彼女のセイイキの感想・レビュー

没落お嬢様と執事プレイを繰り広げるキャラゲーですがしんみりとほっこりします。
スーパーツンデレである冬華の素直になれないもどしかしさ100%でお送りします。
ピンヒロインの低価格モノですが、非攻略キャラも要所要所で活躍しステキ。
ロシア娘マイカ、兄大好きツンデレのゆかな、立ち絵がないのに重要な店員ちゃん。
これフツーにフルプライスで非攻略キャラも攻略できるようすれば売れた気もしますが。

秋善冬華のキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 疎遠になっていた幼なじみ
    • 秋善冬華は黒髪ロングなスーパーツンデレお嬢様。主人公くんとは小学校の時に絆を育んだ懇ろな関係でした。しかしフツーに公立中学に進んだ主人公くんとは違い、冬華は私立のお嬢様学校に進んだため、疎遠になってしまいました。ところが高校生になり電車に乗っていると二人はばったりと遭遇。主人公くんも冬華もお互いのことを想い合っていたのですぐに誰だか分かりました。本来ならば感動する場面ですが、冬華はツンデレ属性に育っており自分の感情をさらけ出すことができず、主人公くんに痴漢の冤罪をきせ執事プレイを強要してきます。トンデモ展開に嵌った主人公くんはそんな要求を一蹴することもできたのですが、何か考えがあってそんなプレイを要求してきているのだと感づき、執事に就任します。こうして冬華に奉公することになったのですが、仕えてみると色々と解せぬことばかり。送迎は家までこさせず駅と学校が指定されたり、お嬢様である冬華が明らかに金銭目的でバイトをしていたりと腑に落ちません。冬華が困っていたら助けになりたいと願う主人公くんですが、冬華は主人公くんがエロス目的で自分との関係を築いているのだと自分に思い込ませており、すれ違うココロ。



  • 依存ではなく主体的意志を
    • 学校にバイトに健気に頑張る冬華の姿は主人公くんの心を打ちます。今まで流されるだけの主人公くんでしたが冬華を救うためにはもっと彼女のことを知らなければなりません。能動的に関わることを決意した主人公くんは、卒アルの住所録を調べ冬華の実家へ。しかしそこに冬華は住んおらず、なんとおんぼろアパートに住んでいたのでした。実は冬華の父親は土建屋だったのですが事業に失敗して没落。お嬢様だった冬華も一般庶民以下に転落してしまい、一人暮らしでバイトで生活費を捻出しなければならなくなったことが判明します。どんな冬華も受け入れる覚悟をしてきた主人公くんにとってはささいなことでしたが、冬華は事実を知られたことで主人公くんを引き留めるために肉体関係をより強く求めるようになっていきます。このような冬華に対して、主人公くんには3パターンの選択肢が与えられるのです。それぞれ主従関係エンド・冬香さん調教エンド・恋人エンドです。前の二者はバッドエンド風味で正史は恋人エンド。しかしながら恋人エンドになるためにはいったん冬華との関係を清算しなければなりません。主人公くんに捨てられたと思い込み悲嘆にくれる冬華でしたが、冬華は自分が主人公くんに依存しているだけで自らの主体的意志が欠けているに気付きます。進学を機に疎遠になったと思っていたのは冬華だけで、主人公くんは冬華のことを待ち続けていたのです。冬華はいまいちど立ち上がり二人の約束の場所へと走ります。そこには変わることなく待ち続けていてくれた主人公くんの姿が!!こうして二人はいびつなゆがんだ関係から対等な恋人同士になれたのでした。



  • 魅力的な非攻略ヒロインたち
    • 本作品では攻略できない非攻略キャラがいい味だしています。主人公くんと電気街をブラブラする関係のマイカ、お兄ちゃんのことが好き好き大好き好き好きなツンデレ妹ゆかな、立ち絵が無いのに主要ポジションを占めるファ〇リーマートの店員ちゃんの三者は魅力で満ち溢れています。冬華が登場してしまったがために恋愛ポジションにすら立てず、主人公くんの親友として新たなる盟約を結ぶマイカのいじらしさは必見です。冬華恋人ルートに入る際に主人公くんから歪んだ関係を解消されてウジウジする冬華に対し、マイカが自分の境遇を吐露して応援させてほしいと「がんばがんば」する所は思わずマイカルートを作ってくれと叫ばずにはいられませんね。お兄ちゃん大好きなツンデレ妹はコメディパートを担当し、良いギャグ要因となっています。そして言及しておきたいのがファ〇リーマートのレジ打ち店員ちゃん。店員ちゃんは主人公くんの相談相手であり買い物をする際に立ち話をする仲。店員ちゃんは冬華との接し方に思い悩む主人公くんを励ましていくのですが、店員ちゃんからのお言葉「ファイト、ですよ」は主人公くんの心の支えとなります。店員ちゃんがこれほどまでに主人公くんの支えとなってくれるのはなぜでしょうか?エピソードが挿入されます。店員ちゃんがバイト初日の際、レジ打ちに手間取り客から舌打ち三昧を食らった時のことでした。寛大な男である主人公くんは店員ちゃんを煽ることもなく落ち着いてやれと待ってくれたのでした。心温まる小話が展開されると、立ち絵と個別シナリオを用意してくださいとメーカーさんの方に向かってお祈りをせずにはいられません。『彼女のセイイキ』は低価格のピンヒロインものでしたが、なかひろさんの書きっぷりがなかなか良かったです。