あの晴れわたる空より高く体験版1の感想・レビュー

積んでいた体験版1を消化。
体験版1では廃部寸前のロケット部を立て直し正式に続行可能とする所までプレイできる。
前評判で主人公くんがクソと聞いていたので積んでいたのだがそうでもなかった。
むしろ、フツーに受け入れられたのでまさに百聞は一見に如かず。
シナリオは自分でやらなきゃ分からないね。わりと面白い。
ただのキャラクター消費ではなく「ロケット飛ばそうぜ!」感がグッとくるね。
体験版2も出ているのでちょっとダウンロードしてくる!・・・その前に感想をば。

体験版1概要

  • 主人公くんはそれほどクソでもない
    • 主人公くんは漁業組合長の息子。勉強はできませんが漁師としては昔から鍛え上げられそれなりの腕前を持ち、小型船舶の免許も有しているほどです。主人公くんたちが住む島の経済は漁業とロケット打ち上げによって成り立っています。しかし成田空港建設よろしくロケット打ち上げ施設をめぐって闘争が起きたため、主人公くんのダディはロケットを快く思っていませんでした。ゆえに主人公くんが宇宙産業に興味を示すことさえ毛嫌いしたため、主人公くんはロケットの知識は白紙状態だったのです。そんな主人公くんは勉強が出来なかったため、留年の危機に陥ります。進級をかけた春休みの追試を行うことになるのですが、勉強が嫌で抜け出した際に、一人の少女とBoy meats girl!な展開。小型ロケットの打ち上げを見せてもらった主人公くんは生まれ初めてロケットの魅力に惹かれるのでした。主人公くんは勉強こそ出来ないものの、それを自覚していますし、考えなしというわけでもありません。最初、主人公くんがクソとかいうので『さかあがりハリケーン』のような主人公くんを想定していましたが、全然そんなこともなく、きちんと地に足つけて物事を考えられる人材でフツーに受け入れられました。

〜前評判の主人公くん像〜
主人公が典型的な「生活態度がだらしなく、学校の授業に不真面目なのに、女の子に対しては妙に態度がでかい」タイプの人間。自分はこのタイプの主人公が大嫌いです、「お前なんでそんな態度Lなの? そんな態度を取れる根拠はなに?」と思ってしまいます。とにかく嫌悪感しかない主人公で、プレイ続行不可能でした。
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/before_game.php?game=20460より



  • 廃部を阻止せよ編1〜学園理事長との戦い〜
    • 物語は開幕廃部の危機から始まります。主人公くんたちの学園は島の経済を反映したためか、ロケットや宇宙に関する部活動が豊富に存在しています。特にロケット部に関しては様々な派閥が存在しており、そのうちの一つが主人公くんたちの活動の拠点となる「ビャッコ」というわけです。「ビャッコ」は弱小派閥であるため取りつぶしの危機に瀕していました。その廃部の危機を回避するため、主人公くんたちは立ち回ることになるのですね。個人的に主人公くんがフツーに合理主義者のライバルチームを説得しようと試みる所が好き。ロケット部の派閥はいくつもあり強豪チームは既に設備や資金が潤沢であるのだから、チーム「ビャッコ」を潰す必要はなく放置しておいてくれないかと述べるところは何故か琴線に触れるところがありました。しかし合理主義者は「ビャッコ」を無駄と断罪し、施設を接収するため潰しにかかってくるのです。将棋に負けそうになったら?→将棋盤をひっくり返せ!!というわけで第1次廃部危機に際しては経営者側に直談判して判決を覆そうとします。ある意味お約束な展開ですが、主人公くんの漁業スキルが遺憾なく発揮されるので、熱い展開。理事長の理論武装は鉄壁で、メインヒロインさんが部活動としての教育的意義や生徒自治運営システムの欠陥などを指摘してもはねかえされてしまいます。「そもそもがビューロクラシー(官僚制)の弊害を学習させるための運営システムであり、強制的に弱小部を廃部にしてもそれはロケット部内での派閥争いに過ぎないモノである」といくらでも言い逃れができるようになっていたのですね。そんな理事長に対して、主人公くんがヴェルナー=フォン=ブラウンを引き合いに出しながら説得を試みる描写はナカナカのものです。ヒトによってはごねているだけと感じるだけかもしれませんが・・・。最終的には主人公くんが先住民の権力者の子弟であることが理事長にばらされ、先住民への説明責任と合意の取り付けの際に利用できると判断されて、第一次廃部危機を免れたのでした。



