なついろレシピ(体験版)の感想・レビュー

夏ゲー×田舎暮らし体験×お店経営モノ! → 過疎地で食堂再興物語。
身寄りを失っためんどくさいかわいい異母妹(本当は他人)を支えて山村を生き抜け。
主人公くんも対人関係に不器用であるものの実直な人物でわりと良い奴です。
体験版では柚子ルート一直線ですが他のヒロインたちもそれぞれ好印象。
主人公くんの茶飲み友達感のある?猟師を目指す椋香さんとのやりとりとかグッとくる。
軽い気持ちで体験版やったら予想外に面白かった。

八重原柚ルート概要


  • 土下座編
    • 主人公くんの父親は槍鎮であり、あちこちで現地妻を孕ませては異母姉妹を量産していました。主人公くんはその度に父の不始末を処理し詫びを入れてきたのです。体験版はのっけから土下座で始まりますが、身寄りを亡くした少女;柚が主人公くんの異母妹であることを名乗り、救いを求めたことが理由でした。主人公くんは少女の手紙に応えて田舎に駆けつけますが、そこで目にしたのは、まだまだ幼く自活能力がない少女が突如祖母を亡くして戸惑うばかりの姿でした。はい、漱石展開「Pity is akin to love.」可哀想は惚れたって事よ。親戚をたらい回しにされ引き取ってくれた祖母は急死・・・世界は悪い方にしか進んでいかないとネガティブに考えがちな柚を見て、主人公くんは支えてやろうと思うのでした。幸い?主人公くんは内定取り消しの憂き目に会い無職の身だったので、柚の田舎で暮らしていくことを決意したのでした。今まで孤独であった柚は、不器用ながらもしっかり支えてくれる主人公くんに心を開いてくれるようになっていきます。今まで甘え方を知らなかった柚が感情を開いてくる様子はまさに「めんどくさいかわいい」。色々と自活スキルの低い柚に対して父性を発動させてしっかりと育成してあげましょう。



  • 職探し編
    • どうして僻地で過疎化が進むのでしょうか?理由は簡単です。「田舎には職がない!!!」そんなわけで若者たちは故郷を捨てて賃金を得るために都市労働者となるのですよ。同様に過疎が進む山村において主人公くんは職探しに苦労するのですが、新聞配達屋が年を取りすぎて世代交代を求めており、ようやく職にありつけます。しかし「余所者」である主人公くんに対し村民は冷淡な態度を取りうさんくさい目で眺めてきます。こんな時に活躍するのが異母妹の柚。柚はこれまで人見知りな性格であり、村民との交流もあまりありませんでしたが、柚の祖母が人格者であったので、みんな柚のことが大好きでした。故に柚が人見知りの恐怖と戦いながら主人公くんのことを紹介していく様子は村民の心を打つ結果になり、主人公くんが排他的な田舎に受け容れられるという結果になったのでした。



  • 食堂編
    • 鹿ベーコンのチャーハン
      • 新聞配達の職を得た主人公くんはこれまでの貯蓄もあり当面の暮らしの目処をつけます。そのような中で、柚が願っていたものは、急死した祖母が経営していた食堂を復興させることでした。食堂といっても大衆食堂であり本格的なものではなく、所謂「家庭内手料理」を売りにする味だったようです。一通りの料理経験のある主人公くんは帳簿やらメニューやらを引っ張り出して奮闘するのですが、その「家庭」の味を出すのが難しい。まず初めにチャーハンの味を再現するために試行錯誤していくことになります。その結果、チャーハンには攻略ヒロインの一人でありクール系猟師ヒロインの自家製鹿ベーコンが必要だったことが判明。差し入れにより手に入れた主人公くんはみごと祖母の味の再現に成功したのでした。
    • おにぎり奮戦記
      • 折角食堂を再興させるのだからと新メニューを開発することになります。新たな定食のルーティンに加わったのが「ご飯物+季節の魚+汁物+小鉢」のセットでした。攻略ヒロインひとりずつにそれぞれの担当が割り振られるのですが、柚ルート固定の体験版では「ご飯物」を担当することになります。ここで柚の真骨頂!めんどくさいかわいいが炸裂しまくります。お米すら炊けない!それでも白いご飯そのままはヤダ!じゃあおにぎり!けれどおにぎりすら作れない!!と怒濤の展開。それでも主人公くんは陰に日向に柚を支援し、料理スキルの育成に邁進していきます。柚がまともなおにぎりを作れるようになった時の感動は涙なしには語れません(※誇張表現です)。
    • ぬか漬け
      • ヒロインズたちの活躍により新メニューが完成したわけですが、漬け物が市販のものだった!!なんと柚は祖母が継承してきた糠床をダメにしてしまっていたのです。新しい糠床を作り直そうとしても失敗してしまう柚。ここで登場するのが我らが椋香さん。なんと椋香さんは、柚の祖母が死ぬ前に、糠床を分けて貰っていたのです。これにより再び祖母の糠床を(全て同じではないとはいえ)復活させることができるものです。椋香さんも主人公くんも多弁ではないのですが、短い言葉のやりとりの中からお互いの意思疎通が出来る描写はステキ。製品版が楽しみですね。そんなわけで糠床を再生した柚はその管理法や漬け方も教わり、ようやく漬け物を完成させることができました。新メニューもついに完成です。こうして食堂は新生され「しらたま食堂」が爆誕したのでした。


  • みたま様まつり編
    • お盆イベント祖先崇拝の始まり始まり。キュウリの馬に乗ってご先祖様の御霊(みたま)が帰ってくるんだ!!というわけです。私も祖父母が健在だった時は一緒に迎え火をして祖霊を迎え祀ったものだとノスタルジックに浸ります。先祖の霊魂と生者との交流の後には送り火をするのですが、本作の設定ではそれが「灯籠流し」であるとのこと。ここでまたしても柚は灯籠が上手く作れないタイムに入ります。めんどくさいかわいい柚の様子をお楽しみください。主人公くんに対して駄々をこねるもそれは主人公くんに気を許している信頼の証。また主人公くんも亡母の為に灯籠を作り寂しがりやのヒトだったと懐かしむのです。しかしとうとう柚は自分一人では灯籠を完成させられませんでした。主人公くんが作り上げ、小人さん(ブラウニー)がやってくれたんだと言い訳するところはナカナカの表現。ドラクエ世代にはブラウニーというと木槌をもったブラウンが想起されて仕方がない。
    • また灯籠流しの場面で、祖先のことをよく知らない、もっと知っておけば良かったと述べる柚に対して、自分自身がここにいることこそが、ご先祖様が生きてきた証と諭すシーンは結構グッとくる所だと思います。さらに主人公くんに対しても柚が同様の言葉を投げ返す描写は、主人公くんが自分や家族を肯定できることに繋がっていきます。こうして無事祖先崇拝イベントを終えることが出来たのですが、遺品整理によって柚は主人公くんと異母兄妹ではないことに気づいてしまうのです(※主人公くんは早々に知っていた)。主人公くんが自分に良くしてくれるのは「兄だから」ということに理由を求めていた柚は、(とっくにばれているのだが)、異母兄妹設定をあくまでも貫き通すために「秘密」を作ることにしたのでした。柚が主人公くんと結ばれる覚悟を示すには、「本当は異母兄妹ではないのでそれを知ったら主人公くんが離れて言ってしまうかもしれないという恐怖」に打ち克たないといけないのです。その辺を製品版ではどのように描くのか心待ちにしています。