迷える2人とセカイのすべて グランドエンドの感想・レビュー

セカイの終わりを救うために犠牲となる少女との別離を描いた感動のビターエンド!
・・・と思いきや、スーパーご都合主義展開!
いわゆる「ルールの抜け道」もしくは「セカイを騙す」を発動して、命を捧げた少女を救済。
まぁ、商業的な物語としてはハッピーエンドが望まれているのでしょうが・・・
セカイと同化して見守ってくれるエンドの方がいいなぁと。

グランドエンド概要


  • 愛する人たちの世界を救うために自分の命を捧げます
    • 各個別ルートでは第2部のダークエルフ戦で死闘を繰り広げるため、時空転移で個別ヒロインしか連れて行けませんでしたね。しかしグランドエンドではダークエルフの説得に成功し、みんなで異界へ突入します。グランドエンドの異界の設定では、既に世界樹は枯れ果てており、異界も滅亡へと向かっていました。そんな中、ヒロインズたちはエルフ少女フィアから現世において叶えて貰った異能と引き換えに、世界樹を復活させていきます。この「与えられた異能と引き換えに」という演出が結構グッときて良い感じに書かれています。そして今までは父-娘関係であった主人公くんとフィアが男-女関係へと関係性変化をするところもまたシナリオのポイントとなっております。主人公くんが自分の気持ちを偽らず、フィアにその思いを告げたときには、世界樹との同化が決定された後でした。異界では世界樹がセカイを支えており、エルフ少女はその世界樹と同化するのがこの世界のシステムなのだと。主人公くんの思いはフィアの力になること。みんなを救うために自分の身を捧げたいと願うフィアの思いを主人公くんは否定できません。こうしてフィアは自分をここまで愛してくれた主人公くんのパーティーメンバーにお別れをしていきます。そして別離の時がやってきました。そして主人公くんは最後まで見守ることが出来ず現実から逃げ出します。愛するもののためにお別れするビターエンドでも十分良いんだけどなぁと個人的には思うのですが。



  • お約束☆「ルールの抜け道」でハッピーエンド
    • ここでご都合主義発動だよぉ!この作品では「ハイエルフの種族は心を開いた者の願いを一つだけ叶えてくれる」という設定がありました。主人公くんは自分の「霊視」を願い事だと思っていましたが、それはフィオのクローン元となったエルフから与えられたものでした。つまりは、フィオは、主人公くんの願い事を叶えておらず、フィアに頼めば、フィアとの別れを何とかしてもらえると!!はい、ものすごい卓袱台返し感満載です☆こうして主人公くんは最後の力を絞ってフィオに会いに行き、自分の願い事を叶えてもらいます。結果として、世界樹の中にハイエルフとしての能力を全て置いてきたということで、フィアの炉利ver.が復活します。ハイエルフとしての存在が主人公くんたちの現世を壊すという設定も、これなら安全だね!一緒に帰ろうとハッピーエンドを迎えたのでした。「ルールの抜け道」を使うというのはハッピーエンドを演出するときにありがちなことですが、フィア別離エンドも作ってくれればよかったのにと。各個別エンドがフィア別離エンドになっているという指摘があるかもしれませんが、フィア√での世界と同化エンドが見たかっと思います。フジリュー版『封神演技』で地球と同化してたやん?あんなふうに。