。そんな健気な先生の献身は次第にセリカの心を溶かしていく。シロコやバイト先の大将などの助言もあり、それが余計に癪でもあったが、セリカは心が動かされていくのであった。
 

この時期のホシノは単騎突入しがち

しかしセリカをデレ化させるためには、もう一発イベントが必要だ。そこで脚本によって用意されたのがセリカ誘拐事件。これに対し先生は仲間の皆と共に救出劇に馳せ参じる。キヴォトス人でないフツーの先生が戦場に赴くことはそれこそ我が身を賭す行為であり、シッテムの箱を駆使してアロナと共に戦闘を指揮する。セリカ救出後は装甲車との戦いに苦戦するも、これまた先生の発案により「敵を引き付けておいてドローンから爆弾を投下し、それをセリカに狙撃させることで大爆発を引き起こすぞ作戦」で勝利する。こうしてセリカは先生を自分の仲間だと認めることができ、デレ化してエンドを迎えるのである。
 

セリカがデレ化したと茶化すことで依存度を深めないよう予防に努めるホシノ

だがここで注目して欲しいのが、セリカよりもホシノ。ホシノはセリカのように露骨に先生に対して拒否反応を示さないが、最も先生を信頼していないのである。それは彼女が「大人」という存在そのものを不信に思っており、その背景には「大人」に何度も騙された挙句ユメ先輩を死なせてしまったことがあった。だからこそ、セリカが「仲良しグループに異物が入ってきたことが気に食わない」だけであるのに対し、ホシノの方が根が深いのである。このことは対策委員会編1-2章の最大のテーマとなっている。ホシノが先生を信じ切れず、自分の身を差し出して物事の解決を図るも、またもや大人に騙されて絶望するのだ。そんな絶望したホシノの下に駆けつけたのが先生であり、これによりようやくホシノは先生を信頼できるようになる。ホシノこそデレ化した後のキャラクター表現が抜群であるので、絆ストーリーや海イベは是非見て欲しい。ホシノはクジラが好きなのだが、その理由は「巨大さ」を気に入っているからであり、先生の中に信頼できる安心感の象徴として「巨大さ」を見い出しているのである。

連邦生徒会√

これはまだ先生がリンにちゃん付けしていない時代
先生とアロナの出会い。連邦生徒会長、幼くなってしまって……