あの晴れわたる空より高く体験版２の感想・レビュー

game 体験版 航空産業 『あの晴れわたる空より高く』

航空宇宙産業モノ。体験版２では実際にロケットを飛ばします。
全長5m以内のロケットの高度を競うマックスファイブで優勝を目指せ。
専門分野をきちんと下地にした上で一般読者に提供する作品は面白いモノよ。
主人公くんが資格試験に臨んだり己の無力を噛みしめる所などがオススメ。
あとは個別√でどこまでシナリオを頑張れるかで明暗が分かれるかと。
個人的に割と期待されるのが素直クールさんだったり。

体験版２のみどころ！


  • 有意味需要学習
    • 主人公くんは自他共に認める「学校の勉強が出来ない」生徒です。そんな主人公くんがロケット工学を学ぶための基礎的な資格をとるために試験勉強に励むことになります。この時の勉強方法の場面の描写が有意味需要学習とゲーミィフケーションを取り入れており、結構面白いですよ！！ここでは主人公くんを具体例として挙げながら「悪い勉強の仕方」が提示されていきます。主人公くんは最初、馬鹿暗記書き取りをさせられるのですね。用語の意味も理解せずにただ覚えろという・・・。漢字や英単語の練習の時にも、意味や使い方が分からないのにただひたすら書いて「手の運動」をしている生徒さんっていますよね？主人公くんもそれと同じなのです。そんなのではいつまでたっても覚えられません。その用語の意味は何なのか？どのように使うのか？なぜ重要なのかを理解することが、一見遠回りに見えても重要なのですね。森鴎外も語源を調べることの重要性を説いていますしね。無理矢理覚えさせようとするメインヒロインに代わって、活躍するのが素直クールさん。主人公くんのなぜ？どうして？という疑問に対して、丁寧に答え、自らの頭で考えさせるように思考を導きます。こうして主人公くんは本質の根本的な理解に努めていき、みるみると成長していくのです。



  • ゲーミィフケーション
    • 次に扱われるのがゲーミィフケーションです。人間は自分の興味のあることならば自然と覚えられるモノです。小学生の時にゲームの攻略本を読みふけり自然とダンジョンのマップや敵の特性や呪文や装備品などを覚えていったことは良くあることでしょう。ゲームはよくできていてスモールステップや目的達成学習などの要素がちりばめられているのです。そんなわけでクイズマジ○クアカデミーならぬロケットアカデミーという筐体ゲームで特訓が始まります。主人公くんが参考書を攻略本として見なし、索引を使いながら制限時間いっぱいにゲームに取り組む姿はグッときますね。学校の勉強でも分からないところは安易に解答を見るのではなく、「教科書・用語集・参考書で調べる」ことを通して頭に残るというものですよ！！主人公くんがゲームにすっかりのめり込み、月で孤独死をむかえようとするラビットのために(という設定で)宇宙航空学を勉強していく場面は面白かったなぁと。ついでにライバルチームたちとクイズゲーム筐体でバトルをすることで、チームの団結も深まっていきます。



  • 主人公くんが無力を噛みしめます
    • 専門分野系の作品では、各ヒロインたちがそれぞれ特殊スキルを保有しており、主人公くんは基本的にノーマル・バランスタイプで、ヒロインを手助けしながら好感度を稼ぐ類型がよく見られます。ここでは主人公くんを「無能」と設定することでキャラ立ちをさせています。また主人公くんは漁師スキルを生かして海に沈没したロケットを素潜りでサルベージしたり、これでもかというくらい暴走しまくるじゃじゃ馬なメインヒロインを操ったりフォローしたりと色々と魅せる所では魅せてくれる描写となっています。特にロケットを作りながら何度も失敗や挫折を経験するのですが、主人公くんはその度に自分の無力さを噛みしめながら、力を欲する展開になっているのですね。「主人公くん無力噛みしめ展開」ですが、大好物ですとも。ちょっと引用しておきましょう。

1時間ほど時間を使い、打ち上げ作業のリハーサルを行う。俺はその光景を目に焼き付けようとじっと見ていた。もうすぐ初めてのロケットを打ち上げるという期待と昂揚感に何も出来ない悔しさが少しだけ混ざる。次までには自分も何か出来るようになりたい。そんなことを考えていた。

初めてのロケット打ち上げ。初めての打ち上げ失敗。帰路につく俺の胸にこみあげてきたのはどうしようもない悔しさだ。何の役にも立てなかった自分、失敗をただ見ていることしかできなかった自分には、この見上げた空が、とても、とても、高く遠くにあるような気がした。

各個別√の予告編まとめ


  • 体験版２の最終場面ではヒロインたちが自分の個別√のあらすじを紹介してくれます(エ○ァ風に)。ここで内容をさらしてしまっても良いのだろうか？と思わなくもありませんがメモしておきます。
    • メインヒロイン「仰げば花咲く真夏のコスモス」
      • 夏の全国大会“フォーセクションズ”に参加したビャッコ。
      • 主人公くんはメインヒロインと共にＰＭ業務に従事
      • 夕焼けの丘、壊れたロケット発射台、彼女の瞳が映すのは過去の過ちと未来への希望
      • ビャッコの部員を襲うデスマーチ
    • 素直クール「見えない的を撃ちぬいて」
      • 夏の全国大会“フォーセクションズ”に参加したビャッコ。
      • 電装部門に参加し、ロケットの誘導制御を競う。
      • 次々と立ちはだかるロケット開発の壁、二人に訪れる最大の危機
      • 一緒に始めた逆上がりの練習、真夜中の二人乗りブランコ、その笑顔とあの日の涙を忘れない
    • 後輩ちゃん「初めての共同作業」
      • 夏の全国大会“フォーセクションズ”に参加したビャッコ。
      • 機体部門に参加し、ロケットの空力性能を競う
      • マッハを超える超音速の風に立ち向かう
      • 後輩ちゃんを溺愛する下町工場のおやっさんとの戦い
    • 先輩「あの日のあなたに贈る拍手」
      • 夏の全国大会“フォーセクションズ”に参加したビャッコ。
      • 推進部門に参加し、大会初の試みに挑む
      • ロケットエンジンの開発を行う二人の前に立ちはだかる5秒の壁
      • 繰り返される失敗の原因究明
      • 思いでは切なく彼女らの絆を強固にした→メインヒロインと先輩の過去話？

参考