雑録

月に寄りそう乙女の作法「ユルシュール=フルール=ジャンメール」シナリオの感想・レビュー

劣等感に苛まされるヒロインを支えて、多大なる努力を二人三脚で乗り越え、才能を掴むはなし。
アホの子チョロインであったユーシェが本音を晒してデレ化する様子は破壊力高い。
またルナ様が要所要所でユーシェを気に掛け、煽ったり発破をかけるシーンは友情を感じる。
挫折しそうなユーシェをやる気にさせるため、朝日を四つん這いにさせスレイプニル
最後はユーシェの祖国愛をテーマにしたスイス人魂を遊星がエーデルワイスで後押しし勝利する。
あとユーシェのお付きメイドサーシャによるフラグ構築分析はなかなか的確。

ユーシェのキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 貴族少女の劣等意識
    • ユーシェは旧貴族階層出身の立ち居振る舞いの良いお嬢様・・・、しかしルナ様により間違った日本語を仕込まれたため、「ですわ」に「おほほ」口調で「ムッキー!」と叫ぶアホの子チョロインと化してしまっています。ユーシェはルナ様を一方的にライバル視し色々と絡んできますが、友達の少ないルナ様にとって心許せる存在でもありました。ユーシェはルナ様に対抗しようとするだけあって、そのデザインのセンスもなかなかのもの。ですがそれは必死の努力により成り立っていたことが判明します。ユーシェは己を苛む劣等意識と常に戦っていたのです→→過去語りタイム。ユーシェは祖国スイスでも服飾学校に通っており教員かからも褒められていました。しかしそれはただのおべっかと媚だったのです。ユーシェは社交辞令を真に受けてしまい、自分に才能があると勘違いしていました。当初は鼻高々だったユーシェですが、次第にそれを疑問に思うようになっていきます。才能がある、デザインがステキ!と褒め称えられても、外部のデザインコンテストでは箸にも棒にもひっかからなかったからです。そして完全にユーシェが叩き潰される瞬間がやってきました。ユーシェに後追いでデザインを始めたルナ様の作品を、ユーシェが自分の学校の教員に見せるとと大絶賛されるのです。嗚呼、良い作品を見るとこんな対応をするのだな、と思ったユーシェは自分がピエロだったことに気づいたのでした。こうしてユーシェは絶望に陥るのですが、負けず嫌いな性格で自分を奮い立たせ、必死に努力を重ねることで、じわじわとスキルを上げていったのです。しかし日本へやってきてルナ様とのデザイン勝負に負け続けてしまいます。あわや精神崩壊か!?というところに颯爽と女装化メイド朝日が駆けつけユーシェを救うのでした。ユーシェの劣等意識の告白を受けた朝日は自分が大蔵遊星だということを早々にあかし、二人でデザインの修行に取り組むことになったのです。



  • 努力して才能を掴め!
    • ユーシェは女装メイド朝日改め大蔵遊星と共に二人三脚で優れたデザインを生み出していきます。今まで正式な受賞をしたことがなかったユーシェの作品が優秀賞に選ばれる可能性が出てきました。喜ぶユーシェですが、しかしまたしても立ち塞がるのがルナ様。あっさりと、しかも乗り気ではない雰囲気を醸し出しながら、優秀賞をかっ攫っていったのです。ここでまた心が折れ欠けるユーシェですが、そんな弱っている心を癒してあげればフラグは成立さ。ユーシェは自分が他人には見せないようにしていた恥ずかしい自己の本質を遊星に肯定され好感度マックスとなったのでした。これを見たルナ様はユーシェが才能を伸ばせるように勝負を仕掛けてあげます。クリスマスのコンテストを競おうと提案するのです。しかしユーシェは傷ついたばかりであり、圧倒的なルナ様の前に尻込みをしてしまいます。ルナ様はユーシェに発破をかけるため女装メイド朝日に土下座をさせ、四つん這いの背に乗りスレイプニルごっこをしながら尻を叩くのです。愛する存在が自分のライバルに虐げられる姿を見せられることでユーシェは奮起しクリスマス勝負を受けるのでした。
    • クリスマス勝負におけるユーシェには二つの問題が発生します。一つは「デザインが完成しない」こと。もう一つは「遊星の兄;衣遠との対決」。まず前者。ユーシェは可能な限りデザインを描き続けるのですが、ルナ様に勝てるような作品を生み出すことはできません。イライラとストレスに悩みながらも沸き上がる不安については遊星に甘えることで目を逸らし続けることになったのです。遊星に諭されたユーシェは親友たちに「自己の長所」を教えて貰うことで原初に帰ろうとします。そこで行き着いたのは「祖国愛」。スイス人ユーシェはデザインで自己の起源を表現しようと決意します。これでデザイン問題は解決。次には衣遠との対決ですが、ルナ様√とは違いユーシェには男バレもしており、本家からの圧力もないので、割とアッサリ目。ユーシェがクリスマスイベントで才能を花開かすことが出来る可能性を示唆し、取引に成功したのでした。こうして迎えたクリスマス。遊星のアイディアでスイスの名花エーデルワイスがユーシェのドレスに加えられます。スイスに対して意識が低い日本人審査員達に、スイス愛を花で想起させることに成功し、ついにユーシェは最優秀賞を獲得します。今までルナ様に負け続け、劣等感に苛まされながらも泥臭い努力を続けてきたユーシェが報われる瞬間でした。遊星もユーシェの衣装に関わることで衣遠お兄様に認められてエンドを迎えます。s