アポロ11号を宇宙まで打ち上げたロケットの名前は?・・・サターン?っていうの。開発したのが“ヴェルナー=フォン=ブラウン”っていう人なんだけど、どんな人だと思う?・・・フォン=ブラウンは学生時代、物理と数学が出来なかったのよ。当然、ロボット工学の本に出てくる数式も理解できなかったわ。で、ある日、数学の教師に訊きに行ったの。・・・君がもしロケットや宇宙のことを知りたいなら独力でこれらの数式が解けるよう勉強したまえ――って言われたらしいわ。フォン=ブラウンはロケットを作りたかったから必死で勉強したわけ。それで一年後には教師の代理で授業ができるぐらいになったわ。フォン=ブラウンは最初、ロケットを開発するために軍でロケットを開発していたわ。弾道ミサイルとロケットって、爆弾を積んでいるかいないかの違いくらいしかないのよね。第二次世界大戦前でしょ?平和的にロケットを開発するのにお金を出してくれるところなんて無かったわ。逆に第二次世界大戦前だから軍事的なミサイル開発にお金を出してくれるところはあったわけ。・・・私の宇宙への夢は人道的な立場からロケットの研究を中止するにはあまりに強かった。その頃の私は宇宙旅行の実現に向かって大きく前進できるなら、悪魔にも心を渡しても良いと思っていたのです。



  • 廃部を阻止せよ編2〜ライバルチームの部員を引き抜け〜
    • 第二次廃部危機は大会へのエントリー問題。次の大会から突如エントリーには5人必要となったとして主人公くんを入れても3人しかいないチーム「ビャッコ」はまたもやお取りつぶしの危機に陥ります。主人公くんたちは部員を獲得するために活動するのですが、これが第二次廃部危機の主な内容となっているのですね。部員一人目は安易に見つかります。主人公くんのことが好き好き大好きな「漫才役の後輩」。中学の時には一緒に釣り部に属した関係です。ネタを振っては小芝居を繰り広げ、会話に乗ると梯子を外してくる感じとなっております。後輩ちゃんはロケット作成にも造詣が深く、主に機体部門を担当します。この4人で部員捜しを展開し帰宅部に名前を貸して貰う幽霊部員を続々と集めていきます。しかしながら、この作戦は見破られていたのです。見破ったのはライバルチーム副部長の無表情系素直クールな同級生でした。
    • 素直クールさんはその無口・無表情っぷりから周囲に理解されず、尊崇の念を抱かれるばかり。そんな素直クールは強豪チームの筆記試験において、弱視のため問題が見えず、レギュラーから外されてしまいます。人知れずショックを受ける素直クールは一人寂しく逆上がりの練習をする日々。そんな素直クールのブロークンハートを肯定してあげればフラグは成立さ。能力があるからと流されるままにロケット開発をするだけであった素直クールに自立性育成のための勇気を抱かせるのです。
    • そして判決の時間がやってきました。幽霊部員作戦が失敗し、廃部が決定する寸前、主人公くんの説得が炸裂→素直クールの心を打ちます。主人公くんは強豪チームの部長を問いただし「素直クールが居なくても滞りなく部活は進む」と言わしめます。しかしチーム「ビャッコ」は素直クールを必要としているのです。素直クールがいないとダメなんです。お前じゃなきゃダメなんだ!!という台詞は自己肯定感や他者需要願望を大いにくすぐります。こうして素直クールを仲間に引き込んだ主人公くんたちは5人のチームで大会に臨むことになったのでした。