雑録

ひこうき雲の向こう側 共通ルートの感想・レビュー

物語の目的は、攻略ヒロインとフラグ構築した上で、そのフラグを崩壊させること。
主人公くんは、愛する少女が義妹になったので淡い恋心を封印したが故に恋が出来なくなった。
メインヒロインは、持て余す退屈と日常の鬱屈を、他人の恋愛を邪魔することで満たそうとする。
そんな陰謀を防ぐため、主人公くんはヒロインに恋愛感情を教えた上で振ってやると約束する。

概要

  • 主人公くんは決して報われない義妹への恋愛感情を強引に封印して歪む
    • 主人公くんは過去の少女への想いに囚われ続けていた。幼少期において惚れていた少女が両親の再婚により義妹となってしまったのだ(ありがち)。世間体と家族愛を優先した主人公くんはその淡い想いを封印したものの、その気持ちをずっと燻らせてきたのである。そんな主人公くんの懊悩が美術の時間に開花する。イモウトへの思いを断ち切ったその日を描いた作品「ひこーき雲の終わり」が入選したのであった。主人公くんの溢れ出る煩悶が滲み出たこの作品は、心に何かを抱えた鑑賞者に共鳴を誘うものであった。学生会の大和撫子系少女もその一人であり、主人公くんが描いた絵画をきっかけに本人にも興味を抱くようになり告白へと至る。しかし主人公くんはイモウトへの感情を処理しきれずにいて、その告白を断るのであった。また主人公くんは自分の親友が愛するイモウトにアプローチする問題をも抱えていたのだ。そんな複雑な内面を持つ主人公くんは、才能を持て余しがちなメインヒロインの格好の餌食となるのであった。


  • 持て余す退屈と日常の鬱屈を他人の恋愛を邪魔することで満たす
    • メインヒロインは日常に飽きていた。完璧超人であるが故に勉強にもスポーツにも充足を見出せなかったのである(ありがち)。そんなメインヒロインが着目したのが恋愛であったが、他者に対して恋する感情をどうしても持つことができなかったのである。だからこそ、イモウトへ恋心を抱き続けながら決して打ち明けられない主人公くんに興味を示したのであった。メインヒロインは自己の欲求のためなら、いかなる手段も問わない暴君系ヒロインであり、学園内に監視カメラを張り巡らせて校内のカップルリストを作成し、試練と称してその関係を破壊する工作を行っていた。主人公くんにメインヒロインが見せつけるのは、イモウトが告白されるその瞬間。試練と称して告白を台無しに使用とするメインヒロインの干渉を、主人公くんはどうしても止めることが出来なかったのである。メインヒロインは嘲笑し、さらに今度は主人公くんの歪んだ恋心を観察対象にするとまで言う始末。あまりにもな扱いに対し、ここで主人公くんが立ち上がる。校内全ての監視カメラを回収し、自分を観察対象の役割を甘んじて受け入れるのだ。しかしただでは転ばず、メインヒロインに恋愛感情を教え、自分に惚れさせて、最後には振ってやると宣言する。こうしてフラグ構築をして、フラグを崩壊させるという物語の目的が示されるのであった。