夏の色のノスタルジア(体験版)の感想・レビュー

閉鎖空間ミステリー少女救済モノ。家族に問題を抱える少女たちを救済しましょう。
体験版は幼馴染みグループと再会し、無表情系炉利が空間創造者であると分かる所までプレイ出来ます。
仲良しグループが閉鎖空間安住派と空間から脱出派に分かれてヒビが入ってしまうのです。
それぞれが抱える問題や炉利少女が男を撲殺している描写も伏線として張られ、期待が高まります。
呉氏が久しぶりに鬱ゲ分野で復活!『何処へ行くの、あの日 』プレイヤーとしては嬉しい限り。
呉氏には突飛なキャラゲーなんかよりも鬱ゲを描いて欲しいものです。

体験版概要

  • 主人公くんの家庭事情
    • 両親が無理心中で自殺し、親戚に預けられていた主人公くん兄妹は数年ぶりに地元に帰郷します。引取先の叔母が老人介護と称して主人公くんズを厄介払いしようとしており、主人公くんたちもまた親戚とはいえ余所様の家で世話になることを引け目に感じていたからでした。初日は実家の離れに泊まったのですが、焼け落ちた母屋の残骸は解体費が出せずそのままであり、主人公くんの古傷をえぐります。父親と母親は不仲であり、溜め込んで吐き出すことを知らなかった父親はとうとう家に火を放ち心中を図ったのでした。その事件を契機に主人公くんは他人の感情を色で識別できるという異能を獲得します。主人公くんはこの能力を使って叔母の家でも上手く立ち回っていたのですが、双子の妹が主人公くんを偏愛して肉体的接触を重ねていたため、叔母が気味悪がって二人を放逐したのでした。


  • 閉鎖空間編
    • 主人公くんたちは学園の寮にやってくるのですが、門をくぐるとおかしなことばかり。クラスには女子しかおらず殆ど喋らない生徒たち。ネットもテレビも映らないような環境。そんな中、幼馴染みたちと再会し、束の間の平穏を享受します。しかしどうしても違和感は拭うことができなくなり、幼馴染みズに聞いても「おいおい分かる」と言うだけです。不審を抱いていた所、突如、学園にやってきた際に連れてきたペットの猫が逃げ出していたことを思い出します。家族のように大事にしていた猫を、なぜ忘れていたんだと家に帰ろうとする主人公くん。しかし山の中を無限回廊するはめになり結局帰ることができなかったため、ここでやっと閉鎖空間に閉じ込められていたことが判明します。空間脱出派の真鶴みさき(黒髪ロング剣道少女)はこの学園を「ラビリンス」と称しましたが、空間安住派の真乗寺文音(先輩)と空間創造者の摩庭祥子(炉利担当)は「エデン」と呼びます。祥子はこの閉鎖空間には「おうちにかえりたくない」人々だけが選別されて定住することになるのだと説明していきます。主人公くんたちグループは幼少の頃も、家庭に問題を抱えており、家に帰りたくないために廃工場へ集っていたのでした。その焼き直しになっている構図です。閉鎖空間の呼称からもみさきとその他メンバーで対立していることが窺われるのですが、主人公くんが閉鎖空間に安住することに否定的な態度を取ると、みさきは喜んだ顔をし、文音と祥子と美羽(主人公くんの妹)はいぶかしむのでした。彼らはこれからどうなってしまうのでしょうか?気になるところで体験版はお開きです。

  • 伏線まとめ
    • 主人公くんとその妹
      • 異能スキル保持者であり感情を色で判別できる
      • 家庭は父と母が不仲であり、父が家に火を放って母親を羽交い締めにして心中している。
      • 実家に戻る直前、閉鎖空間に居るはずの真鶴みさきとニアミスしている。
      • 学園に転入する際、交通事故の現場に出くわしている。
      • 美羽(妹)は兄好きだが、異性のまぐわいには否定的であり、兄にも性欲があったことを知り恐れる。
    • 真鶴みさき
      • 幼少の頃、川に入って自殺をしようとした際に、主人公くんにより助けられた。
      • 剣道に優れるが好きでやっていたのではなく自己を鍛えられるなら何でも良かったと発言。
      • 閉鎖空間には否定的であり、抜け出そうと画策している。
    • 摩庭祥子
      • 閉鎖空間の創造者
      • 幼少期に男を撲殺しており、それが幼少期主人公くんグループを解体させる要因となる
      • 病に伏せっている母親の介護をしているが、生きているのかどうか不明
      • 閉鎖空間の内部に祖父が建てたという広大な屋敷を所持しており、そこに居住している。
      • 幼少期は誇大妄想をつぶやく癖があり学校でいじめられていた。
      • クラスメイトが飼育当番をサボったので主人公くんと二人でウサギの世話
    • 真乗寺文音
      • 猫アレルギーかつ寝たきりの妹?がいる。
      • 主人公くんとその妹は、文音の妹に対して好ましく思っていない
      • 文音が幼少期に家に帰りたくなかったのは家に誰もいなくて寂しかったから
      • 文音は超積極的に閉鎖空間に残りたがっている。