ゆきこいめると(体験版)の感想・レビュー

おバカなギャグ要素の強い冬ゲー。エロスとユーモアはいつの時代でも鉄壁。
端的に述べるならば「冬が嫌いな主人公くんが冬イベントを通して冬に楽しさを見出す」という話。
雪国あるあるやウィンタースポーツなどを明るい系ヒロインたちと楽しむのが本作品の趣旨。
テキストのテンポも良く主人公くんも良いやつなので軽い気分でプレイ出来ます。
しかしこれ3月末に出るのか?季節モノにありがちなことだけど季節ずれてしまいますねー。

体験版概要

  • 「食わず嫌いは忌むべきだが、好き嫌いは悪いことではない」
    • 主人公くんは雪国に転校してきた新参者。とにかく寒いのが嫌いで降雪地帯に閉口するばかり。そんな折り、主人公くんに冬の魅力を伝えようと「ふゆ部」と称する人々がアプローチをしかけてきます。流され系ではない主人公くんはその誘いを適当にあしらっていたのですが、部長と話してみると意外と真面目に物事を考えており、主人公くんも次第に感化されていきます。冬の魅力を伝えるとしながらも「人間、強要されたことに興味なんて湧くものじゃない」と発言する様子に主人公くんは惹かれていくのですね!(数場面後には全裸で処女雪にダイブするようなぶっ飛びっぷりをみせてくれますが…)。冬を楽しむヒロインズの姿を見て主人公くんが想起するのは「もずくヨーグルトまん」。主人公くんはコンビニの中華まんシリーズ(あんまんや肉まんなど)が好きなのですが、新発売となったネタ的なものにも果敢にチャレンジしていきます。その姿勢をクラスメイトの男子Aは「なんつーか、陸崎ってヘンなモン好きだよな。新しい物好きというか、ゲテモノ好きというか……変わってるよな」と評するのですが、何事も体験してみなければならないのもまた事実。「食わず嫌いは忌むべきだが、好き嫌いは悪いことではない」という部長の言葉が脳内に繰り返される主人公くん。自分が冬に対して「食わず嫌い」になっていたことを悟った主人公くんは、「ふゆ部」に体験入部をすることにします。

たぶんきっと、ガキの頃からの冬嫌いがどうこうなるとは思えないけれど。
それでも、なにもせずにそう決めつけるのは、つまらない気がした。
だって、目の前でこんなに冬が好きだってヤツが集まってるんだ。
なら、ちょっとその世界を覗いてみたいっていうのは、人のサガってヤツだろう?


  • 「ふゆ部」体験イベント編
    • ここからは「雪国あるある」と「冬の娯楽劇場」が開催されます。除雪作業を行い地域住民と交流を図ったり、雪像を作ったり、ご当地ゆるキャラで商店街を盛り上げたり、雪合戦をしたりと冬期イベント満載でお送りします。このような中でヒロインの内面も表現されていくのですが、シナリオの原動力となっているのが獣耳娘の「姫廻たるひ」さんの「ふゆ部」に対するコンプレックス。なんとこのたるひさん、ふゆ部の一員でありながら主人公くんと同類で寒さに弱く、冬が嫌いだったのです。しかしひょんなことから周囲には「ふゆ好き」と勘違いされてしまい、今更NOともいえずズルズルと過ごしてしまう毎日。またこのケースだけでなく、たるひさんの発言が自分の意図とは逆に周囲から好意的に解釈されてしまい、それを訂正することもはばかられ罪悪感だけが積み重なっていくというパターンです。このようなたるひさんの心情描写がシナリオのメイン的テーマ?として設定されています。たるひさんが冬が好きになってきた理由は直接語られることはないのですが、朝日がのぼるシーンで明らかになります。日の出と共に木のつららが光に照らし出されて自然界の美しさが眼前に浮かび上がります。「冬が好きになってきた理由。全員で、こうしてゆっくりと、虹色の光が生まれる瞬間をみていることだろう」とモノローグ。この「虹色の光」とはこの「日の出の事例」だけを指すのではなく、冬イベントにおける魅力の比喩表現。こうして主人公くんは冬の魅力を存分に楽しみ「ふゆ部」に正式に入部することにしたのでした。