ハロー・レディ! New Division 簡易感想

ハロー・レディ!の菱吾√と美鳥√のファンディスク。
菱吾ルートでは、主従の絆によって見事復讐を果たしましたエンド。
成田真理の過去(インド)を期待していたが、あまり描写されず残念。
美鳥ルートは暴走した異能を止めるため個体の時間停止を行うエンド。
「俺達の戦いはこれからだ!」的に終わった。

菱吾ルート概要


  • 主従の絆で黒船を倒せ!
    • 本編グランド√では、復讐を果たした後ラスボスの妹が出現し、世界の枠組みと戦うことになります。しかし、菱吾√では妹復活は起こらず、黒船とのバトルに重点が置かれます。本編では成田真理が一人で黒船を倒すことになるのですが、ここでは成田真理と菱吾の協力プレイ的な戦闘描写がメイン。主従の力で黒船を倒しましたよという終わりになります。成田真理が自分にギアスをかけて能力を向上させたりとか菱吾が銃火器の戦闘シーンとかはそれなりにグッとくるテキストです。しかし黒船を倒すまでの過程において、菱吾が断片的に成田真理との出会いを回想していくのですが、表面的にしか語られず残念。村正やグリザイアのように、もっとガッツリと主人公の過去編を描いて欲しかったものよ。
  • 菱吾過去概要
    • 菱吾はアジアの内戦地帯の生まれで物心ついた時から兵器として育て上げられてきました。しかし使用者が死んだとき主人公くんに救われます。当初は感情のなかった菱吾でしたが、主人公くんが育成し、徐々に兵器としての生き方以外も覚えていく。そんな折り、現地の支配者が代わり兵士として育成された菱吾の姉妹達を駆使して周辺地域を制圧していきます。これを主人公くんと菱吾が食い止め、菱吾の姉妹達を殺すことで兵器としての在り方から解放したのでした。と、いうようなことを菱吾のモノローグで済まされる。う〜む。モノローグではなく、きちんと描けばこれだけで名作にもなれそうだったものを。少し残念な気がしました。
  • 菱吾の友達
    • 菱吾の友達として大人気のエルが登場し四国にある某T県の地元ネタを披露してくれます。またサブカルチャーはサブだからこそ良いのだとか、業界を支えるための消費者の在り方など独自の哲学を語ってくれるのです。

不人気かどうかは、市場の流れもありますので一概には言えません。現在の傾向というだけでしょう。ですが、それ以前の大きな問題として―現在はハッキリ言って過剰供給、熱心な読者でも出ている全てのシリーズをチェックするのは到底不可能!……となると、自分で読んで確かめる以前に、ネームバリューやイラスト、メディア展開の露出度など、多くのフィルターを通さずにはおられない。その傍らで、存在を気づかれることもなく消えていく数多の良作があるかもしれないのです…と、言うわけで。ジャンルそのものへのお布施として、自分は、コメディを絨毯爆撃的に買い込むのです。経済とは、愛と並ぶ宇宙最強の力の一つ!売り上げが良ければシリーズ化もされ、新刊だってワシワシでるのです!今は種でしかない無数の作品の中に、いつか雄飛する可能性は、必ず眠っているのですから!

美鳥ルート概要


  • 異形処理班との抗争
    • 本編では異能を暴走させたため「処理」されてしまった美鳥のはなし。ファンディスクでは処理されそうになったところを主人公くんが救出するという反実仮想の展開です。しかし既に異能を暴走(ゲーム内用語ではオンスロート化)させている美鳥に未来はなく、理性を喪失し、異形に成りはてるという運命が待っていたのです。オンスロート化は感染してしまう危険性があるため、全力で美鳥の処理にかかる学園サイド。美鳥は自分が学園に対して思い入れがあり、葛藤します。美鳥√のシナリオはこの美鳥を処理しにくる学園勢力との抗争や異形と化した美鳥とのバトルが描写のメインとなっております。成田真理の生き様である「受け入れて死ぬ安らぎではなく、最後まで足掻け」と必死に生き抜きます。最後は成田真理のギアス的な異能が「絶対停止」にまで昇華。異形から意識を取り戻した美鳥に疑似死の能力を発動させ、絶対停止。今はまだ異形化を食い止めることはできないけど、未来でかならず解決してみせると美鳥の時間を止めるのでした。数年後、美鳥のために世界を股にかける成田真理の姿が!!成田真理の活躍はこれからだ!次回作にご期待くださいてきなエンド。