霊視を持つ青年が鬼を使役し霊能探偵としてバラバラ殺人事件を解決するはなし。
基本的にシナリオは一本道であり、各√ごとに「メインヒロインが実は死んでました」に対するエンドが異なるだけ。
故に1周目は確かに面白く感じたが、以降はシナリオ回収と化す作業ゲーモード。
テキトーに読んでたせいか「琴莉が実は死んでました〜」という伏線に気づけなかった。
ヒロインごとに発生する事件が違ったらもっと面白かったかもしれない。
概要
- シナリオの基本的な流れ
- 祖父の遺言で土地・家・財産を授かった大学生の主人公くん。不労所得バンザイ!というところだが、主人公くんに使命が課されることになる。主人公くんは霊視の能力を受け継いでおり、先祖伝来の霊媒師に就任することになる。幼少期から祖父に思い入れがあった主人公くんは久方ぶりに再会した座敷童の影響もあり、八代目として「お役目」に邁進するのであった。
- 八代目となった主人公くんは、祖父が残した鬼と交わり自分に仕える眷属を産ませていく。この生み出した眷属たちの異能を使役して霊能探偵するのが本作品の趣旨である。主人公くんは犬失踪事件・レーザーポインター事件・SMプレイ青姦腹上死事件を解決していくが、一番内容が濃くなっているメインの事件がバラバラ死体殺人事件。
- バラバラ殺人事件の犯人は医学部を目指して多浪中の弁当屋の息子。度重なる受験の失敗と親や親族のプレッシャーから壊れてしまった。狂った犯人は女性を殺害して肉体を分断しパーツを寄せ集めて理想の身体を作れると信じ込んでいるのである。主人公くんは犯人に殺された地縛霊たちと戦ったり対話したりなんだりして謎を解き明かしていく。ミステリー展開。シナリオの中で一番の山場となっているのが、やはり、メインヒロインが実は犯人に殺されていました〜という場面。本文の中でヒントや伏線はちりばめられていたのですが、メインヒロインが犯人の遺体保存部屋に突入し、自分のバラバラとなった遺体とご対面をするシーンはけっこうびっくりするのではないだろうか?
- 事件終了後、実は殺されていたメインヒロインの処遇を巡って個別エンドが異なる。自分が死んでいることを認められないメインヒロインに対し、主人公くんや攻略ヒロインズの皆さんはどのような行動を取るのだろうか?正直霊能探偵編は事件が一本道なので、エンドだけ違ってもねぇという感覚が強い。以下に個別エンドの変化をまとめておく。
- 各個別エンド変化
- 伊予
- 座敷童の力が発動され主人公くんは琴莉の呪いから免れるエンド。琴莉は転生するために成仏し、犬として生まれ変わって伊予に可愛がられることになる。
- 滝川琴莉
- メインヒロイン。自分が死んでいることにきづかず霊能探偵の助手を自称して主人公くんと共に事件解決のために活動していた。琴莉エンドは二つに分かれる。成仏転生エンドと決断棚上げ日常続けろエンド。主人公くんに惚れていたのに最初から幽霊であり人ならざる身であった琴莉は自分の存在に苦悩することになっていた。未練をはらすために最後に主人公くんと遊園地デートに行き、ここで決断を迫られる。いやー、幽霊と遊園地デートに行き、「ひとり遊園地」をやらされると、どうしても『みずいろ』の日和√を彷彿とさせてしまうね。琴莉に対し成仏を望むと琴莉は転生すると誓って再び主人公くんと結ばれることになる(『もしらば』と同じような展開だな)。一方で主人公くんが成仏を拒むと、霊体のまま主人公くん一家と暮らすようになり決断は棚上げエンドになる。
- 土方由美
- 主人公くんのワケアリモトカノ。大学受験期に付き合っていたが、大学入学後にカノジョだけ垢抜けてしまいそれに主人公くんは引け目を感じるようになり疎遠となる。主人公くんがモトカノに対して卑屈っぽくなってしまう心情描写はとてもよく共感できるね!私も学部時代は辛い時期であり早々にサークル活動や友達づきあいなどを諦め、将来にも見通しが持てず鬱屈した学生生活を送っていたものだ(資格取得と研究と院試の勉強で4年間を潰した)。元々は三つ編みメガネ真面目だったモトカノが、美しくなってリア充ライフを送っているのだから、破壊力マックスだぜ。モトカノにおうちごはんに誘われてノコノコとついて行ったら男性用避妊具を発見してしまい中古になってしまったんだなぁと感じる衝撃ははかりしれない。まぁ結局は主人公くんとやりたいがために用意していたという展開でntrシナリオでは全然ないのですがね。
- モトカノ√では事件解決を通して復縁するのですが、それに対してメインヒロインは自分の存在意義を見失ってしまうわけです。メインヒロインは自分がもう既に死亡しており人間ですらなくさらに主人公くんには美しいカノジョがいると絶望します。故にメインヒロインは悪霊化し、モトカノに取り憑いてしまうのです。魂が融合してしまいメインヒロインを成仏させられなくなってしまった主人公くんはメインヒロインを眷属化することに救いを見出します。こうしてメインヒロインはイヌミミ姿を取る眷属として主人公くんとモトカノに隷属する生活を過ごすエンドになる。
- 伏見梓
- 主人公くんに霊能探偵の仕事を斡旋する新人婦警。正義感に満ちてやる気が溢れるが若干空回り気味。霊的事件担当である部署に配属され窓際属として公務員ライフを送ることにフラストレーションが溜まっており、男性優位社会やパワハラなどに苦しむ毎日。そんな婦警さんキャラなヒロインであるが、性格はサバサバしており、酔った勢いで主人公くんと性的関係になるところからフラグ構築が始まっていく。メインヒロイン悪霊化処遇問題においても、取り憑こうとするメインヒロインに赦しを施し、さらに自分たちの娘として転生することを提案。主人公くんとずっこんばっこんした結果、見事転生させることに成功し、ハッピーエンド。
- 伊予