雑録

鍵を隠したカゴのトリ「孔雀石透子」シナリオの感想・レビュー

クラスメイトが冤罪で殺人犯にさせられそうになるのを防ぐ話。
燕沢夜の母は毒親で愛人を殺害した罪を娘に擦り付けようとしていた。
第一発見者となった透子は夜を庇って自分が殺人犯と自供する。
証拠不十分で透子は釈放されるが真相を葬るために自ら幽閉される道を選ぶ。
自罰意識を感じた夜が警察に相談すると、夜が真犯人としてまつり上げられる。
主人公たちは夜の母親に立ち向かい自首を促してハッピーエンドとなる。

孔雀石透子のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 透子から真相を聞き出すためには~恩義と重荷~
    • 孔雀石透子は浮世離れした人間嫌いの御令嬢。しかしながら義理人情に厚く、一度認めた相手には徹底して世話を焼く側面も持っていました。主人公は幼少期にネグレクトされていたところを透子に助けられ、それ以来恩義を感じるようになっていきます。しかし透子は良かれと思って主人公に接してくれていたのですが、返せなくなるほど恩義を感じるようになると、それが今度は重荷になっていきます。それ故、主人公は祖母が認知症となり緩やかに家族が崩壊していく中でも、決して透子には相談できなかったのです。これ以上、透子に迷惑をかけることができないと。しかし透子は主人公の祖母が認知症になっていることを知ってしまい、心配になり度々主人公の家を訪れていました。主人公のことを忘れ、自分で部屋を荒らしては泥棒が入ったと暴れる主人公の祖母。透子は主人公が自分に打ち明けてくれるように何度もアプローチを掛けましたが、決して話してくれることはなかったのでした。
    • 主人公が透子のために事件の真相を話してくれと頼んだ時に、この問題が浮上します。主人公は透子に何も話してくれなかったのに、どうして主人公に自分のことを話せようかと言うのです。ここで主人公は自分がどんなに矛盾しているかを悟り、なぜ祖母のことを透子に話せなかったかを語るのでした。主人公はネグレクトされていた時から自分の存在を否定され続けており、祖母の認知症も自分が心労をかけたせいで惚けたのだと煩悶してきたのだと。こうして透子に対して感じていた恩義とそれが重荷となっていたことを告白し、本当の意味で透子と心を通わせたのでした。
    • あくまでも個人的な共感なのですが、まじで家族が認知症になると人生観が変わります。毎日顔を会わせている自分のことを忘れ、もう既に死んでしまった人間のことばかり話すようになるのもショックが大きいですが、貴重品を探し回って家を荒らしたり徘徊したり糞尿の処理だったり。最終的には施設に入れるしかなくなり、半ば幽閉的な扱いをされ、ただ死んでいくことを待つだけになるという。そして死んだ時には、もっと何かしてあげられることはなかったのだろうかと無力感に陥ります。人間が生きていく最果ての末路を体験することになり、人間って生きていても意味などないと虚無感に駆られます。

 
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  • 解決編~犯人は夜の母~
    • そもそもの発端は、夜の母の問題に帰結します。シングルマザーで毒親である夜の母は、娘が自分と同じように不幸になることを望んでいました。夜の母は自分のカレシが、夜に対して色目を使うようになった姿を見て、カレシを殺害してその罪を夜に擦り付けようと画策します。透子は前々から夜に相談を受けており、裁判に持ち込むつもりでいました。しかし透子が夜の母のカレシに会いに行った時にはもう既に殺害されており、夜が犯人になるように仕組まれていたのです。透子は夜を救うために自らが犯人になることを決意、無差別殺人を装ったのでした。
    • 透子が罪を被ったため夜やその母には捜査が及んでいませんでした。しかし夜と透子の交流が深まれば深まるほど、夜は良心の呵責に耐えきれなくなり、警察に出頭してしまいます。そうすれば夜の身辺が調べられることになり、夜の母親の当初の狙い通り、夜が犯人にまつりあげられるのです。最終的に伊鶴が防犯カメラに映っている夜の姿からアリバイを立証し無罪を証明。追い詰められた夜の母が警察に出頭するということで終幕を迎えます。夜はこれからも母が殺人犯ということで偏見で見られるかもしれないが、鳥籠館のみんながいれば大丈夫とハッピーエンドを迎えます。

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