学校のセイイキの感想・レビュー

fengの分割商法モノ聖域シリーズ第3弾。炉利とBBAが攻略対象。抜きゲーであることを謳っている。
イカ√は母子対立モノ、やえか√は家族を軽視してきた姉のトラウマを扱う。
『彼女のセイイキ』は面白かったが、それ以降シナリオの質が低下し続けていることは否めない。
第3弾はシナリオに深まりもなく多数の抜き描写を乱発しただけのご都合主義的展開で幕を閉じた。
フラグ構築の過程や人物の心情表現描写を楽しみにしているとがっかりするかもしれません。
売り上げ次第でしょうが定員ちゃんが真ヒロインとして次作が出されれると良いなぁと。

イカ

  • 母子対立問題
    • イカ√の根幹となるのは母子対立問題。しかしまったく深刻ではなくギャグでしかありません。娘を溺愛するため束縛しようとする母親と、親離れして自立したい娘が平行線。主人公くんは「ヒロインを信じる」という行為をするだけであり、能動的には何もしません。主人公くんのマンションに家出をしてきたマイカがひたすらセクロスをしまくるという展開です。情緒もなにもなくすっごく唐突に生殖行為を始めます。紙芝居ゲーにおいてフラグ構築の過程を楽しむ人々、つまりは段取りを重視するダンドリズム信仰を持つ階層にとってはあんまり受け入れられないかもしれません。
    • 一応、テーマとしては「特別なことや劇的な変化はなくとも日常生活の積み重ねが恋情に結びつく」をねらいとしていることが語られてはいます。そしてフラグ構築の要因として、日本に留学したてのマイカが不安だったとき、街になじめるようにしてくれたのが主人公くんであり。秋葉原が聖地なら秋葉原周辺の地元はセイイキであり、それすなわち主人公くんであったと述べられます。ゆえにロシアに戻ることになったマイカが屋上からノスタルジックに浸るところは結構グッときたりします。
    • 離別の日、主人公くんはマイカが屋上にいることを突き止め、瓜二つの母親との入れ替わりにも気づき、マイカの自由意志を尊重するという三種の試練を無意識にクリアし、マイカの母親にも認められます。で、マイカは家族が危篤であったために帰国していくのですが、その家族とはペットの熊であり、しかも1週間で病気が治って帰ってくるというとてもご都合主義的なシナリオブン投げたようなオチで終わります。

やえか√

 

  • 家族を軽視してきた姉のトラウマ
    • 主人公くんの家は厳格な家庭であり、わりと厳しく育てられてきました。しかし両親は仕事を優先する傾向にあり、家族愛も不足しがちであったため、イモウトは寂しく過ごしていたのです。姉のやえかは長女として成績優秀であることを期待されており、弟妹のことなど歯牙にもかけませんでした。そんななか我らが主人公くんはイモウトの寂しさを紛らわせ、良いお兄ちゃんだったのです。それを見ていたやえかは自分が家族を軽視してきたことを無意識に恥じていたのです。そのためやえかは主人公くんに無理難題を押し付けいじめるようになりました。社会人となり、教師となって実家に戻ってきたやえかは職場ではしっかりした教師像を演出していましが、家では酒浸りの生活を送るようになります。そんなやえかの心の寂しさを突けばフラグは成立。肉体関係を結びます。
    • やえかの苦悩の背景にはイモウトに対する負い目がありました。イモウトも主人公くんに対して好感度マックスであり、やえかは今まで弟妹に注げなかった愛情を今こそ注ぎたいのだと主張します。つまりはやえかが主人公くんと交際することはお兄ちゃん大好きっこのイモウトへの背信行為だというのです。そんなやえかの悩みを主人公くんは一刀両断。イモウトの成長を考慮していないのではないか?と指摘するのです。すなわち、イモウトは精神的に成長しているので、やえかと主人公くんが結ばれても祝福してくれるであろうと。それを信じられないことはイモウトを信頼していないと。つらつらと述べるのです。案の定、イモウトは祝福してくれました。それどころか3Pも望んできます。この際、3P描写いれても良かったんじゃない?って感じ。以上によりハッピーエンドとなります。


 

今回の店員ちゃん