ニュートンと林檎の樹 体験版+の感想・レビュー

科学に挫折した主人公くんが、ニュートンが女児である17世紀イギリスに異世界転生したはなし。
時空転移した際に万有引力の法則を発見した林檎の樹を焼失させてしまい歴史変革してしまう。
家綱の生類憐みの令を止めるため外交統制を破り出国したと嘘をつきケンブリッジ大学で学問に励む。
当面の目的はタイムマシンを修理して変革した時間軸より前にジャンプし歴史修正を行うこと。
体験版は時空転移装置を開発したとされる主人公くんの祖父の若かりし頃と遭遇するところでお開き。
果たして主人公くんは挫折を乗り越え科学と向き合い元の世界へ戻れるのか!待て、製品版!!

概要

 

  • バカゲー的なノリの中でちゃんと科学と歴史で人物描写を深めていてステキ
    • 主人公くんは科学に挫折し学校にもろくに通わず路上のギター演奏で小銭を稼いでいるという設定です。作中では偉大なる科学者の祖父を持つため、比較されるのを厭い、また期待の重圧に耐えかねて科学を止めたとかなんとかと描写されています。それでも三つ子の魂百までと申しますか、科学に触れると血を滾らせるのもまた事実。部品分解に血肉を上げるところとか嫌いじゃないぜ。
    • そんな主人公くんですが、幼馴染のリケジョと共に異世界転生。ニュートンが女児であるセカイに時空転移してしまうのです。そこから始まるタイムパラドクス。もしニュートン万有引力の法則を発見できなかったら!?という歴史のifが描かれていきます。雰囲気としては『ChuSingura46+1-忠臣蔵46+1』に近いでしょうか?(※参考:http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20130823/p1)こちらは日本史ですが、歴史人物が女性であるセカイに異世界転生しますし、ギャグ要素もありながら割と真剣に歴史事象に立ち向かっていきます。しかもちょうど時代設定が同じころですね。17世紀末期。

 

 

  • 歴史改編と歴史修正
    • 本作品の場合は、林檎の樹を焼失させてしまったため思いつかなかった万有引力の法則をニュートンに発見してもらうように促し、その研究成果によってタイムマシンを直し、さらに過去へと跳躍して自分たちが歴史干渉してしまうのを防ぐということが当面の目標となっていきます。矛盾だの史実だの言い出せばキリはないですが、わりと真剣に歴史や科学に挑んでいて、好感が持てます。(科学理論説明早口カットインなどの工夫がみどころ)。体験版は、主人公くんの祖父(若いVer.)が地動説を唱えて王立協会に捕まったのを救出するところまでプレイできます。主人公くんが科学を諦めた理由や、幼馴染がリケジョになってしまった要因などが気になりますね。ぶっちゃけまだヒロインたちがシナリオにあまり絡んできていませんでしたが、ニュートンがやり込まれており活躍できていないことや江戸幕府の外交統制により日本に帰れなくなった少女、フランスの魔女狩りの被害者など結構面白そうでした。